グラブルで出会ってしまった『蒼紅華之舞』という一曲|スズキさんのWeblog
1.Overture
「“MS” Sequence Studio」音楽ナビゲーターのスズキです。
今回は、“出会った勢い”をそのまま、できるだけ鮮度の高い状態でお届けしたい——そんな謎の気合が入ったWeblogをお送りします。
とあるソーシャルゲームのキャラクターに気づけば心を掴まれ、そのキャラクターソングを購入してみたところ、想像以上に素晴らしい楽曲だった、というお話です(笑)
趣味全開のWeblogになりつつも、楽曲レビュー部分については、本家「Suzuki’s The Sound Forge」と同じ目線・同じ熱量で書いていきたいと思います。
それでは、始めていきましょう。
2.”グラブル”という世界での出会い
今回ご紹介するソーシャルゲームは、“グラブル”こと『グランブルーファンタジー』。2012年にブラウザ版としてリリースされ、現在も第一線で展開されている、12年目を迎えるロングセラーRPGです。
グラブルの大きな特徴は、300名を超える豊富なキャラクターと、メインストーリー・サイドストーリー、そして各キャラクターごとに用意された「フェイトストーリー」など、とにかく“物語を大切にする姿勢”が徹底されている点にあります。
この作り込みこそが、長く愛され続けている理由なのだと思います。
ちなみに、「Sakura_Odyssey」でお馴染みの桜さん(丹下桜さん)も本作に出演されています。……もちろん、キャラは所持しています(笑)
そして今回、気づいたらどっぷりハマってしまったキャラクターが、「ソシエ」というキャラクターでした。
※参考サイト
CVを担当されているのは……そう、白石涼子さん。
物静かな和風キャラクターで、ほんのり京都寄りの関西弁。これまでの自分の嗜好や遍歴を振り返ると、ハマらない理由が見当たりません。
しかも驚いたことに、気づいたら自分のキャラクターボックスにソシエがいたんです。もう即パーティー編成に登録。使い込み確定です(笑)
さて、このグラブルですが、実はキャラクターソングにも非常に力を入れている作品でもあります。桜さんをはじめ、多くの声優さんがキャラクター名義で楽曲をリリースしているのも特徴のひとつ。
「もしや……」と思って調べてみたところ、案の定。ソシエにもキャラクターソングが用意されていました。
楽曲は、ソシエ単体ではなく、ゲーム内で相方のような存在として描かれているユエル(CV:植田佳奈さん)とのデュエット曲。
iTunes StoreでのDL販売だったので、数秒試聴して――
即、購入ボタンをタップ。もはや勢いです。
……とはいえ、その勢いを生んだのは、
数秒で「これは好きなやつだ」と確信させるだけのクオリティでした。
というわけで今回は、緊急企画的ではありますが…
このキャラクターソング『蒼紅華之舞(そうくはなのまい)』をレビューしていきたいと思います。
3.Music Analysis「蒼紅華之舞」
3-1 Track Infomation(楽曲概要)
リリース日 2017年10月25日
レーベル Aniplex
販売チャンネル CD/レコチョク・iTunesStore(DL販売)
Credit
Lyrics by maimie Composed by 植松伸夫 Arranged by bassy
Performance by 植田佳奈(ユエル)・白石涼子(ソシエ)
「蒼紅華之舞」は、2017年にリリースされた、
『グランブルーファンタジー』キャラクターソング第10弾の楽曲です。
まず目に付くのが、その制作陣。
作曲を手がけているのは、『ファイナルファンタジー』シリーズの音楽で知られる植松伸夫さん。ゲーム音楽に詳しくない方でも、その名前を一度は耳にしたことがあるであろう、名作曲家です。
グラブルにおいてもサウンドディレクターとして参加されており、本作でもその手腕が存分に発揮されています。
それでは、ここからバックトラックを中心に、楽曲をレビューしていきましょう。
3-2 Backtrack analysis
バックトラックは、「華之舞」というタイトルを体現するかのように、楽曲冒頭から琴や尺八のサウンドを際立たせ、上品な花弁が舞い散るような、和の世界へと誘ってくれます。
一方で、その下地を支えるリズム隊は、TR-909系のキックと低めにチューニングされたスネアが、ハイスピードでビートを刻む構成。
さらに、2コーラス目のAメロではブレイクビーツが挿入されるなど、全体として非常にノリの良い仕上がりになっています。
そして、楽曲の脇を支えるシンセサウンドにも注目したいところ。
