ユニが汗でぐっしょりになる夜――「灼熱地獄」と戦ってきたマツダスタジアムの現実
「夜なのに、なんでこんなに暑いの?」
8月のズムスタで、ユニフォームが汗でぐっしょりになった経験、
ありませんか。
5月はまだマシ。9月なら大丈夫かと思って行っても、結局暑い。夜でもだから昼はなおさら。
本当に何とかしてほしい――この感覚、カープファンなら一度は感じたことがあるはずです。
赤レンガ色の美しい外観、開放感あふれるスタンド。
広島の街に溶け込む理想のボールパーク、
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島。
でも近年、この球場は別の顔を持つようになりました。
それが、ファンや選手からも囁かれる――「灼熱地獄」です。
この記事では、
なぜマツダスタジアムがここまで暑くなったのか
その暑さがチームやファンに何をもたらしたのか
そして今、何が変わろうとしているのか
を、5つの事実から紐解いていきます。
1. チームを溶かした「灼熱地獄」
歴史的失速の裏側にあったもの
2024年シーズン、広島東洋カープは9月1日時点で首位。
「今年こそ優勝では?」と、多くのファンが信じていました。
しかし、そこから現実は一変します。
9月の成績は5勝20敗。
月間ワースト記録レベルの大失速で、最終順位は4位。CS進出すら逃しました。
原因は何だったのか。
球団OBの一人はこう語っています。
夏の猛暑が、ボディブローのように効いてきた
夏場の過酷な環境で溜まった疲労が、9月に一気に噴き出した。
守備中、選手が「暑い…」と口にする姿を、スタンドから見た人も少なくありません。
暑さは、単なる不快さではなく「敗因」だった。
この事実は、かなり重いものです。※1
この現実は2025年も解消されないまま7月の大敗を招いてしまいました。
もともと、野球選手は日ごろから「暑熱順化」対策をしています。炎天下で長時間のノックを受けるような練習をし、猛暑の中でもプレーができるように体質改善をするのです。
しかし、ここ近年は気温35度を超える酷暑が続きました。「暑熱順化」も限界です。日本の酷暑は、人間の耐性を超えるレベルになって来ました。※2
2. 開放感の秘密は「閉所恐怖症」
建築家の意外すぎる本音
マツダスタジアムといえば、圧倒的な開放感。
実はこの設計、ある意外な個人事情から生まれました。
設計を手がけた建築家・仙田満氏は、
「自分は閉所恐怖症気味なんです」と語っています。
だからこそ生まれたコンセプトが、
「町に開く野球場」=ダイナミックボールタウン。
その象徴が、新幹線の車窓からグラウンドが見える仕掛け。
偶然ではなく、減速する約11秒間だけ見えるよう計算された設計なのです。
外にいる人にも、野球の熱気を届けたい。
その想いが、今のマツダスタジアムを形作りました。※3
3. 「声」が動かした球団
ブルペン革命は選手会から始まった
かつてのマツダスタジアムのブルペンは、
フェンスとカーテンで仕切られただけの半屋外。
夏場は、
座っているだけで汗だく
登板前に体力を消耗
という、投手にとって過酷すぎる環境でした。
ここで声を上げたのが、選手会。
堂林翔太選手会長らが中心となり、
完全室内化
空調完備
を強く要望しました。
結果、球団は改修を決断。
ブルペンはついに完全室内化されることになりました。
完成は3月上旬の予定だそうです。
ただ、こうも思ってしまいます。
「声を上げなければ、何も変わらなかったのでは?」
これは美談であると同時に、考えさせられる出来事でもあります。※4
4. スタンドもまた戦場だった
熱中症とファンの現実
暑いのは、選手だけではありません。
スタンドも、命がけでした。
夏の試合では空席が目立ち、
実際に熱中症で倒れる観客も相次ぎました。
2024年のあるファンの証言です。
スタッフも3人いたけど、「どうしよ、どうしよ」って慌てるだけで…
氷の設置場所が少ない、
救護体制が追いついていない。
アンケートには、
「2階席にも氷を」
「場所を増やしてほしい」
という声が多く寄せられました。
応援に来たファンの安全が脅かされる――
これは、絶対にあってはいけないことです。※5
5. それでも進化は始まった
マツダスタジアムの“今”
オフシーズン、球場は大きく動きました。
天然芝の全面張り替え(9年ぶり)
ダグアウト・ブルペンの空調強化
└ 冷房能力は約3.1倍照明のLED化
ビジター用シャワー増設(4→7台)
総額は約7,370万円。
決して小さくない投資です。
一方で、
「電子チケットを導入してほしい」
など、まだ残る課題もあります。
マツダスタジアムは、
完成された球場ではなく、進化中の球場。
そう考えると、少し見方が変わってきます。※6
まとめ|「声」で変わる球場であってほしい
美しい外観の裏で進行していた「灼熱地獄」。
それは、チームの成績を左右し、
ファンの安全さえ脅かしていました。
でも、
選手が声を上げ
ファンが訴え
少しずつでも改善が進んでいる
その事実も、確かにあります。
本当に暑いズムスタ。
だからこそ、
「行けば楽しい」
「また行きたい」
そんな球場であり続けてほしい。
この夏、スタンドで汗を拭いながら、
そう願った人は、きっと少なくないはずです。
参照元リンク一覧
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