オリジナル小説の続き
みなさん、こんばんは。ピエコと申します。
これから夏本番ですね。暑いなかでの生活の中、どうかお身体にお気をつけください
前回に引き続き、少しだけ書けましたので公開させていただきます。
第二章:青きヒーロー参上
依頼を解決した村を後にし、新しく女海賊の刹那を加えた月詠と跳影は、次なる目的地へと向かって街道を進んでいた。
しかし、険しい山道に差し掛かったその時、周囲の茂みから不気味な咆哮が響き渡る。現れたのは、これまでのものより一回り大きな魔物の群れだった。
「おっと、歓迎の割には手荒いじゃないさ!」
刹那が不敵に笑い、大錨を構える。
月詠も刀を抜き、跳影がその背後で身構えた。しかし、魔物たちは統率された動きで三人を包囲し、じわじわと窮地に追い込んでいく。
その時だった。
頭上の岩場から、鈴を転がしたような、しかし芯の通った少女の声が轟いた。
「待てーい! 悪を挫く正義のヒーロー、葵参上っ!!」
三人が驚いて見上げる中、鮮やかな青髪のツインテールを揺らし、近未来的なヒーロースーツを纏った少女――葵が、宙を舞って魔物の真っただ中へと着地した。
着地と同時に、彼女の拳が唸りを上げる。
「はああぁっ!」
凄まじい衝撃波と共に、一体の魔物が吹き飛んだ。間髪入れずに腰の二丁拳銃を抜き放つと、流れるようなガンカタの構えから光弾を連射し、瞬く間に魔物の包囲網を切り崩していく。
「な、なんだあいつは……!? えらい派手なのが出てきたぞ!」
跳影が目を丸くする。
「ハハッ、頼もしい助っ人じゃないさ! 畳みかけるよ!」
刹那の錨が唸り、葵の二丁拳銃が火を噴く。月詠も鋭い一閃でそれに続いた。
しかし、魔物のボス格である巨獣が、地響きを立てて葵へと突進した。不意を突かれた葵が、激しい衝撃で地面へと転がる。
「くっ……あたしの正義は、これくらいじゃ、屈しないんだから……!」
必死に立ち上がろうとする葵だが、その前に別の魔物が爪を振り上げる。
血を流し、ピンチに陥る、真っ直ぐな少女の姿。
その光景がトリガーとなり、月詠の脳裏に再び激しい耳鳴りと、かつて「真っ直ぐすぎて犠牲になった仲間」の血の記憶がフラッシュバックした。
(また……目の前で、失うのか……!?)
精神の限界。表の月詠の意識が沈み、あの冷徹な「僕」が目を覚ます。
「……やれやれ。これだから暑苦しい正義の味方は嫌いなんだ。大人しく守られていろよ」
裏の月詠は吐き捨てると、地を滑るようなトリッキーな動きで巨獣の懐へと潜り込んだ。
和弓から放たれた至近距離の矢が巨獣の目を潰し、咆哮を上げる隙に、右手の刀がその首筋を容赦なく一刀のもとに切り裂く。
圧倒的な、そして一歩間違えれば冷酷とも言えるほどの苛烈な猛攻。残りの魔物たちも、裏月詠の剣閃の前に次々と物言わぬ骸へと変わっていった。
戦いが終わり、月詠はまだ「僕」の口調のまま、息を整える葵の前に立った。
「痛っ……。おい、君。無茶をして僕の足を引っ張らないでくれよ、まったく」
いつものようにツンツンと顔を背ける。どうせ気味悪がられるだろうという、裏人格の防衛本能だった。
案の定、起き上がった葵は、顔を真っ赤にして月詠に詰め寄った。
「な、なによあんた! 助けてくれたのは感謝するけど、その言い方はなによ! それに、さっきまでの大人しそうな雰囲気はどこ行ったのよ!?」
「……フン、君には関係ないさ」
「な、生意気ーっ! あたしは悪を許さない正義のヒーローなのよ!」
ぷんぷんと怒る葵。しかし、その顔に「恐怖」や「拒絶」の色がないことに、跳影は気づいた。
「あはは、面白いねぇ! 月詠のこの姿を見て、怖がりもせずに怒るやつは初めてだよ。」
刹那も大笑いしながら二人の肩を組む。
「人にはそれぞれ裏表があるもんさ。ま、これも何かの縁だ。あたしたちの旅に加わりなよ、葵。」
刹那の誘いに、葵は月詠をジロリと睨みつけながらも、不敵に笑った。
「ふん、いいわよ! あんたたちの旅、面白そうだし……何より、そのツンツンした態度、あたしが正義の心で叩き直してあげるんだから! よろしくね、月詠、刹那、跳影!」
夜が更け、表の人格に戻った月詠は、葵が自分を受け入れてくれたことを知り、愛おしそうに目を伏せるのだった。
「ありがとうございます、葵。これから、よろしくお願いしますね……。」
それを見た跳影が、「また賑やかになるね。仲間ができて嬉しいけどね。」とにっこりと笑う。
新たな仲間の葵を加えた4人の新たな旅は続く。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
まだまだ続きますので、これからもよかったらお目を通していただければと思います。
さて、次はどんな出来事があるのか。
続きはまた今度。
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