「“静かにして!”が伝わらないと悩む保護者・支援者へ──【音」の伝え方工夫」【2025年5月11日】
「静かにして!」って何度も言ってるのに……。それ、伝わってないのかもしれません。
❓「静かにして」って、どれくらい静か?
「教室で静かにできなくて困ってます」
「“静かにして”って言っても声が大きくなるばかりで……」
支援現場でも、家庭でもよく耳にする悩みです。
でもちょっと立ち止まって考えてみましょう。
“静かにして”って、子どもにとってどれくらい静かにすればいいのか、分かりやすい表現でしょうか?
📏音の大きさは目に見えない
音って、目に見えないんです。
たとえば「イスに座って」は見たらわかるけれど、
「静かにして」は、どれくらいの声の大きさなのか判断が難しい。
「今よりもう少し小さな声で話すこと」なのか、
「話さず黙っていること」なのか、
「声を出していいけどヒソヒソにすること」なのか……
実は大人同士でもズレがある表現なんです。
🧠自閉スペクトラムの特性がある子にとっては特に曖昧
自閉スペクトラムの特性のある子どもたちは、
抽象的なことばを具体的にイメージするのが苦手
「どのくらい?」「どこまで?」の判断が難しい
「音の大小」「声のトーン」の理解が感覚的でないことも
そのため、「静かにして!」と言われても、自分が静かにしているつもりなのに注意される、という経験を繰り返してしまいます。
これが、「どうせ怒られる」「もう話さない!」という自己否定や混乱につながることもあるのです。
🔁“静かにして”を行動で伝えるには?
大切なのは、子どもが“何をすればいいか”を理解できる表現に変えること。
たとえば……
よくある禁止表現 と その言いかえ例
「静かにして」→「声は小さくしてね」
「静かにして」→「お口チャックの時間だよ」
「静かにして」→「ヒソヒソ声で話そうね」
「大きな声出さないで」→「耳を近づけて話してみて」
「騒がないで」→「今は見るだけ、あとでやろうね」
「うるさい!」→「音が大きくてびっくりしちゃったよ」
「勝手にしゃべらないで」→「今は先生のお話を聞こうね」
「黙って」→「声をおやすみしてみようか」
🎧「声のスケール」を使うと効果的
支援現場では、「声の大きさスケール」などの視覚的な補助ツールを使うことがあります。
たとえば:
0=しーん(口を閉じる)
1=ささやき声
2=お話し声
3=外遊びの声
4=叫び声(緊急時)
「今はレベル1ね」
「お話しのときはレベル2で話そうね」
こんなふうに、数字や絵を使って“見える化”することで、子どもが判断しやすくなります。
🗣声を小さくするって、どうやるの?
実は「声を小さくしてね」と言われても、それが身体のどこをどう使えばいいのか分からないという子もいます。
そこで、「体を近づけると小さい声でも聞こえるんだよ」
「声は口から出てるから、口の動かし方をゆっくりにしてみて」など、感覚と動きにリンクさせて教えるのも効果的です。
支援現場では、ペアになって「ヒソヒソごっこ」をしたり、「今どの声かな?」と当てっこをしたりする遊びも人気です。
📚成功事例:「静かにして」が伝わるようになった日
ある支援の場面で、小学2年生の男の子が毎日「静かにして!」と怒られていました。
でも、視覚的な「声のスケール」を導入してみたところ、
「今はレベル1だよ」と言うだけで、すっと声をひそめるように。
「静かにしてって言われないと嬉しい」
そう本人が笑ったとき、「この子はちゃんとわかりたかったんだ」と先生は話してくれました。
📌伝え方の工夫3つ
① “してほしいこと”を行動で言う
「ダメ!」じゃなく、「どうしてほしいか」を伝えよう。
② 視覚化・スケール化で“見えるルール”に
数字・カード・イラストなど、ルールを目で見られる形に。
③ 日常で“遊びとして”練習する
「ヒソヒソゲーム」「〇〇の声でクイズ」など、楽しみながら身につけられる工夫を。
✅今日のまとめ
「静かにして」は実はとてもあいまいな表現
特に発達に特性のある子には、“音の行動”を具体化・視覚化して伝えることが効果的
スケールやルールを見える化すると、自分で調整できるようになる
伝え方を変えるだけで、子どもとのコミュニケーションが変わる
🌷ピノ先生からのひとこと
「静かにして!」って、つい言ってしまう言葉ですよね。
でもそれが、子どもには“どうしていいか分からない”言葉かもしれません。
伝え方を変えることは、子どものせいにしない、優しい工夫。
今日から少しずつ、「音の約束」を一緒に考えてみませんか?
あなたがよく使う“音の声かけ”、どんなふうに工夫していますか?
コメント欄でぜひ教えてください。
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