小さな大事件。
ある日の朝。
私はいつものように、高校生の次男のお弁当を作っていた。
炊飯器が音を立て、
ケトルから白い湯気が立ちのぼる。
卵焼きを焼きながら、
「今日も一日が始まるな」
そんなことを思っていた。
すると背後から、
「おはよう……」
4男の少し元気のない声が聞こえた。
「どうしたの?怖い夢でも見た?」
振り返ると、4男の瞳には今にも溢れそうな涙が浮かんでいた。
「僕……今日、休みじゃないのに早く起きちゃった……」
「え?」
思わず聞き返した。
「まだ早いから、もう一回寝る?」
「嫌だ」
「じゃあ、少し部屋で遊んでもいいよ?」
すると4男は、少し悲しそうな顔で言った。
「遊んでも、学校だから楽しく遊べない」
その言葉を聞いて、私はハッとした。
大人の私は、
「早く起きられて偉いね」
「朝の時間が増えたね」
そんなふうに考えてしまう。
でも、子どもにとっては違うんだ。
少し残念そうな4男の顔を見ながら、
「この時間も、いつか大切な思い出になるのかな」
そんなことを思った朝でした。
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