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羽生結弦 notte stellata 2026 ディレイビューイング

2026年3月11日(水) 晴 4/-3℃

 あの日からもう15年。ずいぶん前のことのようにも、つい昨日のことのようにも、時の流れが波のように押したり引いたり感じる。

 私の住む街は被害はなく、被害の大きかった東北に知人もなかった。
 そんな私があの日、真っ先に安否を心配したのは羽生結弦君だった。当時すでに、仙台の羽生結弦は若き日本フィギュア界の希望の星として名を馳せていた。
 Google検索に“羽生結弦”と入力したら、無事と出てきて、安否を思った人が星の数ほどいたのだろうなぁと思った。

羽生結弦 notte stellata

 羽生結弦は現役時代、ノッテステラータという曲でエキシビションを滑っている。ロシアの名伯楽、タチアナ・タラソワさんに是非滑ってと贈られた曲だとか。白鳥が天を舞っているような振り付けで、羽生結弦のスケートを堪能するならこの曲!というくらい私は好きなプログラムだった。
 プロスケーター転向後、2023年からこの名を冠したアイスショーを主催。3.11の時期に宮城県のリンクで、東日本大震災の鎮魂のアイスショーである。
 全国の映画館でライブビューイングも行われ、初回から毎年、私は映画館で観ている。今年は4回目ともなると毎年お馴染みの行事のようにもなってきて、こういう追悼の仕方もありだなぁと思う。

notte stellata 2026

 フィギュアスケートを観るのに1番良いのは会場で臨場感たっぷりに観ることだが、次に良いのは映画館で観ることなんじゃないかと思っている。最近の映像はよくできていて、自分が会場のスタンド席に座っているかのように錯覚するし、それなのに映像は大画面で美しく、等身大のスケーターが飛び出してきたかのように細部までよく見える。

 暗転した会場に、観客のペンライトの光が灯り、夜空の満天の星のようにまたたいて、羽生結弦のノッテステラータでうっとりと静かに幕が開ける。

 出演スケーターは例年通り。安定安心のノッテステラータファミリー。
 トップバッターは今年も東北出身の本郷理華ちゃんで、スズメ。鈴木明子ちゃん、無良君としっとりした曲が続く。
 パッと雰囲気が明るく一転したのはフラフープでお馴染み、ビオレッタ・アファナシバさん。毎年思うけど、フラフープ使い、お見事!
 ジェイソン・ブラウン、ハビエル・フェルナンデスと羽生君の盟友達の好演が続く。ハビちゃん、黒髪の可愛い男の子だったのが、白髪が混じり欧米人らしい年齢の重ね方をしていてびっくりした。
 今年のコラボゲストは東北ユースオーケストラ。坂本龍一氏が、震災後に取り組んでいた活動らしい。存命だったら、坂本龍一氏がピアノだったのかなぁと、そちらにもそっと手を合わせた。戦場のメリークリスマスが演奏されたあと、羽生とのコラボでハッピーエンド。

 10分間の休憩をはさみ、第2部は東北ユースオーケストラとのコラボから。リトルブッダの音楽で、グループナンバー。風にたなびく衣装も素敵。
 羽生君と同い年の田中刑事君、宮原知子ちゃん振り付けのプログラム。たしかに動きに知子みがあって、こういう刑事君も良い。
 宮原知子ちゃんのパリは燃えているか、衣装も世界観も良かった。
 シェイリーンボーン・トゥロックはラ・クルパルシータ。椅子に男物の白シャツがかかっていて、すでに雰囲気醸し出しまくり。冒頭、そのシャツを客席に投げ入れ、お父さんの頭に被さった!氷上で椅子をこんなに自在に操る人を初めて見た。まるで椅子がアイスダンスパートナーかのように、一緒に滑ってなおかつ魅せていた。そして白シャツを回収しないまま、颯爽と引き上げていった。シェイ様カッコ良すぎます…。
 ジェイソン・ブラウン再びで、競技プログラムの鏡の中の鏡。やっぱりジェイソン、上手。
 ラストは東北ユースオーケストラと羽生結弦のコラボで八重の桜。羽生君には和の衣装がよく似合う。スケートは凄まじい。私は何を見ているのか、とあっけにとられているうちに終わり、観客はこの日1番の歓声でスタンディングオベーション。挨拶の時、カッと目を大きく見開いていて、武将みたいだなと思った。刀を鞘に収めるようなポーズでリンクからはけていった。

 エンディングはMISHAの希望の歌。スケーター全員がとても楽しそう。羽生君も、今までより程よく肩の力が抜けて仲間と楽しく過ごしているように見えて、何か良かったなと思った。ラストは客席のライトは皆思い思いの色を点灯させていたのか、メインポスターのように色とりどりの花が咲いているかのようだった。
 今年もnotte stellataが観られて、希望の光を灯してもらえたなぁと思った3月11日だった。
 

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