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ぷりん

バスの背中が見えた。
背中というのは天井の、空に面している部分のことだ。

この間秋刀魚を食べた。内臓を取るのに「背中側から刃を入れて…」だったか、内容はうろ覚えだけれど、秋刀魚の背中を「背中」と認識できない自分に驚いた。

スーパーにいる、あの秋刀魚はいつも横に寝かせられている。だけれど泳いでいるときの彼らはあの向きではないのだ。背中は空を向いている。なぜそんな当たり前のことをしばらく忘れていたのだろう。


わたしはいま外を眺める喫茶店のカウンターにいて、硬めのプリンと、エチオピアコーヒーを飲んでいる。

建築の図書館の中にある喫茶店なので、おそらく建築科かなにかの学生が多くいる。
置いてある本も建築に関するものが多い。わたしの普段の生活ではすれ違うことのないジャンルに、たまに身を置くのも楽しい。

実は今日はおしりが痛い。
昨日走りすぎたのが原因だ。ランニングとウォーキングを合わせて6km。やりすぎたのだと思う。

そんな中むっちりしたプリンを食べているので、なんだか頭の中がおしりのことでいっぱいで、余計に痛みに集中してしまう。

まさかこんなおしゃれスペースで自身のおしりに思いを馳せている人がいるなんて、だれも思いもしないだろう。

と思うけれど、案外プリンを食している他のお客さんの中にもおしりについて考えている人もいるのかもしれない。ぱっと見、参考書を開いている人が多いのでその可能性は低そうだけれど。


こういうなんでもない時間を買いにくると、いかにわたしが普段ばかなことを考えているのかが如実になって、本来こんな人間なのだからいまの生活をしているだけでもよく頑張っているよなあ…と思ったりする。


さて、そろそろ食べ終えたので、家に帰って仕事の続きに取り掛かろうと思う。プリンは甘くてなめらかでおいしくて、羨ましい。
わたしはほんとうは、プリンみたいな女性になりたいのだ。

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