AI推進担当だけど、メールは自分で書いている。その理由を話します。
お疲れ様です、ぽんずです。
先日、とあるAIベンダーさんとメールでやり取りをしていた時に、ふと考えたことがあります。
「AIを推進する立場のワイが、なぜメールは自分で書いているんだろう?」と。
今日は、その問いについて考えたことを書いてみます。
メールと添付資料が別人格だった日
きっかけは、あるAIベンダーの担当者さんから届いた1通のメールでした。
メール本文では「3点ご提案があります」と書いてあるのに、添付資料には2つしか載っていない。しかも、メールの文面はすごく丁寧なのに、添付資料のトーンはまるで別の人が書いたようにカジュアル。
正直、「このメール、メンヘラなの?」と思ってしまいました。すみませんwww
おそらく、メール本文はAIで生成して、添付資料は別のタイミングで作ったのだと思います。本人にやんわり確認したら、謝罪されました。悪気はなかったのだと思います。
ただ、このやり取りをきっかけに、「AIに文章を任せきると、こういうズレが生まれるんだな」と実感したんです。
メールって、本文だけで完結するものじゃないですよね。添付資料との整合性、件名との一貫性、前回までのやり取りの文脈。そういう「つながり」まで含めて、1通のメールだと思うんです。
その「つながり」を保てるのは、結局、文脈を理解している自分自身なんじゃないか。そう思った出来事でした。
もちろん、「メール本文も添付資料も、全部まとめてAIに投げればいいじゃん」という意見もあると思います。
たしかに、今のAIは100万トークンのコンテキストを扱えるものもあります。技術的には、過去のやり取りも添付資料もまとめて放り込んで、整合性のとれたメールを生成することは可能です。
ただ、それを毎回やりますか?という話なんです。
ワイは1日に何通もメールを書きます。その都度、過去のスレッドと添付資料をAIに食わせて、出力を確認して、微調整して……。正直、それは非効率極まりない。
それに、AIにも利用制限があります。ChatGPTもClaudeもGeminiも、使いすぎれば制限がかかる。そのリソースを、メールに割きますか?という問題もあるんですよね。
ワイは、AIのリソースはもっと「考える仕事」に使いたい。メールは、自分の手で書いたほうが早いし、確実だと思っています。
AIに任せない理由は「脳の筋トレ」だった
ベンダーさんのメール事件をきっかけに、ワイは自分のメールの書き方を改めて振り返ってみました。
そこで気づいたのが、「メールを自分で書くこと自体が、脳のトレーニングになっている」ということです。
科学的な根拠があるわけじゃありません。あくまでワイの実体験です。
でも、自分で文章を組み立てる時って、頭の中でいろんなことを同時に処理していますよね。相手の立場を想像して、伝える順番を考えて、誤解されない表現を選んで。この「考える工程」を全部AIに外注したら、自分の頭で考える力が少しずつ衰えるんじゃないか。
そう思っているんです。
筋トレと似ているかもしれません。毎回、機械に任せて体を動かさなければ、筋肉は落ちていく。メールの文章を考えることは、ワイにとって「思考の筋トレ」なんだと思います。
40代が考える「介在価値」という話
もうひとつ、ワイがメールを自分で書く理由があります。
それは「自分の介在価値」をどこに置くか、という問題です。
AI時代に「自分にしかできないこと」って何だろう?と考えると、正直、オリジナリティという言葉は40代にはちょっと重たい。クリエイティブな発想で勝負するのは、若い世代のほうが得意かもしれません。
でも、「この人が書いたから伝わる」「この人のメールだから読む」という信頼は、長年の仕事の積み重ねでしか作れないと思うんです。
相手との関係性を踏まえたニュアンス。過去のやり取りから読み取る文脈。「ここは丁寧に書いたほうがいい」「ここはあえて短くしたほうが伝わる」という判断。
こういう部分は、AIにはまだ難しい。というより、自分がやるべき領域だと思っています。
AIは優秀なレビュアーとして使う。でも、最初の一文は自分で書く。この順番が、ワイの中ではしっくりきています。
メールで「シゴデキ」認定された前職の話
偉そうなことを書きましたが、ワイがここまでメールにこだわるようになったのには理由があります。
前職で工場の情シス担当として入社した時、中途入社のワイは、まあ歓迎されませんでした。挨拶しても無視。質問しても素っ気ない返事。「あ、これ結構キツいな」と思った記憶があります。
でも、情シスって全社員にメールを送る機会が多いんですよね。
システムメンテナンスのお知らせ
セキュリティの注意喚起
新しいツールの案内
毎週のように全社メールを書いていました。その時に、ワイなりにこだわりを作っていったんです。せっかくなので、今も続けている「ワイのメール11のルール」を紹介します。