SUPERSAW系の音色や、やや強めにかけられたフィルター処理、サイドチェインが深く効いたSEなど、和風サウンドの中にエレクトリックな要素が巧みに混ざり込み、これがまた心地よさを生み出しています。
このレビューを書くにあたり、instrumentalバージョンを聴き込みながら分析していたのですが、聴き進めるうちに、どこか覚えのあるサウンド感に近い感覚を覚えました……。
3-3 Vocal Analysis
ボーカルについてですが、本作にはデュエットバージョンのほかに、ユエル、ソシエそれぞれのソロバージョンが収録されています。
今回はあくまで「ソシエ」というキャラクター、そして彼女を演じる白石涼子さんのボーカルパフォーマンスにフォーカスしてレビューを進めていきます。
以前、Weblogでこんなことを書いていました。
調べていくと、白石さん自身も楽曲をリリースされていたようで、今朝いくつか聴いてみたら——これがまた素晴らしい。
柔らかさの中にエッジが立っていて、どこか小室先生の楽曲とも相性が良さそうな、完全に“自分の好みど真ん中”の声でした。危ないやつです(笑)。
『蒼紅華之舞 ~Societte ver~』を再生した瞬間、この予感は確信に変わりました。
1音目から、イヤホン/ヘッドホン越しに突き刺さってくる、そのエッジの“角度”が心を掴んできます。
「エッジ」と言われても少しイメージしづらいかもしれませんが、西川貴教さん、KEIKOさん、Beverlyさん、海外で言えばマライヤ・キャリーあたりを思い浮かべてもらえると分かりやすいと思います。
細かな声質はそれぞれ異なりますが、「伸びてくる角度」が非常に近いんですね。
このエッジの立ち方は、バックトラックに埋もれず、常に前面へと押し出される力強さを持っています。「蒼紅華之舞」のようなスピード感のあるエレクトリックサウンドにおいて、その特性はより一層際立つ印象を受けました。
そして、忘れてはならないのが「ピッチがブレず、まっすぐに伸びる」ボーカルであること。
これは自分の中でボーカルを評価する際に最も大切にしているポイントで、ピッチが安定し、一直線に伸びながらエッジが立っている——好きな要素がこれでもかと詰まっています。
涼子さんは配信番組などでカバーも歌われていますが、小室先生や大ちゃんの楽曲を歌ったら、間違いなくハマるだろうな、と想像せずにはいられません。
今回はキャラクターソングという文脈の中で、断片的に触れる形にはなりましたが、過去にリリースされた楽曲も含めて、改めてしっかり聴き込み、その魅力をもっと見つけていきたいと思いました。
3-4 バックトラックで感じた予感の答え
バックトラックを分析していた際に感じた、あの“どこか覚えのある感覚”。
その答えですが——
スピード感のあるエレクトリックなこのスタイルは、2010年〜2017年頃のaccessのサウンドと、ほぼ同じベクトルにあるものでした。
とくに
「share the love」
「vertical innocence」
「winter ring affair」
このあたりのシングル楽曲と並べて聴くと、その共通項がよりはっきりと見えてきます。
当時の大ちゃんは、ハイスピードなEDMを強く意識したサウンドを追求していた印象がありますが、「蒼紅華之舞」のバックトラックからも、その系譜を感じ取ることができました。
和楽器を前面に押し出しながらも、リズムやシンセの設計思想は非常にモダンで、クラブミュージック的な快楽性をしっかりと内包している。
だからこそ、この楽曲は「和風キャラクターソング」という枠を軽々と飛び越えて、強い推進力を持って聴き手を引っ張っていくのだと思います。
今回、比較用としてaccessのMVを貼り付けておきます。
ぜひ実際に聴き比べてみてください。この“既視感の正体”が、きっと感覚的にも腑に落ちるはずです。
※全てYoutube「accessofficial」より
4.あとがき
突然の楽曲レビューWeblogをお送りしてきました。
正直なところ、あとがきで特に書くことがないほど、勢いで書ききって満足しています(笑)
白石涼子さんですが、「Sakura_Odyssey」のようなレビューシリーズを立ち上げる予定は、現時点ではありません。
久々に「禁止カード」accessを投入してしまうほど、自分にとってはかなり趣味的なサウンドに寄った声優アーティストさんなので、まずは個人でじっくり楽しみつつ、ピックアップ的にWeblogなどでご紹介できれば……と思っています。
というわけで、突然のWeblogでしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。今日はここで締めたいと思います。
ほなまた!
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