2月9日 雨の日は体を守る優しさを
雨の日は、どうしても体が重く感じる。
目が覚めた瞬間から、関節の奥に水分が溜まったみたいな感覚がして、布団から出るのに少し勇気がいる。外を見れば、静かに降り続く雨。空気は湿っていて、呼吸もいつもよりゆっくりになる。
こういう日は、「ちゃんと動かなきゃ」と思うほど、体と心が離れていく気がする。
でも私は最近、雨の日こそ“守る優しさ”を選んでもいいんだ、と考えるようになった。
傘をさす。
温かい靴下を履く。
それだけのことなのに、体は「大事にされている」とちゃんと受け取ってくれる。
看護師として働いていると、天気と体調の関係を日常的に感じる。
気圧が下がると、頭痛やめまいが出やすくなる人。
湿度が上がると、関節痛や倦怠感が強くなる人。
それは「気のせい」でも「甘え」でもなく、環境に対するごく自然な反応だ。
だから本当は、自分自身に対しても同じ判断をしていい。
「今日は無理をしない」
「今日は守りに入る」
それも立派なセルフケアであり、看護的な選択だと思う。
心理学では、環境への適応ができている感覚は、自己肯定感を安定させる要因になると言われている。
無理に普段通りを装うより、「今日はこの範囲で生きる」と決めること。
それは、自分を諦めることではなく、自分を信頼することに近い。
雨の日に動けない自分を責める代わりに、
「この天気の中で、ここまでできた」
そう認めるだけで、心の緊張は少し緩む。
空手でいう「受け」は、相手の力を否定しない。
真正面からぶつかるのではなく、力を受け止め、流し、自分の軸を守るための動きだ。
雨も同じ。
抗うものじゃなく、受け止めるもの。
「今日は雨なんだな」と認めた瞬間、体と心は少しだけ楽になる。
生活の中では、特別なことをしなくていい。
温かい飲み物をゆっくり飲む。
首や肩を回して、呼吸に意識を向ける。
ほんの数分のストレッチでも、体は「守られている」と感じてくれる。
雨の日は、攻めなくていい。
進まなくてもいい。
守ることを選んだ自分は、ちゃんと前に進んでいる。
今日という一日は、
「動ける範囲で正解」。
それを自分に許せたなら、それだけで十分だと思う。
【月の処方箋】
① 防寒対策を意識する
② 手足を温めて血流を守る
③ 無理のない軽いストレッチ
雨の日は、体を守る優しさを。
それが、明日の自分につながっていく。
結城ほのか
