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知らないまま、諦めてしまう前に― 視覚障害者の就労を支える制度の話

100回は落ちると思ったほうがいいよ。
100回は落ちると思ったほうがいいよ。

これ、何のことだと思いますか。

これは、視覚障害者——特に弱視ではなく、全盲の視覚障害者が就職を目指したときに、よく言われる言葉です。

100か所受けて、ようやく1か所決まるかどうか。
それでも、決まらないこともある。

それが、私たち視覚障害者、特に全盲者の就労の現状です。

もちろん、マッサージの資格を取ってその道で生きていく場合は、少し話が違います。
でも、一般企業で働きたいと思ったとき——

現実は、想像以上に厳しいものです。

障害者の合同面接会に行っても、
面接すらしてもらえない。
エントリーシートを受け取ってすらもらえない。

そんなことが、今でも当たり前のようにあります。

そして、よく言われるのが、こんな言葉です。

「安全に通勤できますか?」
「見えないのに、何ができますか?」
「まずは通えることが前提なんです」

つまり、働く以前に、
“通えるかどうか”で止まってしまう。

それが、今の現実です。

視覚障害者の就労は、少しずつ広がってきたと言われています。
でも、その多くは弱視の方です。

実際、求人票を見ると——
「視覚障害(弱視)」と書かれていることも少なくありません。

視覚障害の支援をしている団体や、本来いちばん理解があるはずの眼科医療の現場ですら、そう書かれていることがあります。

そのたびに、正直、少し悲しくなります。

じゃあ、全盲の私は——
マッサージの仕事しか、できないのでしょうか。

でも実は、こうした
「通勤できない」「職場で支援が必要」という課題を支える制度があります。

それが、福祉と雇用が連携して行う就労支援です。

今日は、その中でも、私たち視覚障害者の就労を支える“ある制度”についてお話ししたいと思います。

これまで何度も立ちはだかってきた、
「通えるのか」「何ができるのか」という壁。

その壁を、少しでも乗り越えるために。
そして、「働きたい」という思いを現実につなげていくために。

数年前から始まった制度があります。

ただ、この制度はまだほとんど知られていません。

当事者にも、企業にも、支援する側にも——
「そんな制度があるの?」という声を、今でもよく聞きます。

さらに、手続きが複雑で、使い方も分かりにくい。
そのために、途中であきらめてしまう人がいるのも事実です。

それでも私は、この制度を実際に使い、相談支援の中でも関わってきて——

本当は、とてもいい制度だと感じています。

だからこそ、
もっと多くの人に知ってほしい。
そして、必要な人にちゃんと届いてほしい。

そんな思いを込めて、今日はこの制度について、できるだけ分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

皆さん、いつも「私とハッピーお嬢のnote」を読んでくださり、ありがとうございます。
奈津子@視覚障害の相談支援専門員です。

今日は久しぶりに、私の本業である相談支援専門員としての記事——
制度紹介について書いていきたいと思います。

「知らないと損する福祉の話」、
最近はあまり書けていませんでした。

でも、日々の相談の中で感じるのは、
「知っているかどうか」で選択肢が大きく変わってしまう現実です。

最近、就労している視覚障害の当事者の方からご相談を受ける機会が何度かありました。

すでに制度を活用している方、
使いたいと思っているけれど支援してくれる人が見つからず利用できていない方、
そして、今回初めてその制度の存在を知った方——

本当にさまざまな方に出会いました。

その中で、こんな声を聞くことがありました。

「この制度が使えたら、もっと働く機会を広げられるのに」
「そんな制度があったなら、もっと自由に働けていたのに」

同じ制度なのに、
知っているかどうかで、ここまで差が出てしまう。

その現実に触れて、
「まだまだ知られていないんだな」と強く感じました。

本当は使える制度があるのに、届いていない。
必要としている人がいるのに、つながっていない。

だからこそ、
きちんと伝えていくこと。
必要な人に届き、実際に使えるようになること。

そういう取り組みが、まだまだ必要だと感じています。

そして私自身も、この制度を実際に使いながら働いている一人です。

だからこそ今日は、
現場で感じているリアルも含めて——
この制度について、できるだけ分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

🟡 視覚障害者の就労に立ちはだかる壁と、支援が必要な理由

ではまず、どうしてこのような制度が必要なのか——
その前提からお話ししたいと思います。

視覚障害がある中で働くとき、最初にぶつかる壁は「能力」ではありません。

多くの場合、まず問われるのは——
「安全に通勤できるのか」ということです。

どんなに仕事ができても、
どんなに意欲があっても、

「通えないかもしれない」
「安全が確保できない」

そう思われた時点で、就労のスタートラインに立つことすら難しくなってしまいます。

さらにもう一つ、大きな壁があります。

それは——
「見えない人が何ができるのか、イメージされていない」ということです。

視覚障害と聞くと、
「読めない」「書けない」
「パソコンも使えないのではないか」

そんなふうに思われてしまうことが少なくありません。

そのため、
「どんな仕事を任せたらいいのか分からない」
という不安につながってしまいます。

一方で、例えば車いすの方であれば、
歩くことが難しくてもデスクワークで働く姿は想像しやすい。

聴覚障害の方であれば、
音声でのやりとりは難しくても、
パソコン作業や制作の仕事ができることはイメージされやすい。

では、見えない人はどうでしょうか。

「文字が読めない」「書けない」
そのイメージが強く、
働く姿が具体的に思い描かれにくいのが現実です。

でも実際には、音声読み上げなどの支援技術を使いながら、
パソコンで仕事をしている視覚障害者はたくさんいます。

それでも、その姿が知られていないことで、
「できること」が伝わらない。

その結果、
本来できるはずの仕事であっても、
最初から選択肢に入らないことが起きてしまいます。

つまり問題は、「できるかどうか」ではなく——
👉 「できる環境が整っているかどうか」

ここにあるのだと思います。

だからこそ、通勤や職場での困りごとを支える仕組みが必要になります。

そして、その仕組みとして作られたのが——
福祉と雇用が連携して行う就労支援です。

ここから先は有料エリアとなります。

ここからは、視覚障害者の就労を支える制度について、
その全体像を、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。

「こんな制度があるんだ」
「こうやって支えてもらいながら働くことができるんだ」

そんなふうに、これまで知らなかった選択肢に気づいてもらえたら嬉しいです。

そしてもし、
「自分も使えるかもしれない」
「誰かに伝えたい」

そんなふうに感じてもらえたなら、この記事を書いた意味があるなと思っています。

まだまだ知られていない制度だからこそ、
必要な人に届いてほしい。

そんな思いを込めて書いています。

よかったら、この先も一緒に読み進めてもらえたら嬉しいです。


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