① 担当者の名前の後の「様」は「さま」にする。
会社名、部署、役職と漢字が続くので、ひらがなで抜け感を出す。
② 一文は60文字以内にする。
どんなデバイスで読んでいるかわからないから、変な位置で改行されないようにする。
③ 文の途中では改行しない。
理由は②と同じで、読みやすさ最優先。
④ メールの冒頭で「本日は2点お伝えします」と宣言する。
相手に心の準備をしてもらうため。
⑤ 箇条書きは最低1つは使う。文章だけのメールは、読み飛ばされるリスクが高い。
⑥ メール自体を長文にしない。
長くなる場合は別途テキストを添付する。そもそもメールは読まれないのが前提。
⑦ 同じ文末表現は2回までにする。
「〜です。〜です。〜です。」が3回続くと、一気に稚拙に見える。
⑧ 漢字を5文字以上連続させない。
可読性がガクッと下がる。
⑨ CCの最後には必ず自分のメールアドレスを入れる。
「届いていません」という言い訳を排除するため。
⑩ だいたい3行に1回は改行を入れる。
余白がないメールは、それだけで読む気が失せる。
⑪ 強調は太字と赤しか使わない。
色をあれこれ使うとガチャガチャして、かえって何が重要か伝わらなくなる。
こうやって丁寧にメールを書き続けていたら、少しずつ周囲の反応が変わりました。「ぽんずさんのメールはわかりやすい」と言ってもらえるようになり、気づけば「シゴデキ」認定。あれだけシカトしていた人たちが、何事もなかったかのように相談に来るようになりました。
まぁ、ワイは全部覚えてますけどね。
ただ、この経験があるから、メールの文章には手を抜けないんです。メールは単なる連絡手段じゃなくて、信頼を積み上げるツールだと、身をもって知っているので。
AIレビューで手に入るもの
ワイはメールを自分で書いた後、AIにレビューをお願いしています。チェックしてもらうのは、誤字脱字と日本語表現の確認。シンプルな依頼です。
「それだけ?」と思うかもしれませんが、これが意外と効くんです。
文章力を上げる方法として、よく言われるのが「誰かに自分の文章を読んでもらうこと」ですよね。本やブログでもよく見かけるアドバイスだと思います。
これ、AIでも当てはまるとワイは思っています。
自分では完璧だと思って書いたメールでも、AIに通すと、ねじれた表現や主語と述語のズレが見つかることがあります。「あれ、ワイの文章ってこんなクセがあったのか」と気づく瞬間は、人に読んでもらった時と同じ感覚です。
ただ、ひとつだけ覚悟しておいてほしいことがあります。
AIには忖度機能が搭載されていません。
人間の同僚なら「まぁ、いいんじゃないですか」で済ませてくれる部分も、AIは容赦なく指摘してきます。しかもコメントがメカメカしい。最初のうちは、正直メンタルが凹みます。
「お前に頼んでおいてアレだけど、もうちょっと言い方あるだろ」と思ったことは1回や2回じゃありません。
でも、だんだん慣れてきます。指摘される内容にパターンがあることに気づき始めて、「ああ、ワイはここが弱いんだな」とわかるようになる。そうなると、レビュー前の段階で自分で直せるようになってくるんです。
AIにメールの文章をレビューしてもらうと、文章力と鋼のメンタルが手に入ります。お得ですよね。
あなたの「自分で書く領域」はどこですか?
ここまで読んでくださった方の中には、「いや、メールくらいAIに任せてもよくない?」と思った方もいるかもしれません。
それも正解だと思います。
大事なのは、「何をAIに任せて、何を自分でやるか」を自分で決めることだと思うんです。
ワイの場合、それがたまたまメールだった。メールで信頼を積み上げてきた過去があるから、ここは自分の領域として残しておきたい。そういう判断です。
みなさんにも、きっと「ここは自分でやりたい」という領域があるんじゃないでしょうか。
企画書の構成かもしれない。お客さまへの提案トークかもしれない。議事録の書き方かもしれない。
その領域を見つけるヒントは、意外とシンプルで、「これだけは人に任せるとモヤモヤする」と感じる仕事です。そのモヤモヤこそが、あなたの介在価値なんじゃないかと、ワイは思っています。
AIに何を任せるかより、自分に何を残すか。そっちを先に考えてみるのも、面白いかもしれません。
まとめ
AI推進担当のワイが、メールだけは自分で書いている理由。
それは、メールを書くことが思考のトレーニングであり、信頼を積み上げる手段であり、自分の介在価値を守る行為だと思っているからです。
AIには、書いた後のレビューをお願いしています。誤字脱字、日本語表現のチェック。そこはAIの得意分野ですから、素直に頼る。
「自分で書いて、AIに磨いてもらう」。この順番が、今のワイにはちょうどいいバランスです。
それでは、お先に失礼します。
