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日記 |  アラフォー、初めてのヘッドスパ

待ちに待った、満を持してのヘッドスパである。

↓ヘッドスパを決意した日


いざ、源泉かけ流しの夢路へ⋯⋯となると思いきや、お湯一滴すら使わないものだった。
結論から言うと、想像とは全く違う時間を過ごすことになる。

​シャンプー後、軽くタオルドライした頭皮に、女子力をぎゅっと凝縮したような香り高いクリームが塗られた。
それを頭全体に行き渡らせるように、グワシグワシ、ギューと揉み込まれ、ほぐされる。
程よい指圧で頭蓋骨の奥まで「快感」が染み込んでいく⋯⋯

が、待ってほしい。
ちょっとだけ、痛いかもしれない。
​物腰柔らかなお姉さんが施術しているとはとても思えない力。
いや、でも「ちょっと痛いです」と言って圧がなくなるのも寂しい。この強さこそが正解なのかもしれないし。
というか、この馬力で20分も続けたらお姉さんの指がイカれてしまうのでは?
ああ、きっとマッサージは10分で、残りはあの憧れの「源泉かけ流し」の時間に違いない。そう自分を納得させる。

​いつも通っているここの美容院は、私に合わせてくれているのか施術中の会話が一切ない。
「かゆいところはありますか」
「お湯加減はよろしいですか」
「お待ちの間、お飲み物はいかがですか」
交わすのはこの3つの定型句のみ。
静寂の中で施術が進むと、私の思考はぐるぐると回りだす。

折しも、長女の三者面談を終えたばかりだった。
長女は中3。受験生である。
​(やっぱA高校は難しいかぁ⋯⋯あーそこいいね!ズーンとくる!)
(でもB校は遠いんだよね⋯⋯ぬぉー!ほぐれるぅ!)
​長女の進路への不安と、頭皮への強烈な刺激。
思考は右往左往し、意識は朦朧。半分夢の中のようなマーブル状にとろけた脳内で、気づけば20分が経過していた。
お姉さんは、すべての時間をマッサージに費やしてくれたのだった。お湯の出番は、なかった。

​施術後は、劇的に目が開けやすく、奥歯の噛み合わせまでスムーズ。
感動に震えながらお会計をしていると、お姉さんから「お酒は飲まれますか?」と聞かれた。

​(え? もしかして私、飲みに誘われてる? そんなに優良顧客だった?!)
まだとろけている脳内で都合のいい勘違いが炸裂し、「あ、えと、いや⋯⋯」としどろもどろしていると、
「ヘッドスパ後は酔いが回りやすいので、お気をつけください」と優しく労われただけだった。
自意識過剰な自分を恥じながら帰路につく。
その日は泥のようによく眠れた。

​翌日。
頭皮にはじんわりと昨日の余韻が残り、顔の皮膚が上へ引っ張られている感覚がある。皮膚はつながっているのだな、と実感した。
仕事を終えてふと床を見て、私はぎょっとした。
大量の抜け毛が落ちている!
椅子の背もたれにまで何本も付いている!

​え! やだ! ハゲる⋯⋯!
恐怖に震えながら、私はGeminiに聞いてみた。
「ヘッドスパで、大量に抜け毛が出ることってある!?」
​不安がる私を、Geminiは優しくなだめるように答えてくれた。
「本来抜けるはずだった髪が、マッサージで前倒しで抜けているだけです」
​妙に納得して、胸をなでおろす。

帰り際に掃き掃除をして髪を集める。
ちょっとした小鳥の巣ができるんじゃないかと思う量で、怖くなった。

あれから数日、大量の抜け毛はあの日以降ない。
どうやら私の頭皮の危機は去ったようだ。

​考えてみれば、今は長女の大事な受験期である。親としてはハゲている場合ではないし、これ以上我が家の「神(髪)」が薄くなるのは縁起が悪い。

長女の進路がどうか無事に決まりますように。
​これからは毎晩、抜け毛の止まった頭を撫でながら、文字通り「神(髪)頼み」の日々を送ることになりそうだ。

⋯⋯こんなくだらないダジャレを考える思考になったのは、ヘッドスパの影響なのか否か⋯⋯。

20分ちょっとで 約5000円。
私には大変良い経験となった今回のヘッドスパ。
高いか安いか、価値があるかないか。
やるかやらないかは⋯⋯あなた次第です。

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