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『あんぱん』⑪やさしいライオン

ラジオドラマっていいなぁ。
その光景は実際には見えなくても、自分の脳内で再生されていく。

今朝の『あんぱん』は、劇中劇のムクムクとブルブルに泣いた。
新美南吉を思い浮かべるような、哀しみがあって。

ラジオドラマを聞いている、八木さん、蘭子、二人の母…、それぞれの心の中にはどんな絵が浮かんでいたのだろう。

「終わり方、書き直したがやね」とのぶが言う。
よかった、年老いたムクムクを背にのせ、ブルブルが空に昇っていく。
悲しいけれど救いがあるメルヘンだった。

⭐︎

今週、業界誌に書く原稿を見てほしいと、夫に頼まれていた。
難しい話は苦手なんだけれど、今朝の嵩とのぶのように、壁打ちは必要だ。

「シャッター街」について書いている文章が、確かにそのとおりなんだけれど、もう少しだけ愛がほしかった。
「今では」を「今は」に変える程度でいいから、地元の人が読んでも残念な思いをしないように。

A4の余白にそれを書いて、写メした。
レポートに愛など必要ないことはわかっているが、やはり文章ににじむ思いというのがある。

いつも印刷所に迷惑をかけているらしいけれど、今回は締切前に入稿できた。

最後はメルヘンではないと思うけれど、仕上がりは冊子体になってからのお楽しみだ。

⭐︎

先週は、のぶが嵩に「何者にもなれなかった」と泣きながら言うシーンがあった。

クランクアップのインタビューでも、今田美桜さんはその台詞について語っていたようだ。

何者かになる、何者にもなれない。

何者って何?

今朝の、ラジオを聞いている人たちを見ていたら、どの人にもその人生があって、何者でもない人などいないと思った。

誰もがそのままで、何者かなのだ。

様々な何者さんがいる、だから人生もドラマも面白い。

今週の『あんぱん』を見終わって急に、「あんぱんロス」確定やなと思った。
終わっちゃうの嫌だー。
とはいえあと一か月、『あんぱん』を味わい尽くしたい。


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