企画参加 | にらめっこ
短編小説 | にらめっこ
なにを考えているのか読めない君の視線に、僕は釘付けになった。
「あの、なにか?」
「いえ、なにも」
「そうですか?僕のことを見つめているような気がしたものですから」
「はい、あなたのことを見つめています。ご迷惑でしょうか?」
「いえ、そんなことはありません。ただ、少し気になったものですから」
「それならば、あなたを見つめていてもいいですよね」
「はい、かまいませんが」
沈黙がつづいた。僕は彼女から目をそらした。彼女の視線を感じる。彼女のかわいい姿が僕の視野の片隅にある。
「あの、僕もあなたを見つめても、よろしいものでしょうか?」
「ええ、もちろんですよ」
口唇に微笑をたたえながら彼女が言った。
「なんか、にらめっこしてみたいですね」と僕は言った。そうしたら、彼女はケタケタと笑いはじめた。
「あたしの負けですね。なにかペナルティはありますか?」
「いえ、ペナルティなんてありませんよ。ただ…」
「ただ? ただなんですか? なんでも言うことを聞きますよ。遠慮なさらずにおっしゃってください」
僕は極度に緊張したが、勇気をふりしぼって言った。
「瞳を閉じてくれますか?」
「あたしが目を閉じたらどうするんです?」
彼女は瞳を閉じた。僕は彼女の口唇に自分の口唇を合わせた。彼女はなすがままに、なにも抵抗しなかった。
「ふふふ。あなたの口唇はしっとりしていますね」
僕は彼女にキスする前に、乾いた口唇を舌でなめていたのだった。ちょっと照れくさかった。
「あの、もう一度、キスしてくださる?」
彼女はうっとりとした眼差しで僕に尋ねた。
~おわり~
♥️(*ノ▽ノ)❤️(*/□\*)♥️


#あなたのキス
#甘野充さん
#短編小説
#にらめっこ
#note投稿企画
#甚だしい妄想
#恥ずかしい
#イラスト
♥️(*/□\*)♥️(*ノ▽ノ)❤️
いいなと思ったら応援しよう!
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします