第8回「クレイジーモンキー笑拳」
🔳ジャッキー監督第1号の作品
最初に、ひとこと。
ガンプラ制作日記がつづいたことで
ジャッキー映画の感想は、どうなった?
と思われている方もいるかもしれない。
ジャッキー映画の感想も、
私が感想を書きたい作品がなくなるまでは
つづけてくので、こちらも楽しみに
待っていて頂ければと思う。
そういうわけで今回は
「クレージーモンキー笑拳」だ。
「天中拳」でジャッキーが目指した
コミカルクンフー映画は、
「蛇拳」「酔拳」で洗練された
完成度の高い作品として大衆の
評価を得ることになる。
この作品は、その評価を得た2作品の後に
製作された物であるとともに
ジャッキー監督作品第1号でもあるのだ。
物語は、すごく単純。よくある復讐劇である。
流れとしては「酔拳」と同じようなプロットを
基本としているが、「酔拳」との差別化を
図るためか、物語の根幹部分は、
シリアスな物語になっている。
最初に、強い主人公の活躍が始めに描かれる。
しかし、もっと強い敵が現れ、
大事な人が殺されてしまう。
そこをきっかけに、今まで
さぼっていた修行を始める。
奥義を得とくし、
その強敵と対決をして勝利をする。
大きな流れは「酔拳」と同じである。
ただ、物語の軽妙な感じと、
コミカルクンフー映画としての
完成度は「酔拳」の方が上だと思う。
この手の映画は、物語が進行する中で、
どんな風にアクションを見せるかに
面白さがあると思う。
これは、あくまでも個人的見解だが、
その見せ方が、「酔拳」の方が上手いと思う。
「笑拳」も、面白い見せ方が続くのだが、
同じシチュエーションがつづくってのもあり、
チョットしつこい感もある。
もちろん、この当時出た
亜流作品群に比べれば、完成度は高い。
しかし、コミカルクンフー映画の金字塔は、
やはり「酔拳」であろう。
(「笑拳」の感想で何を書いてんだか)
じゃ、「笑拳」は、どういう位置に
あるのかというと、
ジャッキーアクションの
アイディアの原型、それが満載の作品。
そこが、この作品の魅力だと思う。
🔳ジャッキーのアイデア満載のアクション
小道具を使ったアクション、
3本槍とのアクション。
オカマや、ピンクパンサーちっくに
変装してのアクション。
また数々の修行シーン。
その1つ1つの完成度は、
かなり高く見ていて飽きない。
ジャッキーのクンフー映画の
集大成と言われる「ヤングマスター」でも
見受けられるアクションの原型が、
「笑拳」にも多くちりばめられている。
🔳ローウェイとの対立が表面化した作品でもある
「笑拳」は、元々ローウェイが
監督する予定だったようだ。
あらすじは多少違うようだが、
いくつか撮影もしたらしい。
しかし、ジャッキーが物語に納得いかず、
また監督のローウェイとの対立も激化し、
ジャッキーが監督になり
自分の撮りたい映画を作ることにした。
これがジャッキーが監督することに
なった流れらしい。
余談だが、そのローウェイが撮影した
「笑拳」になりそこねたフィルムが
後に「醒拳」として公開される。
「醒拳」の原型となっていると言われる
「鬼手十八翻」は、「笑拳」の続編として
制作されたものではなく「笑拳」に
なれなかった作品なのである。
ローウェイ監督の作品だと、
そんなにヒットしなかったかもしれない。
そこに、ジャッキーが監督となり
ジャッキーの様々なアイデアも
加わったからこそ、ヒットに
繋がったんだろうと思われる。
ある意味、「天中拳」の頃に
模索していたことを、実現するだけの技量を
「蛇拳」「酔拳」の経験で身につけ、
更に「酔拳」とは違うアクションの見せ方
(アクロバティックな動き等)を
模索し形にしたのが「笑拳」ではないだろうか。
「笑拳」を初めて見たのはTVの吹き替え版。
主題歌の「クレージーモンキー」は
もちろん素晴らしいのだが、
挿入歌「モンキーマン」もよい曲である。
「モンキーマン」を聞くと
筋トレしたくなるくらいだ。
主題歌の「クレージーモンキー」がかかる
TV吹き替え版を見て育った私としては、
もう切っても切れないくらいの
主題歌と挿入歌である。
(東映配給のジャッキー映画は、
どれも主題歌、挿入歌があってこそ
ではあるのだが。)
🔳ラストの対決も必見!
最後にラストの対決だが、
これが見応え抜群である。
「笑拳」という拳法は喜怒哀楽を
ベースとして、相手を惑わすというか
ペースを乱すことによって、
自分に有利な戦いの状況を
作っていく拳法だ。
だから、ジャッキーはラストバトルで
笑い、泣き、怒りと様々な顔を見せてくれる。
それが上手く戦いのメリハリに繋がっており、
最後まで飽きずに戦いを観賞できる。
笑いから始まり、次に泣き、
再び笑い(喜と楽の違いが
よくわからない感じではあるが)
最後に怒り。
喜怒哀楽が順番に出てくるのは
修行シーンを見て観客もわかっているので、
次は、どんなジャッキーが出てくるのかな?
という興味で最後まで見せてくれる。
しかも最後の怒りでは、
ジャッキー映画では珍しく
筋肉を強調したシーンと
なっていることも見逃せない。
あらゆる方法で最後の最後まで
観客に喜んでもらいたい。
そういうジャッキーの演出を感じるのである。
思えば、この「笑拳」の物語自体が
喜怒哀楽を表現している
とも言えるかもしれない。
「蛇拳」「酔拳」で
成功をおさめたジャッキーが、
更なるスターへと成長できた。
この映画には、その理由がつまっていると思う。
※ヘッダー画像はAI(Gemini)を使って
当時のポスター風に再現・作成したものです。
いいなと思ったら応援しよう!
お気持ちだけで、とてもうれしいです。