部屋とワイシャツとわたし

猛暑が続く今日この頃。
世間では、
「暑いですねぇ。」
「熱中症に気を付けてください。」
なんて会話が飛び交っている。
しかし、私には別の敵がいる。
ワイシャツである。
私の生活リズムはこんな感じ。
朝6時に家を出る。
帰宅は夜8時くらい。
夜中に洗濯機を回し、朝、出掛ける前に部屋干し。
ここまでは完璧。
そう思っていた。
そして帰宅。
玄関を開けた瞬間、
「うわっ!」
部屋の中が、サウナ。
いや、サウナのほうが湿度は管理されている。
こちらは天然ミストサウナである。
慌ててエアコンのスイッチを押す。
「頼む!文明の力!」
数分後、ようやく人間の住める環境になる。
そして洗濯物を見る。
……。
ワイシャツだけ、
まだ湿ってる。
えっ?
今日、外は35℃とかだったよね?
ニュースでは、
「危険な暑さです。」
って言ってたよね?
お前、そんな中でも乾かなかったの?
逆にどうやったらその根性を身につけられるんだ。
どうやら部屋は暑くても、風がないから水分が逃げないらしい。
つまり、
暑いだけでは乾かない。
人生も同じなのかもしれない。
……いや、今はそんな深い話じゃない。
ワイシャツだ。
一瞬考えた。
網戸にして出掛ければいいんじゃないか?
でも、それはそれで怖い。
泥棒が入るほど金目の物はない。
しかし、
「暑いので網戸で出掛けました。」
これは防犯上どうなんだ。
帰宅したら、
財布はある。
テレビもある。
でも虫だけ大量に侵入していたら泣く。
結局、安全を取って窓は閉める。
そして翌日も、
半乾きのワイシャツ。
最近では帰宅して最初に見るのはテレビでも冷蔵庫でもない。
ワイシャツだ。
「今日はどうだ?」
「まだか……。」
まるで毎日、乾燥具合を確認する担当者である。
一人暮らしを始めるまで、
洗濯なんてボタンを押せば終わると思っていた。
現実は違う。
洗うより、
乾かすほうが難しい。
文明はここまで進歩した。
AIもある。
自動運転もある。
宇宙にも行ける。
なのに私は今日も、
ワイシャツの乾き具合に一喜一憂している。
誰か教えてほしい。
「部屋とワイシャツとわたし」の、本当の正解を。
