ちび創作大賞 テーマ【あの日の選択】
今回はちょっと重めなので、ギャグなしでいきます
私の中ではこの歌、一択
平原綾香さん『Jupiter』
「あの日の選択」と聞いて、思い出すのが中越地震です。
地震といえば東日本大震災を思い浮かべる人が多いと思いますが、私の人生を大きく変えたのは中越地震でした。
自宅は震源地の近くで、
震度6強の揺れが3回も続けてきました。
今思うと、「3回もいらないよ、
1回で十分伝わるよ…」って感じです。
その結果、地面は液状化して、
家は全壊しました。
漫画だったら「つづく」で終わりそうな場面ですが、現実はそうはいきません。
幸い、父も母も私も外出中で、
おおきなケガはありませんでした。
でも、家の中のものはほとんどなくなりました。
残ったのは車と貯金くらいで、
かなりギリギリの生活になりました。
数日後、崩れた家に行き、
何を持ち帰るか考えました。
家電や家具、思い出の品を見て回った結果、
持ち帰ったのは高校の卒業アルバムだけでした。
「いつか笑い話にできる日が来るかも」
そんな気持ちがあったんだと思います。
その後、両親は約3km離れた場所に
新しく家を建てることにしました。
でも私は違う選択をしました。
父からこの土地を買い取ったんです。
ここを離れる理由がなかったし、
離れたら友達とのつながりも切れそうで。
落ち着いたらまたここに建てればいいかな、
くらいの気持ちでした。
もちろん家を建てるお金なんてなくて、
大工さんの手配も難しい状況でした。
しかも翌年には結婚予定だったので、
ここで親と別々に暮らすことを選びました。
…とはいえ、実際に結婚したのはその5年後なんですけどね。
人生って思い通りにいかないものです。
住む場所がなかった私は、
祖母の家にお世話になることになりました。
「寝る場所だけ貸してほしい」
そんな一言から始まった生活でした。
そして約4か月後、
祖母は自宅のトイレで亡くなっていました。
私は祖母が寝たあとに帰ることが多かったので、
もしトイレじゃなかったら発見がもっと遅れていたかもしれません。
第一発見者は、私でした。
もしあのとき土地を買っていなかったら。
もし祖母の家に住んでいなかったら。
もし違う選択をしていたら。
祖母は何日も見つからなかったかもしれません。
今でもふと、そんなことを考えます。
あの日の選択は正しかったのか。
その答えは、きっと一生わからないと思います。
でも、ひとつだけ確かなことがあります。
中越地震の復興を支えた歌、
平原綾香さんの『Jupiter』。
そして長岡まつり大花火大会の
復興祈願花火「フェニックス」。
今でもあの曲を聴くと、
当時の光景がはっきり思い出されます。
もう10年以上、長岡花火は見ていません。
でも今年は、行こうと思っています。
あの日の自分に、
「ここまで来たよ」
って伝えるために。
Everyday I listen to my heart.
ひとりじゃない。
あの日の選択が、
今の私をここまで連れてきてくれました。

