「焼き鳥なんて、どこで食べても同じ。」そう思っていた私が、初めて価値観をひっくり返された夜。

少し前、関内駅前で飲みに行った。
関内駅前は再開発の影響もあって、お店が入れ替わるのが早いらしい。
「あれ?ここ前は違う店じゃなかった?」
そんな会話をしながら歩くのも、街の楽しみなのかもしれない。
今回は、その中の一軒の焼き鳥屋へ。
焼き鳥。
正直に言う。
私は今まで、
「焼き鳥なんて、どこで食べても同じでしょ。」
くらいに思っていた。
鶏肉を串に刺して焼く。
塩かタレ。
違いなんて、そんなにあるの?
……と思っていたのである。
ところが。
一口食べた瞬間、
「えっ!?」
となった。
串は思っていたより小ぶり。
「もうちょっと大きくてもいいんじゃない?」
そう思ったのは最初だけ。
食べた瞬間、その考えは消えた。
うまい。
タレが絶妙。
甘すぎない。
濃すぎない。
でも、ちゃんと存在感がある。
鶏の味を消さず、引き立てている。
焼き加減もちょうどいい。
外は香ばしく、中はやわらかい。
「焼くだけでしょ。」
なんて思っていた自分を反省した。
料理って、シンプルなものほど腕が出る。
焼き鳥もそうなんだろう。
そう考えると、職人ってすごい。
設計も似ている。
図面は線を引くだけ。
組立はネジを締めるだけ。
そう思われがちだけど、
その「だけ」が一番難しい。
焼き鳥も、
「ただ焼くだけ。」
その"ただ"の中に、経験も技術も詰まっている。
だから、おいしい。
結局、一番驚いたのは味ではない。
50年以上生きてきて、
「焼き鳥って、こんなにうまいんだ。」
と初めて思えたこと。
まだまだ世の中には、
私の知らない「本物」があるらしい。
そう思うと、少しワクワクしてくる。
…とはいえ。
焼き鳥が小さいからといって、
「10本ください。」
と言ったら、
お会計も本格派になるので注意である。🤣
あとがき
歳を重ねると、「もう新しい発見なんてない」と思いがちです。でも、たった一本の焼き鳥で価値観が変わることもある。そんな小さな感動があるから、知らない店に入るのはやっぱり楽しいですね。
