BRS 1〜2の寝返り・起き上がり動作|麻痺側をどう扱う?ハンドリングの極意と文献的根拠
はじめに
BRS 1〜2の段階では、連合反応の誘発や異常な緊張が、将来的な拘縮や痛みの原因となってしまいます。本記事では、この時期に最も重要な「保護」と「最小限の誘導」をベースとした、安全な寝返り・起き上がり動作の介入方法を解説します。
1. 管理の基本原則
動作そのものの達成よりも、異常な緊張を招かないことが最優先です。
連合反応の抑制: 不適切なハンドリングは緊張を高めるため、徹底的に避ける。
3つの重要ポイント:
近位部から触れる(局所ではなく全体をガイド)
肩甲骨のプロトラクション(前方突出)を維持する
過度な努力をさせず、リラックスを促す
2. 具体的なハンドリングの実際
【寝返りの準備と開始】
上肢のクロス: 健側で麻痺側の手首を握らせるのではなく、前腕部を把持させることで異常緊張を回避します。
肩甲骨のガイド: セラピストは肩甲骨内側縁に触れ、前方へ優しく導くことで「前方の壁」を維持します。
【起き上がりのアプローチ】
視覚と頸反射の活用: 起き上がる方向へ頭を向けさせることで、視覚刺激と頸反射を利用し、体幹の回旋を自然に促します。
重力とポジショニング: 腹筋群が働きにくい時期であるため、側方への倒れ込みに重力を利用し、肩甲骨プロトラクションクッションを併用します。
3. よくあるミスと注意点
臨床で陥りやすいミスとその対策をまとめました。
連合反応の過剰誘発: 健側が頑張りすぎると麻痺側が硬直します。一度「リセット」する判断が重要です。
末梢への強い刺激: 手先・足先への直接的な強い接触は異常緊張を呼びます。必ず近位部からのハンドリングを意識してください。
まとめ
BRS 1〜2の段階で最も重要なのは**「アライメント維持」と「連合反応抑制」**です。動作のスピードや結果よりも、その過程でいかに異常な緊張を作らないかを追求していきましょう。
参考資料
本記事は以下の文献的根拠に基づき構成されています。
Davies, P. M. (1985). Steps to Follow
Bobath, B. (1990). Adult Hemiplegia
Carr, J. H., & Shepherd, R. B. (1998). Neurological Rehabilitation
日本理学療法士協会ほか監修:脳卒中理学療法ガイドライン
Brunnstrom, S. (1970). Movement Therapy in Hemiplegia
















