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僕は信念がある人に惹かれるんだと再認識した。│Quick Japan vol.180 粗品特集号

 まず最初にお伝えしておきたいのは、本記事は『Quick Japan vol.180 │ 2025年10月号』(太田出版、以下「QJ180」)を読んだ感想です。
 少しばかり引用をさせてもらっている部分はありますが、大きなネタバレはないように注意しておりますので、未読の方も安心してお読みください。

ただぁ!

 買ったけど忙しくて読めてないは大目に見るとしても、この期に及んで、まだQJ180を買ってさえいない自称「粗品ファン」は、ただのモグリやなあ。


 はい、というわけで、感想を述べて参ります!
 すごい本です、これ。他の芸人とは明らかに異質な存在である霜降り明星・粗品という芸人の「今」に最も迫った一冊なのではないでしょうか。

 僕が粗品をリスペクトしている理由も踏まえて、書き記していきたいと思います。
 (勝手ながら敬称は省略させていただきます。すません)


◼️僕は信者でも太客でもない。


 QJ180の内容に入る前にまず、僕が粗品を好きな理由から。
 これは本の内容に特に関係ない部分ですので、読み飛ばしてもらっても結構です。

 僕個人の性格的にはどちらかといえばおおらかな方で、あまり人に怒ったところを見せたり(怒らない訳ではない笑)、キツイ言葉をかけたりする方ではありません。
 なので、結構、粗品が好きというと、驚かれることもあります。
 「あんな毒舌な芸人が好きなの!」みたいな。
 そう言われるたびに、違うんだよな〜、まあ毒は吐くんだけど、本質はそこじゃないんだよな〜っと思いながら、「やっぱこういうリアクションになるし、今度から粗品が好きって言わんとこかな〜」っとか考えてます笑。

 大前提として言っておきたいのは、僕は粗品のただのファンであり、信者ではないということ。そして、太客(粗品の生配信などで1万円以上の投げ銭経験があるファンの呼称)でもありません。
 ファンなら投げ銭しろよ!と思われるかもしれないですが、なんか僕としてはそこに一個ラインがあって。
 粗品のファンが投げ銭をするのって、コメントが読まれるからとか、粗品に認知されたいとか、単独ライブ「電池の切れかけた蟹」の太客と喋ろうのコーナーで粗品と喋ることができるからとか、そういう動機の人が多いと思うんです。単独ライブの前日に初めて投げ銭する人がいるくらいですから。
 
 でもこれは粗品に限らず、ライブ配信の投げ銭行為には一定程度、そういうファン心理が働いていると思っています。
 僕は、それが、なんか、受け付けなくて。
 ライブは行くし、グッズも買うけど、投げ銭はしないかなぁ。
 自分の存在は自分で証明する!みたいな、克己心のようなものがあります笑。

 でも、もちろん、それで救われる人もいるので、一概にそういうファン心理や行為を否定するわけではありません。
 推し活の本当の意義は、そこにあるわけですから。
 誰かを推すことが生きがいになる。それはすごく尊いことです。

 前置きが長くなりました。
 じゃあ、なぜ僕が粗品のYouTubeを見たり、霜降り明星のオールナイトニッポンを毎週欠かさず聞いたり、寄席を見に行ったりするのか。
 それは単純明快。

 おもしろいから!!!!!!!!

 そして、かっこいいから!!!!

 です。

 前者はそのまま。めちゃくちゃ笑わせてもらっています。ありがとう。日々にメリハリがついて、これはほんまに救われています。気持ちが前向きになる。笑うってすごい。
 後者は、これは芸人さんの多くに言えることなんですが、人を笑かすというすごく根源的で原始的なことに、全身全霊で向き合って、めちゃくちゃ考えている。霜降り明星は、特にそれが、すごいと思う。
 2人のコンビ内でのキャラクターの分け方とか、ピンでの仕事のバランスとか、常にお互いにお互いを意識して、配慮して信頼し合ってお笑いをしている感じがするし、コンビでリアルに天下を獲ろうとしているのが、伝わってくる。

 だって、コンビのYouTubeは毎日投稿をもう丸6年以上続けてる。粗品に関しては個人チャンネル2つを運営して、こちらもほぼ毎日投稿している。しかもその内容が、斬新で秀逸で、おもしろい。
 ほんでテレビに深夜ラジオ、劇場にも立つ。音楽もやる。本も出す。
 やばすぎるぅ〜。すごい、ほんまに。

 この、「ガチで天下を獲りに行っている姿勢」がめちゃくちゃかっこいい。
 ほんでそのために、ある部分においては俗世的な事柄とは縁を切って、本気で自分の創作や仕事に向き合い続ける姿勢も、男として、カッコ良すぎる。
 独自のお笑い哲学と美学を持って、挑んでいる姿がカッコ良いです。
 生き様ですね。

 面白いし、かっこいい。

 僕はそんな理由で、霜降りが好きです。

 まあ、かっこいいに関しては、面白いから好きになって、あとからそういう面も知って、なおさら惚れ込んでいくみたいな感じなので、他の芸人さんでも、僕が知らないだけで同じことは言えるのかもしれないです。

 とはいえ、ファンであることと、発言内容を全て肯定することは別なので、粗品の過激発言にはたまに「言いすぎやろぉ〜笑」と思うこともあります笑。その辺りが、信者じゃないところかなと。
 あと、粗品ワード(ただぁ!、お前のこと誰が好きなん?、賢いから断った、など)は日常生活では使わないようにしているとかも、冷静なファンって感じです笑。

