見出し画像

パブリックコメントその2

在留許可手数料の大幅引き上げに関する政令案について、反対の意見を提出します。

「在留許可手数料の積算について(案)」によれば、改定後の手数料の約9割は、「外国人の出入国及び在留の公正な管理に要する費用」(入管庁予算の一部や、外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策関連経費等)とされる「応益的要素」により構成されています。
参考資料では、この「応益的要素」に含まれる施策として、出入国在留管理行政のDX推進、難民等の保護・支援、不法滞在者対策、日本語や日本の制度・ルール学習プログラムの創設、情報発信・相談体制の強化などが挙げられています。

しかし、これらの施策に係る費用負担の考え方には疑問があります。
第一に、利用者負担の考え方を採るのであれば、実際にそのサービスを利用する者が費用を負担することが原則であると考えます。しかし、難民支援は難民認定申請者等を対象とする施策であり、日本語学習プログラムや相談体制についても、すべての在留外国人が利用するものではありません。それにもかかわらず、その費用をすべての在留外国人に一律に負担させることには合理性があるとは言えません。
第二に、受益者負担の考え方を採るのであれば、日本語教育や外国人の円滑な社会適応、共生社会の実現は、在留外国人だけでなく、日本社会全体や日本国民にも利益をもたらす公共的な施策です。このような施策は、特定の在留外国人のみが利益を受けるものではなく、社会全体が受益するものである以上、その費用は広く社会全体で負担することが本来の考え方ではないでしょうか。
つまり、今回の積算方法では、費用負担の対象となる在留外国人全体は、利用者とも受益者とも一致していません。利用者負担の考え方によっても、受益者負担の考え方によっても、その負担範囲を合理的に説明することは困難であり、在留外国人全体の手数料として徴収することの妥当性には疑問があります。

行政手数料は、本来、個々の申請者に対して提供される行政サービスとの対応関係を前提として徴収されるものです。しかし、今回の積算方法は、個々の申請者が受ける行政サービスの対価というよりも、公共政策の実施に要する費用を在留外国人全体に負担させる考え方に近いものとなっています。このような費用を行政手数料として徴収することが適切であるのかについては、その法的・制度的な根拠を含め、より丁寧な説明と慎重な検討が必要であると考えます。

いいなと思ったら応援しよう!