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【詩作】おおかみ

駆ける狼
何を見る
両の目を見開いたとて
映る景色は鉛色

駆ける狼
何を聞く
両耳を澄ましたとて
鼓膜を打つのは絶えぬ憎悪の声

なぜ駆ける
狼は問う
己に問う
わからぬのだ
焦燥感だけが支配した頭で
考えることもできず
死に急ぐように
駆け抜ける

消えたい
そう言って泣きじゃくった
あの夜の底
弱い自分はもういない
できるのは
言い聞かせることだけだ

どこまでも
どこまでも
地面を蹴り続ける
砂を巻き上げる
草の根に爪を立てる
太陽が地に寝転がろうと
空が泣こうと
稲光が暗雲を裂こうと

どこにも辿り着けない
何を目指しているかわからないから
辿り着いたところで
そこにも居場所はないのだろう

やがて狼は
地面に倒れ伏した
もう疲れたのだ
駆けること
生きること
無意味だったのだ

何も成せなかった
薄れゆく意識の中で
狼は最期に思った
生まれ変われるのなら
友だちをつくろう
たくさん遊ぶんだ
あたたかいな 幸せだな

氷雨に打たれる狼が
再び起き上がることはなかった

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