 まぁとにかく、お笑いへの向き合い方が、ストイックで、まっすぐで、純粋で、かっこいい。
 ただの面白いじゃなくて、そういう部分に気づいたことで、リスペクトに繋がっていきました。

 自然とそうなるように自分で「見せ方」を設計しているのも、粗品のすごいところ。

 QJ180は、そんな僕の粗品への愛や理解が、さらに深まる一冊でした。


◼️かなり重厚な1冊が世に放たれた。

 さて、ここから本編。QJ180について。
 まず概要的な部分から言うと、

 もはや発言一つ一つがネットニュースになる、これまでの芸人と明らかに違う「異質な存在」である粗品。長く変わらなかったお笑い界の旧態を刷新しようとしている彼が考える「今おもろいことのすべて」を解き明かす!
 として、50ページを粗品に割く大々大特集。
 2万字インタビューでは、「世直し」「発明」「面白さの美的判断」という3パートで粗品の価値観に迫る。
 他にも、大阪時代から交友を深める3人の後輩芸人へのインタビューや、粗品が今おもろいと思う後輩芸人の紹介などのコーナーが掲載されている。

 めっちゃ重厚。
 インタビュワーさんの中での粗品解像度がめちゃくちゃ高くて、かなり深い部分まで切り込んでいっている!
 とても読み応えがあった。

▷掲げる美学の明確さ

 まず印象的だったのは、粗品のお笑いに対する美学の明確さです。
 明確なビジョンや意志がある上で、深く考えてやってないと、こんな存在感を放つ芸人にはなれないだろうなぁとは思っていたのですが、あらためてそこを本人に語られると、その一貫性と深さに驚かされます。

 「何がおもしろくて何がおもしろくないかという判断基準が、お笑い界って曲がった方向に行きがち」だと語る粗品。
 つまり、セコ技を使ったり、やり尽くされた形を模倣したりという「本当はあんまりおもしろくないこと」をしてウケて、売れていく芸人がいる一方で、その逆が罷り通ってしまう。
 だから、YouTubeでお笑いについて真面目に語ったり、時に他の芸人やお笑いファンに毒付いたりして、「本当に面白い芸人が、正当に評価される世界」を作ろうとしている。これを粗品は「世直し」と表現する。
 そこには紛れもなく「自分が一番正しい」という考えがあり、そのために守り抜く美学がある。

 インタビューではその辺りについて語っていて、めちゃくちゃ納得した。

 いつだって、多勢に挑む者は異端扱いをされる。それを覚悟の上でここまで影響力を高めるに至った道程は、どんな人でも学ぶべきものがあると思う。

▷冷静な分析能力

 2018年に史上最年少でM-1グランプリで優勝。
 粗品はそこからの7年間と現状について、「お笑い界のコマとしてテレビに消費されて、自分の格も上げずにダラダラとお笑いをしたらこうはなってなかったでしょうね」と振り返る。

 また当時は「野心はありつつも自分の地位も高くなくて、何を言っても影響力のない時期やった」と言い、今の理想的な状況になるためにM-1優勝後ずっと動いてきたと語る。

 自分の美学や「世直し」のために、自分の立場を冷静に分析して、長い目で計画を練り、直向きに実行する能力。すごい。
 それで実際に理想に辿り着く確率って何パーなのよ。
 SNSが影響力を持つようになった現代との相性もすごいし、そこも計算づくだったのなら、もうお手上げです。

 現状分析と将来目標を合わせて考える冷静さと、ひたすら理想実現のために実行に移す直向きさ。すごいっす。

▷やっぱ人として魅力的な人は、愛情深い。

 ただただ過激なだけじゃないところも、粗品の魅力。
 QJ180では、「四兄弟」として粗品のYouTubeにも度々登場する後輩芸人3人のインタビューも載っている。そこからは、心を許した仲間には人並み以上の愛情を向ける粗品の熱さがわかる。

 具体的なエピソードはぜひ本誌を読んでもらうとして。
 このインタビューを読んで、僕は、自分が憧れる人に共通する点として、「愛情の深さ」があるなと気づいた。
 人に深い愛情を向けられる人って、多分、確固たる自分を持ってる人だと思うんですよね。その上で、自分の正義を実行している人。だからこそ、他人を受け入れて、気を配ることができる。
 そんな人がかっこいいなと思う。

 その点、粗品は「三大欲求を全て捨てて、お笑いに挑む」というストイックさ。その分、人に向ける愛情も深いって訳だわな。

 改めて、粗品はその生い立ちからしても、人の痛みや悲しみがわかる人で、だからこそ自分をしっかり持っていて、だからこそ人に愛情を向けられる人なんだなと思った。


まとめます。

 まあ、色々言いました。

 お笑いは昔から好きだったのですが、ここまでハマった人はいなくて、なんでやろうと考えていたのですが、やっぱり「覚悟」が見えたからなんでしょうね。
 世の中を変える!!という、公言はしていないものの、確たる思想を持っていそうな、漏れ出る雰囲気というか。メディアを通じてさえ、それを感じ取ったからこそ、僕は粗品にハマったんでしょうね。

 ほぼ暴言ととらえられる言葉を吐いたり、オーバーキルしちゃいがちだったりなのは、たまに受け入れ難いですが笑。
 まあでもそれも、全部、コントですから。

 さて。
 今まさに時代のうねりを生み出している超本人。霜降り明星・粗品。

 そこに偶然はなく、全て必然なんだ。

 QJ180は、そんなことを感じさせられる一冊でした。

 粗品ファンも、お笑いファンも、いずれにも興味がない人にも、読んでほしい一冊です。


 回し者でもなんでもないですが、多くの人に読んでもらいたいので、公式ストアのリンクを貼っておきます!笑


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