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においに圧倒され、若葉にほっとしたパリ いつか住む街

においがぶつかってくるパリ

2025年の旅で、パリを通過した時、わたしはたじろいだ。

「おおっと…。においが、ぶつかってくる…」

香水の匂いはもちろん、フードスタンドから漂ってくる食べ物のにおい、ゴミの臭い、人の体臭。その他、出所のわからない様々なにおいが、鼻孔に飛び込んできた。
しかも、それぞれが、我も我もと主張している。

3月1日のその時、私はドイツからモン・サン・ミシェル方面に行こうとしていた。
47日間の旅を始めて、まだ1週間だった。

大きなバックパックを担ぎ、ケルンからのICEでパリ北駅に降り立った私は、北駅構内を歩いていた。ここから地下鉄に乗ってモンパルナス駅へ移動し、さらにレンヌ行の高速列車inOuiに乗る。

パリ北駅は主要ターミナル駅だ。国際路線も通り、行き交う人の数も多い。
東京駅や新宿駅と同じように混雑し、エネルギッシュだった。
だが、東京では、これほどにおいと衝突することはない(今のところは)。

とはいえ、約1か月後、再びパリに戻った時には「ぶつかってくる」とまでは感じなかった。
私自身が、旅をする中でヨーロッパのにおいに慣れたのかもしれない。

ともかくこの時は、足早に行き交う人々の姿とともに、鼻に飛び込んでくるにおいによって「これがパリか」と鮮明に感じた。

北駅あたりでは、モノの値段も高く感じた。1か月後に戻ってくることを考え、旅費に不安を覚えたほどだ。

街路樹の緑が美しいパリ

ところが1か月後、4月3日にパリに戻った時の印象はまた少し違った。

予約したホテルは12区にあった。

ロッテルダムから再びパリ北駅に到着し、地下鉄でDugommier駅へ。
地上に上がって、まず目に飛び込んだのは街路樹の若葉だった。

47日間の旅で、パリに何泊するか、何区に滞在するかはかなり悩んだが、ここにして良かったと思う。
北駅の印象より、ずっと平和で親しみやすい雰囲気に安堵した。

実際、5泊する間、ホテル周辺の環境は終始心地よかった。
スーパーに買い物に行ったり、コインランドリーに行ったりして、暮らすような過ごし方もちょっぴり体験できた。
時には日が暮れてしまったこともあったが、不安を感じることもなく…。

物価についても、恐れたほど高くはなかった。
他のヨーロッパの都市と比べても、むしろヴェネツィアなどのほうが、ペットボトルの水が高かったように思う。
(水はどこに行っても必ず買うので、肌感で物価がわかる)

人が優しかったパリ

この旅でのパリのもうひとつの印象は「(思っていたより)人が優しい」だ。
例えば、Dugommier駅の駅員さん。
Dugommierからヴェルサイユまで切符を買いたいと言うと、駅員さんは丁寧に乗り換えを説明してくれた。
私が心許こころもとなげに繰り返すと、
「ちょっと待ってね」と、わざわざ乗り換え情報をプリントアウトして、もう一度説明してくれた。
感動ものだ。

日本でもこんなホスピタリティ、なかなか体験できないと思う。本当にありがとうございました

美術館やヴェルサイユ宮殿の係員さんも、おおむね感じが良かった。
比べるのはいけないかもしれないが、全体的な印象としては、ヴァチカン市国の係員さんたちの方がちょっと残念だった。

将来住むパリ

2025年に旅して、パリは「住んでみたい」と思った街でもある。

見どころが多すぎて、5泊では全然足りない。
(1990年の旅も3泊で、やはり「時間が足りない」と言っていたのだが)

夢は、言葉にすると叶いやすいという。

「パリに住む」

ぼんやりとした空想ではなく、実現したい目標として、ここに書いておく。

実現させるなら、健康で足腰が達者なうちだ。
最低でも1年は暮らしてみたい。
となると、少なくともあと5~10年以内には実行しなくては。

想像してみよう、パリ在住の自分を。

おお。
なかなか素敵だ(笑)

そのために、今、何ができるだろう。

まずは、NHKのフランス語講座をもっとまじめに聴こう。

そういえば、リヨン・パール=デュー駅で
「Une quiche lorraine, s’il vous plaît.(キッシュロレーヌ、ひとつください)」
は私のフランス語でも通じたぞ。
(品物を指さしたのではなく、音声だけでLもRも入っている“ロレーヌ”が通じたことが嬉しかった)
この調子で、パリ暮らしもなんとかなるかもしれない。

…たぶん(笑)。

未来の自分が、それを実現している姿をありありと想像する。
それが夢を叶える秘訣らしい。

試してみる価値はあるはずだ。
叶わなかったとしても、失うものはない。
むしろ、ワクワクする時間が増えるだけなのだから。

※2025年の旅のエピソードはマガジンにまとめています。


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