Vol.07:AIでつくった“だけ”では仕事にならない〜AIを道具で終わらせないために〜
AIを使えば、それっぽいものは簡単に出てきます。
コピーも、画像も、イラストも。
しかしそれだけでは仕事にはなりません。
結局のところ、“自分がどう考えたか”“どこに手を入れたか”が、相手に伝わるかどうか。
そこに「この人に頼んでよかった」が宿る気がしています。
今回は、整えた提案が相手にどう届くか。
クライアントとやりとりするなかで感じていることをまとめてみます。
「これAIなんですか?」で終わってしまう
展示会やプレゼンの場で、AIでつくったイラストや文章を見せると、「すごいですね」「AIでここまでできるんですね」と反応をもらうことがあります。
でも、たいていはそれで終わる。
そこから「お願いしたいです」となるかというと、意外とそうでもない。
見た目の驚きと、仕事としての納得感は、まったく別のものなんですよね。
整えた“あと”には、手触りがある
趣味で作ったサンプルの画像はそのまま見せることもありますが、仕事で作ったAIの出力をそのまま見せることはまずありません。
構成をいじったり、順番を入れ替えたり、トーンを調整したり。
そういう細かい手入れをした“あと”には、不思議と空気が変わる感じがあります。
相手が受け取っているのは、「AIで作ったもの」じゃなくて、“どう考えて、どう整理したか”という判断や視点。
そこに自分の関与があるかどうかで、提案への信頼感は変わってくるように思います。
整えた提案は、ちゃんと伝わる
第1回でも書きましたが、AIを使えること自体は、もう特別なことではありません。
誰でもそれなりのものは出せる。
だからこそ、“どこを整えたか”“なぜそうしたか”を言葉にできる人が、仕事を得ている。
でも実感としては、そこまで説明しなくても、“整えた感”って案外伝わっている気がします。
たとえば、コピーでもイラストでもSNSのビジュアルでも、順番に無理がなかったり、トーンが整っていたり、余白がちゃんと意味を持っていたり。
そういう小さな差が、「これはちゃんと考えて作られているな」に繋がっている。
AIを使っていることは、正直に伝えている
僕の場合、「AIを使っています」というのは基本的に伝えるようにしています。
ただ、「これ全部AIでできました」ではなく、「AIで出したものを整えて、構成やトーンを調整しています」といった感じです。
どう作ったかよりも、どこに手を入れたのか。
そこを共有したほうが、“ちゃんと考えてくれてるな”という納得につながる気がしています。
プロンプトを見せることもある
たとえば、イラストを生成したときに、「こんなキーワードで始めて、途中でこう調整しました」みたいなプロンプトの一部を見せることもあります。
それだけで、ただの“AIが出した画像”ではなくて、“思考が入った制作物”として受け止めてもらいやすくなる。
説明というより、対話の中での信頼感の作り方に近いかもしれません。
思考の順番を開示することで、納得が生まれる
プロンプトを見せるのは、「どうやって作ったか」を伝えたいからじゃないんです。
“なぜそれを出したのか”という思考の順番を共有するため。
そのやりとりを開示することで、「ああ、これは簡単に出てきたわけじゃないな」と相手にも伝わる。
誰でもAIを使える時代だからこそ、“考えて使っている”という姿勢は、見せたほうが納得されやすい。
SNSやfbでも、方法を共有している
これはクライアントに限った話ではなくて、SNSやfbなどで、「どうやって仕上げたか」や「どこに工夫したか」について書くこともあります。
たとえば、noteの記事を書くときにどんな対話をAIとしていたか、どこでつまずいて、どう突破したか。
方法というよりも、“どう考えたか”を共有する感じですね。
それが結果として、自分のスタンスを伝える手段にもなっているように思います。
整えたことが、“信頼”になる
AIを使っただけでは、まだ“提案”にはならない。
でも、そこに整えた痕跡があれば、ちゃんと伝わる。
「なんとなく良さそう」ではなくて、「これを出してきた理由があるんだろうな」と思ってもらえるようになる。
それってすごく小さな差ですが、信頼のスタート地点としては大きな違いなんですよね。
おわりに
AIを使えば、作業は早くなる。
でも、それだけじゃ信頼は得られない。
何を整えて、どこに判断を入れたか。
その思考をどう届けるか。
そこに、いま仕事として成立させるための“重さ”があるように思います。
次回は、その届け方について。
整えたものを、どう順番立てて提案していくか――
言葉や構成の話を、少しだけ具体的に掘ってみようと思います。
