心に棚を作れ

心に棚を作れ ――「動けない日」を普通と呼ぶための覚悟
1. 昨日の自分と比較していませんか?
障害の有無に関わらず、私たちはつい「昨日はあんなにできたのに、今日は体が動かない」「昨日は前向きだったのに、今日は何もやる気が起きない」と、自分を減点方式で評価してしまいがちです。
しかし、それは自分をいじめているのと同じです。
「できた日」というのは、たまたま調子が良かっただけの「ボーナスステージ」に過ぎません。
動けなかった日こそが、あなたの「普通」なのだと、まずは認めてあげてほしいのです。
2. 人間は、人生の「4割」を維持活動に費やす生物である
人間をあまり高尚な生き物だと思わない方がいい。
どんなに優れた人間でも、1日は平等に24時間しかありません。そのうち6時間から8時間は寝ています。食事や排泄、身の回りの整理を含めれば、一生の35%から40%近くは「生産性のないこと」をして過ごしているのが人間という生物の標準仕様(スペック)です。
人生の4割近くをただ「生きるための維持活動」に費やしているのだから、週に1日や2日、何もできなかったとしても、それは生物として当然のこと。何の負担も感じる必要はありません。
3. 心の「バックヤード」にストッカーを持て
ある作家さんの言葉に**「心に棚を作れ」というものがあります。
私の中でのイメージは、お店の裏手にある「バックヤードのストッカー」**です。
すぐに対応できない悩みや問題は、メモを添えてそのストッカーに積んでおけばいい。
「対応できるタイミングが来たら、すぐに取り出す」と決めて整理しておく。それは決して「逃げ」ではなく、次のチャンスを待つための賢い準備です。
4. 荷物を持ったまま、ウロウロしない
重い荷物(悩みや無理なタスク)を抱えたままウロウロしていても、ただ疲れるだけで何も解決しません。
無理をして1日、2日動いた代償として、その後の10年、20年と動けない日が続くことになれば、それこそ取り返しのつかない大きな問題になります。
「今は持たない、対処しない」と決めて棚上げすることは、自分という存在を長く守り抜くための、前向きな「攻めの保留」なのです。
5. 結び:自分を許すという「覚悟」
行政の手続き、介護の現場、ままならない人間関係。
世の中には自分の力だけでは動かせない壁がたくさんあります。そんなときは、心のストッカーをフル活用してください。
「できない自分」を責めるのをやめ、「これが普通だ」と言い切る。
そんな小さな「覚悟」を持つだけで、明日の空気は少しだけ吸いやすくなるはずです。

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