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次なるAI産業を探してみた③:チップを洗う水が、次の投資テーマになるかもしれない話

TSMCが熊本に工場を作ると発表されたとき、正直ピンとこなかったんですよね。

「半導体工場ができるのはいいけど、自分にはあんまり関係ないかな」くらいの感じで。

でもそのあと、「半導体の工場って、具体的に何を使うんだろう」と気になって調べ始めたんです。そうしたら、電気と大量の水が必要だということを知りました。

電気の話は前回書きました。今回は水の話です。これを読んでいる方、半導体って水で作るって知っていましたか? 僕は知らなかったんですよね。

今回も保有していない銘柄の検討記録です。

純度99.9999999%の水というものがある

半導体のチップを製造する工程では、何十回もチップの表面を「洗う」作業があります。

普通の水道水を使ったら、ミネラルや不純物でチップが壊れてしまいます。だからチップの製造には「超純水」というものが使われているんです。

純度を数字で書くと、99.9999999%以上です。9が8個並びます。

この水を作るためには、大量の水を何段階ものフィルタリング、脱イオン、紫外線照射、膜処理...といった工程にかけていく必要があります。そのシステムを設計・施工・運用するのが、超純水メーカーの仕事です。

ちなみにこの超純水、AIのデータセンターや半導体工場が増えるほどに需要が増えます。WEFは「半導体製造に使う水の需要が、今後25年で6倍以上に増える」と試算を出していました。水不足が深刻な地域では、すでに問題になり始めているそうです。

栗田工業が「動けなくなる構造」を作っている

日本でこの超純水の世界シェアが約20%ある会社が、栗田工業(6370)です。

何が面白いかというと、彼らのビジネスモデルが「かかりつけ医モデル」に近いんです。

普通の会社なら、装置を作って納品して終わり、という商売をします。でも栗田工業は違っていて、納品した装置を顧客の工場の中で自分たちがずっと運用・保守し続けるんです。

工場の中に常駐して、水質を毎日管理している。

これが何を意味するかというと、「別の会社に替えようとすると、超純水システム全体をイチから入れ替えないといけない」という状況になるんです。工場を止める期間も必要で、切り替えコストが膨大になる。だから一度栗田工業を選んだ顧客は、なかなか他に変えられない。

しかも、100社以上の半導体大手と共同研究契約を結んでいるそうです。顧客の工場に入り込んで、一緒に次世代の超純水システムを作っている。これだと顧客もますます外に出られなくなりますよね。

株価は8,563円で、52週安値(4,930円)からは+73%上がっています。すでに市場に少し気づかれてきているのかな、という値動きです。配当は1.56%で、僕が普段見ている2〜3%の基準には届いていません。


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オルガノという会社が急成長している数字を見た

栗田工業と同じ超純水エンジニアリングの分野で、急成長しているのがオルガノ(6368)です。

TSMCが熊本に建てた工場の水処理を担当していると言われています。2026年3月期の第3四半期決算では、売上高が前年同期比+10.4%、営業利益が+32%という数字が出ていました。

台湾や米国の先端半導体工場でも大型プロジェクトを受注しているそうです。

株価は16,480円で、配当は0.27%とほぼゼロに近いです。「配当よりも成長に投資している」タイプの会社ですね。栗田工業より株価は高く、配当は低い。でも成長率は高い。

どちらが好みかは、投資スタンスによって変わってくると思います。

水処理テーマが複数のシナリオで生き残る理由

今回の調査の中で、栗田工業とオルガノは「複数の未来シナリオで生き残れる会社」だなと感じました。

AIが引き続き成長する世界でも、半導体工場は稼動し続けるから超純水が必要。AIバブルが弾けた後でも、すでに建てた工場は動き続けるから超純水が必要。水不足が深刻化する世界でも、水処理技術の重要性は上がる。

どのシナリオでも「半導体ファブが動いている限り、超純水は削れないコスト」という構造があります。

電力と同じく、地味でわかりにくいけど、実はなくてはならないインフラなんです。

栗田工業の52週安値からの上昇(+73%)を見ると、「すでに先に動いた?」という不安もあります。でも52週高値(9,508円)からは-9.9%の水準にあるので、高値から少し落ち着いてきているタイミングでもあります。

今すぐ買おうとは思っていないんですが、「ここが動くとしたら、どのタイミングがいいか」は引き続き気にしておこうと思っています。

最後に

超純水、という言葉を今回初めてちゃんと調べたんですが、面白いなと思いました。

「チップを洗う水」という説明を読んだとき、半導体ってそういうふうに作るのか、と素直に驚いて。そしてその水を作る会社が、実は世界的な競争力を持っているというのも。

地味で目立たないけど、替えが効かない。日本ギア工業と似た「隠れた強さ」があるように感じます。


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この記事は個人の調査・感想です。特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。株価・配当利回りは2026年5月21日時点の概算値です。投資は自己責任でお願いします。

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