もっこ論 第193話 第4幕_次元の架け橋
シーン1:測度の支配
関数こそが積分の主役だという思い込みが、根底から覆る。同じ関数 $${f(x)=1}$$ を積分しても、選ぶ測度によって結果は別世界になる。
通常の積分(加法世界の測度 $${dx}$$):
$${ \int_1^N 1\,dx = N-1 }$$
対数世界の測度 $${ \frac{dx}{x} }$$ を用いた積分:
$${ \int_1^N 1\,\frac{dx}{x} = \log N }$$
関数は変わらなくても、測度を変えるだけで成長法則そのものが変質する。
ログ世界の真の微小変化は $${d(\log x) = \frac{dx}{x}}$$ であるはずだ。
積分の本体は関数ではなく、世界の物差しである「測度」の方だったのだ。
シーン2:足元からの出発
いきなり「生成場」や「$${1.5}$$ 次元」の測度を問う衝動を抑え、まずは既知の次元である $${1}$$ 次元、 $${2}$$ 次元、 $${3}$$ 次元における離散と連続の差を整理し、その共通法則をあぶり出す作戦へと移行する。
未知へ跳躍する前に、既知の世界の設計図を解読しなければならない。
シーン3:一般法則の抽出
$${1.5}$$ 次元への架け橋なのか。
各次元における離散履歴 $${D(N)}$$ と連続履歴 $${C(N)}$$ の差 $${R(N)}$$ を計算し、並べる。
まず、
$${1}$$ 次元:$${f(x)=1}$$
$${D_1(N) = \sum_{k=1}^N 1 = N}$$
$${C_1(N) = \int_0^N 1\,dx = N}$$
$${R_1(N) = 0}$$
つぎに、
$${2}$$ 次元:$${f(x)=x}$$
$${D_2(N) = \sum_{k=1}^N k = \frac{N(N+1)}{2}}$$
$${C_2(N) = \int_0^N x\,dx = \frac{N^2}{2}}$$
$${R_2(N) = \frac{1}{2} N}$$
そして、
$${3}$$ 次元:$${f(x)=x^2}$$
$${D_3(N) = \sum_{k=1}^N k^2 = \frac{N(N+1)(2N+1)}{6}}$$
$${C_3(N) = \int_0^N x^2\,dx = \frac{N^3}{3}}$$
$${R_3(N) = \frac{N^2}{2} + \frac{N}{6} \sim \frac{1}{2} N^2}$$(主項)
結果を並べると、次元を貫く共通の設計図が浮かび上がる。
$${R_1(N) = 0}$$
$${R_2(N) = \frac{1}{2} N^1}$$
$${R_3(N) \sim \frac{1}{2} N^2}$$
ここから、$${D}$$ 次元に対する残差の一般公式が予言される。
$${R_D(N) \sim \frac{1}{2} N^{D-1}}$$
もし、次元の概念を整数から連続的に拡張できるなら?
次元の狭間である $${D = \frac{3}{2}}$$($${1.5}$$ 次元)の世界が存在するならば、その残差はこうなるはずだ。
$${R_{\frac{3}{2}}(N) \sim \frac{1}{2} N^{1/2} = \frac{1}{2} \sqrt{N}}$$
これまで様々な計算の果てに偶然のように現れていた $${\sqrt{N}}$$。
それが今、次元の法則という一本の線でつながり、$${1.5}$$ 次元の扉が音を立てて開き始める。
