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【公認会計士試験合格後】補習所考査で安定して点を取った学習法

実務補習所の考査では、公認会計士試験と異なり、eラーニングのテキストが主な学習材料になる。論文式試験までは、予備校が作成した良いテキストを使って学習できた。また、修了考査も予備校の良いテキストを使うことができる。しかし、考査ではそうは行かない。実務家の色んな方々が作成したテキスト(スライド)には形式や難易度、読みやすさ等にバラつきがあり、論文式までと全く同じようにはいかない。
そして、テキストを最初から暗記しようとすると、どこに時間をかけるべきか判断しにくい。そこで、先に過去問から出題傾向を確認し、その結果を使ってテキストの学習範囲を絞るという順序で対策した。

監査考査第3回は体調不良により全く勉強できず、この回のみ点数はやや振るわなかったが、結果として、J1で受けた監査の考査は、比較的良好な点数を記録し、監査考査第5回では上位0.3%(上位5名)に入った。
しかし、この勉強法が誰にとっても効率的だとは考えていない。その理由は本文の最後で述べる。

J1の監査考査: 第1回〜第6回
右下合計欄:8割台が0.3%→1590×0.003=4.77なのでおおよそ5人

背景と受けた考査

2024年12月の短答式試験、2025年8月の論文式試験にそれぞれ合格し、2025年度生として実務補習所に入所した。また、理系の大学院に進学し、監査法人の非常勤として勤務している。以降では大多数と考えられる監査法人で常勤している方を対象とした表現に統一しておく。(通学→通勤、など)

以下は、J1で受けた考査の記録である。考査は、平均で60点取ればOKとされている。ただし、余裕を持たせるなら70点〜80点を目指したいところである。

テキストの精読だけでは足りなかった

対策を始めた当初は、テキストを繰り返し読み込む方法を試した。しかし、これだけでは得点力があまり上がらなかった。理由は、演習問題の絶対量が少ないことにある。実務補習所のeラーニング教材には、テキストに掲載された例題か過去問しか演習材料がなく、しかもテキストによっては演習問題自体が存在しないものもある。これは、テキストの制作者によって内容の作り込みが大きく異なるためである。

過去問だけを繰り返し解く方法にも限界がある。過去問と同じ形式の問題には対応できても、過去問で出題されたことのない論点が出た場合、まったく歯が立たないことがあった。同期の多くは、過去問を解いて覚えるという方法を取っており、この方法でも平均点である60点は超えられるとされている。ただし、それで公認会計士として必要な知識が満遍なく身につくかどうかは、疑問が残るところである(もっとも、実務で必要になった時点で個別に対応すればよいという考え方もできる)。

こうした演習量の不足を補うために、後述するとおりChatGPTを使って問題演習の量を増やした。

三週間前までにeラーニングを終える

考査対策では、考査の三週間前までに対象となるeラーニングを見終えることを優先した。eラーニングは、初回の視聴では再生速度を変更できない。二回目以降は倍速にできるが、初回は通常の速度で最後まで視聴する必要がある。そのため、考査の直前にまとめて視聴しようとすると、それだけで時間を使ってしまう。

初回の視聴段階で細かい内容をすべて覚えようとはせず、まず対象講義の視聴を終えることを優先した。三週間前までに視聴を終えておけば、残りの期間をテキストの確認と問題演習に使える。

通勤中にテキストを一周する

eラーニングを見終えた後は、eラーニングからダウンロードできるテキストを最初から最後まで一周した。この段階では、細かく書き込みながら読むことはしなかった。一つのeラーニングに対応するテキストを読むのにかかった時間は、おおむね20分から30分である。

通勤時間を使い、タブレットでテキストを読んだ。通勤中は長時間の問題演習には向かないが、テキストを順番に読む作業には使いやすい。ここでの目的は、細部を暗記することではなく、考査範囲にどのような論点が含まれているかを一度確認することだった。

過去問から出題傾向を確認する

テキストを一周した後は、2021年から2024年までの過去問(4年分)を2周解いた。時間は測っていない。考査本番の時間配分を練習するよりも、どの論点がどのような形で問われているかを確認することを優先したからである。

間違えた問題は、そのままにせず解き直した。その際、出題された部分をテキスト上で探し、該当箇所にメモを残した。過去問で直接問われた箇所だけを覚えると、同じ論点を少し変えて出題された場合に対応できない。そこで、実際に出題された箇所に加え、その周辺の説明も学習対象に含めた。過去問を解く目的は、過去問と同じ問題を覚えることではなく、出題者がテキストのどの部分を問題にしやすいのかを確認し、暗記する範囲を決めることにある。

