社会が生んだ孤独とストレス
引きこもりの原因について考えたとき、ひとつの大きな要因として「核家族化」があると思うんです。人は元々、社会的な動物。でも、核家族で「わちゃわちゃ」が減ってしまって、引きこもりが長期化してると思います。例えば、会社なんかでも、かつては年功序列の中で、働かないおじさんたちや、や先輩たちが安心して出世していたから、問題が起きても「まあまあ、いいじゃん、一緒にやろうよ」と言うおせっかいな存在だった。だから、何とかやっていけたんだと思います。
でも、アメリカの「実力主義」や「コスパ重視」の社会システムが日本にも入ってきて、確かに、仕事ができる人が出世しやすくなったのかもしれませんが、社交的で口がうまい人が有利になり、実際には、実力とはかけ離れていることも良くある話じゃないだろうか。これにより、突き上げに不安定になり、真面目で大人しい人たちがストレス発散を吸収する役割を抱え続けることになっていると思う。
アメリカでは「自分の気持ちを大切にしなさい」という文化があり、自己主張が重視されますが、日本にはそのような文化はあまり根付いていません。結果として、ターゲットになりやすい人が、誰かのストレスの受け皿になり、精神的に追い詰められていくことが多くなったように思います。さらに、がんばればいつか報われるみたいな、はき違えたシンデレラの「優しい良い人は最後には幸せになる」「意地悪な人はいつかは不幸になる」という現実とかけ離れた妄想が強く信じられている気がする。少なくとも、口がうまい嘘つきが得をするってことが蔓延したら、引きこもりも減るかもしれない。そのバロメーターとして、イジメた人が転校しイジメられた人が学校に居残れるようになるかどうかだ。理不尽に辞めた人がただ単にその場から撤退することでしか正義の意思表示が出来ないのは、社会にとってもよくないし、本人の解決にもなっていないのが現実。次に行く元気があるなら解決といえるかもしれないけど、社会人として責任を果たすには、ブラック企業やブラック社員に、やめた後、内部告発する仕組みを作ることだと思う。
そういえば、私はしつこく引き留められる割には、なぜやめるかを聞いてくれた人はいなかったな。つまり、「だまって、がまんしろ」ってことだったのか。
