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2月7日 うまくいかない朝を、そのまま受け止める

目覚ましより少し遅く起きてしまった朝。
急いで支度をしようとするのに、なぜかいつもより手が止まる。
服を選ぶのにも時間がかかって、いつもの動線なのに、体がうまくついてこない。
コーヒーを淹れる余裕もなくて、玄関に立ったところで、ようやく気づく。
「あ、今日は調子よくないな」って。

朝がうまくいかないと、それだけで一日全部が失敗みたいに感じてしまうことがある。
ちゃんと起きられなかった自分、テキパキ動けない自分、気分が乗らない自分。
本当は些細なことなのに、心の中では減点方式が始まって、
「今日はダメな日だ」と決めつけてしまいそうになる。

看護師として働いていると、人の状態が毎日同じでないことを当たり前のように見ている。
昨日は落ち着いていたバイタルが、今日は少し不安定。
原因がはっきりしないことも多くて、
「無理せず様子を見ましょう」「今日は低めでいきましょう」
そんな判断を何度もしてきた。

体調が揺れる日があるのは異常じゃない。
むしろ、揺れながら保たれているのが人の体だ。
それなのに、自分の調子が落ちた朝だけは、
どうしてこんなに「早く元に戻さなきゃ」と焦ってしまうんだろう。

無理に平常運転に戻そうとすると、表面上は動けても、どこかに疲れが残る。
看護の現場でも、数値だけを整えようとすると、
全体のバランスが崩れてしまうことがある。
心も同じで、調子が低いときに無理をすると、
あとから反動のように、どっとしんどさが来る。

心理学では、こういうときに「ラベリング」という方法がある。
感情や状態を否定せずに、
「今日は低調モード」「今はエネルギー少なめ」
ただそれだけを言葉にする。
評価もしないし、改善もしようとしない。
名前をつけて、少し距離を取る。

それだけで、自己批判は弱まる。
「私はダメ」から「今日は低調」に変わるだけで、
自分を責める強度が、少し下がる。
これはセルフコンパッション、
自分への思いやりの、いちばん基本的な形でもある。

空手の「受け」も、いつも強く打ち返すわけじゃない。
相手の力が強いときは、構えを低くする。
真正面からぶつからず、流れを受けて、受けきる。
今日は攻めないと判断することも、立派な選択だ。

人生にも、同じような日がある。
うまくいかない朝、気力が上がらない日。
そんな日は、無理に立て直そうとしなくていい。
今日は「受け」の日だと決めて、
力を抜いて、崩れないことを優先する。

生活ケアとしておすすめしたいのは、とても小さなこと。
朝から完璧な準備を目指さないこと。
できなかったことを数えるより、
できたことをひとつだけ拾う。

温かい飲み物を一口飲んで、呼吸を整える。
それだけで、副交感神経が少し働きやすくなる。
体が落ち着くと、心も後からついてくる。

今日の月の処方箋は、次の3つ。
1. 「今日は低調」と言葉にする
2. 深呼吸を3回
3. 朝の目標はひとつだけにする

うまくいかない朝でも、立ち止まれたならそれで十分。
受け止められた朝は、もう失敗じゃない。
今日も、自分を壊さない選択ができている。

結城ほのか

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