見出し画像

島津の退き口。


簡単に言うと、撤退戦です。

完全に負けが確定した時

人間の真価が問われます。

その人がどんな人なのか

見るには、これ以上の情報はない。

かもしれません。

島津とは、現在の鹿児島から九州全土を制圧した

400年以上前の豪族の名前です。

有名な話だと、関ヶ原でしょうか。

退き口(のきくち)も関ヶ原での話です。

負けて逃げる、これを正面突破で行いました。

言うのは簡単です。

実際に、家族や会社の存続を賭けて。

負債を背負う事が確定する。

そのタイミングでの正面突破。

それを成功させる。

家族は大勢失いました。

しかし、象徴と意思は残した。

相手は徳川家康の本陣。

今で言うなら、巨大な大手企業です。

味方は1.000人。

配置から、相手の規模は10倍近くにいた計算。

「エイ・トー」これが掛け声でした。

捨て奸(すてがまり)これは戦法です。

一人一人が最後尾になった瞬間、

反転して、足元に銃をあるだけ突き刺す。

後は、仲間が安全地帯へ進む時間を稼ぐ。 

島津軍の得意技に釣り野伏があります。

相手を釣り出して、左右から奇襲します。

それの、撤退バージョン。

地形の見通しが悪ければ、囮(おとり)に捨て奸。

左右に野伏(伏兵)です。

たぶん現代にも通用する戦法でしょう。

人間関係でさえ、これは強力です。

撤退戦で本当に問われるのは、

能力ではなく、何が大切か。

勝っている時は、誰でも強く見えます。

周囲が期待しているかもしれない。

その状態では、人間の本質は見えにくい。

しかし、全部を失った瞬間。

その人の本質が露出します。

逃げ道がない。

言い訳もできない。

誰も助けてくれない。

その時に、その人が何を守ろうとするのか。

それが、その人の本当の価値になります。

島津の退き口が語り継がれるのは、

「強かったから」ではありません。

負けを認めた上で、

冷静に必要な行動を積み重ねました。

戦場では、全員が生き残ることはできない。

だからこそ、 何を残すのかを決める必要がある。

選んだのは、次の世代への可能性でした。

撤退とは、諦めではありません。

「今の勝負には負ける」 という現実を受け入れて、

「しかし、未来の勝負には負けない」

という判断です。

現代でも似た場面があります。

会社経営で失敗する。

 人間関係が壊れる。

そんな時、

無理に勝とうとして全てを失う人もいます。

逆に、

頭を下げる。

整理する。

守るものを選ぶ。

次につなげる。

それができる人は、

負け方を知っています。

そして、不思議なことに、

正しい撤退をした人は、

後からもう一度立ち上がることがあります。

なぜなら、財産を失っても、

判断力と信頼を残しているからです。

島津の退き口は、

「逃げた話」ではありません。

未来へ繋ぐための、最も激しい前進だった。

エイ、トー。

この掛け声は、

ただ突撃するための声ではない。

「ここで終わらせない」

という意思表示だったのかもしれません。

それでも、「場を整える」

この能力が、

どの時代でも、

生き残る上で、

最も美しいのかもしれません。





いいなと思ったら応援しよう!