タブレット上で重要箇所を隠す

出題傾向を確認した後は、テキストの重要そうな部分をタブレット上(goodnotes)で隠した。紙の教材で赤シートを使う方法に近い。隠した部分の内容を思い出し、表示を戻して答えを確認する作業を繰り返した。隠す対象には、過去問で直接出題された箇所だけでなく、出題された論点の周辺も含めた。先に過去問を解いているため、テキストの全範囲を同じ密度で隠す必要はなく、出題可能性が高そうな部分へ時間を集中できた。

eラーニングの視聴から暗記まで、すべてタブレット上で完結させた。通勤中にも同じ教材を確認できるため、紙とタブレットを使い分ける必要がなかった。

ChatGPTで演習量を増やす

過去問だけでは、出題傾向を確認できても、初めて見る問題を解く練習量には限りがある。そこで、ChatGPTにeラーニングのテキストと2019年から2024年までの過去問を読み込ませ、一問一答と出題予想問題を作らせた。実際に入力したプロンプトは、次のとおりである(原文のまま)。

・ファイルに入っているテキストと過去問(2019-2024)を元にして,今年の考査で出題されそうな分野・内容を考えて.
・考えた出題されそうな分野に対して,過去問と類似の形式or今年出題されうる形式で,問題と回答も作成して.
・今年の出題範囲
第5回:連結財務諸表の基礎・連結財務諸表(CF,会計処理など),分析的手続,情報処理統制(業務処理統制)
第6回:ITのリスク評価の概論,決算実務と開示,財務報告に係る内部統制の監査
毎年出題範囲は変わるので,過去問には今年の出題範囲と関係ないものが含まれている.
・考査に出題されているような形式(穴埋め形式,定義等を直接問う形など)は必ず含めること.

生成された問題のうち、出題予想問題は過去問の焼き増しに近いものが多く、過去問で扱われた知識の定着には役立った。それ以上に有用だったのは、一問一答を網羅的に作らせたものである。過去問の出題傾向を踏まえつつ、穴埋めなど複数の形式で問題を作成させ、CSV形式で出力させたうえでAnki(暗記用アプリ)に取り込み、繰り返し解いた。この一問一答には過去問で出題されていない範囲も含まれていたため、過去問だけでは対応できなかった初見の問題にも、ある程度対応できるようになったと感じている。

自分で解いた過去問は2021年から2024年までの4年分だが、ChatGPTには2019年から2024年までの6年分を分析材料として渡した。これにより、自分で解いた範囲だけでは拾いにくい出題分野も含めて、演習問題を作成できた。

生成AIが作成した問題や解答が正しいとは限らない、とはよく言われる。しかし私は過去問だけではなくテキストも含めてフォルダにまとめて、当該ファイルを参照して生成AIに出力をさせていたので、問題も解答も表現方法も基本的には正しく出力されていた。最近の生成AIは優秀なので、きちんと課金して良いモデルを使っていれば何の問題もないだろう。

実際にかけた時間

一つの考査につき、対策にかけた時間の内訳はおおよそ次のとおりである。通勤中の学習(30分を21日、約10.5時間)と、過去問演習(4年分を2周、1年分あたり約1時間として計8時間)を合計すると、約18.5時間になる。ただし、正確に時間を計測していたわけではなく、実際にはこれより多く勉強していた可能性がある。

この勉強法のコストパフォーマンスについて

最後に、率直な評価を述べておきたい。この勉強法は、時間対効果という意味では良くないと考えている。過去問だけを解いて覚えるという方法でも、多くの人が50点から60点程度は取れるだろう。実務補習生の多くは、論文式試験という難関を突破してきており、地力がもともと高いためである。

そのため、この勉強法を全員に勧めるつもりはない。参考にしてほしいのは、余裕を持って通過したい人、追試(1回あたり15,000円)をどうしても払いたくない人、そして現時点で点数が伸び悩んでいる人である。

もちろん、この結果だけで約18.5時間が誰にとっても十分だとは断定できない。予備知識や講義内容の理解度によって、必要な勉強時間は変わる。ただ、考査範囲を最初から均等に暗記するよりも、過去問を基準に優先順位を付ける方法は、限られた時間を配分するうえで有効だったと考えている。

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