行動できない。その後、静かに進む3つの段階
「やった方がいいのは分かっている」
「このままじゃいけないとも思っている」
それでも、なぜか動けない。
そんな状態に、心当たりはないでしょうか。
このとき、多くの人は
「自分は意志が弱いのかもしれない」
「やる気が足りないのかもしれない」
と、自分を責め始めます。
でも実際には、人が動けなくなるのは
何も分かっていないときよりも、
ある程度わかっているときなのかもしれません。
必要な情報も、最低限の知識も、
すでに頭の中にはある。
だからこそ、簡単じゃないことも見えてしまう。
失敗する可能性や、続かない未来も、想像できてしまう。
「分かっているのに動けない」という状態は、
考えられない人の問題ではなく、
考えられる人の状態です。
1章|人は「確信が7〜8割」ないと動けない?
まず前提として、
「これなら動ける」と感じるラインは、人によって違います。
3割で動ける人もいれば、
5割で一歩踏み出せる人もいる。
そして多くの場合、
7〜8割くらい「うまくいきそうだ」と感じないと、
行動に移せない人が多いように思います。
5〜6割くらいの感覚だと、
「まだ早い気がする」
「もう少し様子を見たい」
と、自然に足が止まります。
ここで大切なのは、
それを意志の弱さだと思わなくていい、ということです。
情報量が増え、選択肢が増え、考えるほど、
人は「もう少し確信がほしい」と感じやすくなります。
「やった方がいいのは分かっているのだけど…」
という言葉の正体は、たぶん、これです。
その結果、
頭では理解しているのに、
なぜか体が動かない、という状態が生まれます。
ここで必要なのは、正しさよりも、
「大丈夫そう」という感覚なのかもしれません。
2章|「様子を見る」とは?
「大丈夫そう」と、思えないというより、
感じられない。
そんなとき、わたしたちは
「今はやらない」という判断をします。
その代わり、
**“様子を見る側”**に回ります。
このとき、わたしたちの中では、
いくつかの段階(フェイズ)が、静かに進んでいます。
フェイズ①|凄い。でも、私にはムリかも
まず感じるのは、「すごい」という感覚です。
投稿を見て、
レベルが高い。
完成度も高い。
同時に、
「これは自分には難しそう」という感覚も生まれます。
この段階で、一定数の人は、
深く考えることなく、静かに離れていきます。
フェイズ②|もう少し、見続けてみる
一方、すぐには離れず、
しばらく眺めていると、
伝えている内容が、少しずつ見えてきます。
すると、
言っていることは正しい。
「ご説ごもっとも」とも思う。
ただ、どこか引っかかる。
小さな違和感を感じ始めます。
さらに、見続けていると、
少しずつ、見え方が変わってきます。
ここからは、人によって、
感じ取るポイントが分かれていきます。
フェイズ③-1|自分ならこうするかも
言っていることは正しい。
理想も高い。
でも、
「理想論であり、現実的ではないのでは?」
「もし自分だったら、その“間”を、
もう少し丁寧に伝えるかもしれない」
そんなふうに、見え方が変わってきます。
フェイズ③-2|なんか必死。
伝えたいことは分かる。
熱量もある。
ただ、どこか必死さが前に出ているように
感じることがあります。
たとえば――
顔は笑っているのに、目が笑っていない。
口元がどこか引きつっている。
そんな表情を見たときのような感覚です。
それが悪いわけではありません。
ただ、違和感として、
「少し距離を取ったほうがいいかもしれない」
そんなブレーキが、無意識にかかることがあります。
「無料と言っているけれど、その先の流れを想像してしまう」
「あとで強く勧められそうな気がする」
それが事実かどうかは別として、
そう感じてしまう瞬間があるのではないでしょうか。
フェイズ③-3|答えをすべて語る
説明はとても丁寧。
話も分かりやすい。
「なるほど、いい話を聴けた」
「勉強になった」
一瞬、気持ちは前向きにもなります。
ただ、そのあとに、
何も始まらないこと、ありませんか?
違和感の正体は、
「分かった」という感覚そのものが、
ひとつの“満足”になってしまっている点にあります。
答えがすべて提示されていると、
自分で考える余地がなくなる。
結果として、
その場では気持ちよく理解できても、
関係や行動にはつながらない。
悪意なんて、あるわけありません。
むしろ、とても親切です。
でも、親切すぎるがゆえに、
ここで起きているのは、
「学んだ」
「理解した」
という感覚が、
その場で完結してしまっている状態です。
それが、
「勉強になった気がする」
「頭が良くなった気がする」
「参考になった気がする」
という、少し厄介な落とし穴なのかもしれません。
次回
なぜ人は、
「分かっただけ」で満足してしまうのか?
さらに、ちょっと恥ずかしい
脳のごく自然な仕組みについて、
少しだけ触れてみたいと思います。
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