【トリセツショー】 なぜ今、若い世代で急増中? 2014年から始まった「帯状疱疹」増加の意外な理
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2025年11月13日に放送されたNHKの「あしたが変わるトリセツショー」は、今まさに日本で急増している「帯状疱疹」の特集でした。番組冒頭から「痛い、痛い、痛い!」という叫び声が響くほどの、この恐ろしい病気の正体と対策について、番組の内容を詳しくお届けします。
日本人の3人に1人が発症!?「まさか自分が」という落とし穴
まず驚かされたのは、その発症率です。なんと、80歳までに日本人のおよそ3人に1人が経験すると言われており、今や他人事ではない病気なのです。しかも、この25年で患者数は70%も増加しています。
番組に出演した経験者の方々は、口を揃えて「まさか自分がなるとは思わなかった」と語っていました。ある30代の女性は、23歳の時に発症し「高齢者の病気だと思っていた」と後悔を口にしていました。実は、アンケート結果でも患者の約4割が40代以下という意外な事実が判明したのです。
なぜ今、若い世代で急増しているのか?「2014年の謎」
なぜ若い世代で帯状疱疹が増えているのか。その鍵は2014年にありました。この年から子供向けの「水ぼうそうワクチン」の定期接種が始まり、街中で水ぼうそうが激減しました。
実は、かつての大人は、水ぼうそうの子供と接することで、無意識のうちにウイルスに対する免疫を強化(ブースター効果)していました。しかし、子供の水ぼうそうが減ったことでこの効果が得られなくなり、結果として大人、特に子育て世代の免疫が低下し、帯状疱疹にかかりやすくなってしまったのです。
体内に潜む「VZウイルス」の正体
帯状疱疹の原因は、子供の頃にかかった水ぼうそうと同じ「VZウイルス」です。水ぼうそうが治った後も、このウイルスは完全に消えるわけではありません。実は、神経の根元(神経節)に、免疫細胞に見つからないよう「お休みモード」で潜伏し続けているのです。
そして、加齢や過労、ストレスなどで免疫力が低下した隙を突き、ウイルスは再び活動を開始します。神経を通って皮膚表面に到達し、猛烈な勢いで増殖して、あの激しい痛みと発疹を引き起こすのです。日本人の9割がこのウイルスの予備軍であると言っても過言ではありません。
受信を遅らせる「勘違い」と「72時間の壁」
帯状疱疹の治療で最も大切なのはスピードです。番組では、「発疹が出てから72時間(3日)以内に薬を飲むこと」が鉄則として紹介されました。早く治療を始めれば、ウイルスの増殖を抑え、重症化や後遺症のリスクを大幅に減らすことができます。
しかし、多くの人がここで「落とし穴」にはまります。帯状疱疹の発疹は全身どこにでも出る可能性があり、場所によってさまざまな勘違いを引き起こすからです。
お尻に出れば「虫刺され」
顔に出れば「かぶれ」や「虫歯」
足や腰に出れば「筋肉痛」
このように自分で勝手な理由をつけてしまい、病院に行くのが遅れてしまうのです。いち早く気づくためのポイントは「前駆痛」です。発疹が出る数日前から、ピリピリ、チクチク、あるいは電気が走るような違和感がある場合は要注意です。その後、同じ場所にポツポツと発疹が出たら、迷わず皮膚科を受診してください。
最も恐ろしい後遺症「帯状疱疹後神経痛」
帯状疱疹の本当の恐ろしさは、発疹が消えた後も続く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」にあります。破壊された神経がボロボロのままになり、ウイルスがいなくなった後も激しい痛みが何ヶ月、時には5年、10年と続いてしまうのです。
番組では、2ヶ月間全く眠れなかったという方や、腹筋の麻痺でお腹が垂れ下がってしまった方の痛々しい事例も紹介されました。特に50歳以上では約2割、80歳を超えると3割以上の人がこの後遺症に悩まされるという、非常に高いリスクがあります。
予防と治療の最新トリセツ
この恐ろしい事態を防ぐための最強の手段が、「ワクチン」です。2025年度からは65歳以上を対象とした定期接種が始まり、自治体からの助成も受けられるようになっています。
ワクチンには2種類あります。
生ワクチン:1回接種。費用は安めだが、効果の持続期間は5年ほど。
不活化ワクチン:2回接種。費用は高め(4万円台)だが、発症・後遺症の予防効果が非常に高く、効果は10年以上持続する。
また、もし痛みが長引いてしまった場合でも、諦めてはいけません。この20年で痛み止めの薬は劇的に進化しており、「ペインクリニック(痛みの専門外来)」を受診することで、日常生活を取り戻せる可能性が高まっています。
「痛みは我慢するものではない」という専門医の言葉が印象的でした。帯状疱疹の正体を知り、正しく怖がること。それが、あなたの健やかな明日を守る第一歩になるはずです。
