“20点のがんばり”に気づく視点──子どもを支える実践ヒント【2025年5月8日】
完璧じゃない、でもがんばってる。そんな“途中の努力”に目を向けてみませんか?
「またできなかった…」と、つい思ってしまうとき
子育てや支援の中で、こんなふうに思ってしまう瞬間はありませんか?
「また忘れ物してる…」
「ちゃんとやってくれない…」
「前にも言ったのに…」
もちろん、困ることや心配になることがあるのは自然なことです。
でも、ちょっとだけ視点を変えて、「今この子、どこまでがんばれているんだろう?」と見つめ直してみると、見えてくるものがあります。
今日はそんな“途中のがんばり”に光をあてるお話です。
「完璧じゃないけど、やろうとしてる」に注目しよう
子どもたちの行動って、白か黒かでは割り切れないものがたくさんあります。
「やれてない」と思っていたことも、実は……
・宿題を全部やってないけど、ランドセルは開けていた
・歯みがきは苦手だけど、自分で歯ブラシを持っている
・スーパーでは走り回るけど、パパと一緒ならカートに座れる
こういう行動を、私はよく「20点から50点のがんばり」と呼んでいます。
“できていない”じゃなく、“できている途中”
「うちの子、どうして毎日同じことで叱られちゃうんだろう?」
そんなふうに悩む保護者の方にお伝えしているのは、
**「この子は、まだ“できるようになる途中”なんです」**という視点です。
私たち大人でも、ダイエットが3日坊主だったり、家計簿がつけられなかったりするように、「できる」と「やれる」は別ものです。
「やれていない」部分ばかりに目を向けていると、子どもも大人もつらくなってしまいます。
「できていること」探しをしてみよう
たとえば、お子さんのこんな行動を見つけてみてください:
・朝、自分で顔を洗おうとしていた
・おもちゃを片づけようとして手を伸ばしていた
・「いやだ!」と怒鳴る前に、目をそらして我慢しようとしていた
どれも100点満点の行動ではないかもしれません。
でも、その中には「やろうとしている」「気をつけている」「がんばっている」が、ちゃんと見えてきます。
“がんばり途中”の行動に名前をつけよう
私はこうした行動に、「あと一歩のがんばり」や「途中の努力」といった名前をつけることをおすすめしています。
名前をつけることで、子どもも大人も「これは意味のある行動なんだ」と気づけるようになります。
たとえば――
「ランドセル開けてたね。えらいえらい!」
「もうちょっとで歯みがきできそうだったね。惜しかった!」
「怒りそうだったけど、がまんしてたの、気づいてたよ」
このような声かけがあるだけで、子どもは“自分はがんばってる”という手応えを感じられます。
「100点にする」より「がんばりを続けられる工夫」を
子どもが“あと一歩”で止まってしまうのは、やる気がないわけではありません。
もしかすると、
・環境がうまく整っていない
・やり方が分からない
・声かけのタイミングが合っていない
という“やりにくさ”があるのかもしれません。
支援の視点では、「本人が変わること」より、「周囲ができる工夫」の方が、実は先にできることが多いのです。
「どうすればもっとやりやすい?」を一緒に考えてみよう
こんな声かけが効果的なことがあります:
「このやり方、難しかったかな?」
「どこまでならできそう?」
「何かあったら、いつでも教えてね」
「指示」ではなく「相談」に近い関わり方は、子どもとの信頼関係にもつながります。
支援のスタートは、発見と気づきから
以前、ある保護者の方が話してくれました。
「前は“何もできてない”って思ってたけど、先生と話してみて“ちょっとずつやろうとしてたんだな”って気づけました」
その気づきは、子どものがんばりを認めることにも、自分自身を責めすぎないことにもつながります。
📝この記事のまとめ
・“100点”じゃなくていい。「20点から50点のがんばり」に注目しよう
・「できていない」ではなく「できている途中」と考える
・小さな行動にも、努力の証が隠れている
・子どもの行動に名前をつけて伝えてあげよう
・周囲の工夫や環境調整で、子どもの力を引き出せる
🌱ピノ先生からのひとこと
100点を目指す子育てや支援よりも、
「20点から50点のがんばり」を見つけて育てる関わりの方が、
子どもも大人もずっと楽で、ずっと豊かです。
よかったら、あなたが最近見つけた“途中のがんばり”を教えてください。
スキやコメントも、残していただけたらとってもうれしいです🌸
▶ ピノ先生(公認心理師/臨床心理士)
発達支援歴15年以上。保育・教育・福祉の現場から「支援や子育てがちょっと楽になる言葉と工夫」をお届け中
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