薬剤師のやる気が出ない出勤前に。休んでも気持ちが戻らないときに見てほしいこと
目覚ましが鳴っても、すぐに起き上がれない。
眠ったはずなのに、体が重い。
今日の勤務を思い出しただけで、気持ちが沈む。
「行きたくない」
そう思っても、熱があるわけではない。
体を動かせないわけでもない。
自分が休めば、ほかの薬剤師に負担がかかる。
患者さんを待たせるかもしれない。
だから、今日も起きる。
顔を洗って、着替えて、薬局へ向かう。
薬剤師ファマディーです。
管理薬剤師として店舗運営に関わり、採用や教育も経験してきました。私自身も2度、職場を変えています。
薬局で働いていると、周囲には普段どおりに見えていても、出勤するだけで精いっぱいになる時期があります。
出勤前から、すでに気持ちが疲れている
薬局へ向かう道が、いつもより長く感じる。
駐車場に着いても、すぐに車から降りられない。
あと5分だけ。
もう少しだけ、ここにいたい。
そう思いながら時計を見る。
遅刻はできないから、重い体を動かす。
薬局に入れば、いつものように挨拶をする。
白衣を着る。
パソコンを立ち上げる。
処方箋を受け取る。
患者さんの前では、普段どおりに話す。
けれど、普段どおりに働けているからといって、つらくないわけではありません。
誰にも気づかれないまま、出勤するだけで多くの気力を使っている日があります。
休んでも疲れが取れない
休日は、なるべく仕事のことを考えないようにする。
遅くまで眠る。
家でゆっくり過ごす。
何も予定を入れない。
それでも、疲れが取れない。
体は休んでいるのに、頭の中では仕事が続いているからです。
薬歴は残っていなかったか。
在庫の確認を忘れていないか。
明日は苦手な人と同じ勤務ではないか。
また投薬が偏るのではないか。
患者さんから言われた言葉や、上司の不機嫌な表情まで思い出してしまう。
休日なのに、心は薬局から帰ってきていません。
「休んだのに元気になれない」
そう感じると、自分の休み方まで悪いように思えてきます。
でも、休み方の問題とは限りません。
休んでいる間も仕事の緊張が抜けないほど、毎日の負担が大きくなっているのかもしれません。
明日のことを考えると憂うつになる
休みの日の朝は、少しだけ気持ちが軽い。
けれど、夕方になると明日の勤務が頭に浮かびます。
日曜日の夕方。
連休の最終日。
勤務表を見た瞬間。
胸の奥が重くなる。
「また一週間が始まる」
明日は忙しい曜日だ。
一包化が多い日かもしれない。
疑義照会が重なるかもしれない。
また質問しただけで嫌な顔をされるかもしれない。
まだ何も起きていないのに、もう疲れている。
明日の仕事を考えただけで憂うつになると、休日の最後まで職場に奪われてしまいます。
休んでいるはずなのに、次の勤務に備えてずっと緊張している。
これでは、気持ちが戻らなくても不思議ではありません。
調剤室に入れば、自分の気持ちは後回しになる
出勤してしまえば、立ち止まる時間はありません。
処方箋が続く。
疑義照会の返事が来ない。
電話が鳴る。
一包化が重なる。
在庫が足りない。
監査が詰まる。
待ち時間が長くなれば、患者さんの表情も険しくなる。
本当は少し座りたい。
水を飲みたい。
誰かに「今日はつらい」と言いたい。
でも、周囲も忙しそうに動いている。
自分だけ休むわけにはいかないと思ってしまう。
それで、気持ちを押し込んだまま働き続けます。
勤務が終わる頃には、何がつらかったのかを考える力も残っていません。
帰宅して、食事をして、横になる。
そして、また明日の仕事を考える。
「もっと頑張らなきゃ」が、さらに苦しくさせる
やる気が出ないときほど、真面目な薬剤師は自分を立て直そうとします。
もっと効率よく動かなければ。
薬歴を早く書かなければ。
患者さんに丁寧に接しなければ。
薬の勉強も続けなければ。
周囲に迷惑をかけてはいけない。
どれも、薬剤師として間違った考えではありません。
ただ、すでに疲れている自分に、新しい課題を増やしていないでしょうか。
休日に研修動画を見ようとしても、再生する気になれない。
本を開いても、文字が頭に入らない。
家事をする気力さえ残っていない。
そんな自分を見て、「前はもっと頑張れたのに」と責めてしまう。
努力が足りないのではありません。
これまでの仕事で、使える気力が残っていないのです。
空になったところへ、さらに頑張りを足そうとすれば、もっと苦しくなります。
このままでいいのか、わからない
仕事を辞めたい。
でも、本当に辞めてよいのかわからない。
転職したい。
でも、新しい職場でも同じだったら怖い。
今の薬局が嫌なのか。
薬剤師の仕事そのものが嫌になったのか。
それとも、ただ疲れているだけなのか。
考えても答えが出ない。
辞めるほどではない気もする。
でも、このまま何年も働く自分を想像すると、気持ちが沈む。
このはっきりしない苦しさが、いちばんつらいのかもしれません。
明確な理由がないように見えるため、自分の気持ちを否定してしまうからです。
「もっと大変な人もいる」
「どこの薬局も同じかもしれない」
「自分が弱いだけではないか」
そうやって、自分を納得させようとする。
けれど、毎朝「出勤したくない」と思っているなら、その気持ちをなかったことにしないでください。
薬剤師を辞めたいのか、今の職場へ行きたくないのか
つらい朝には、「もう薬剤師を辞めたい」と思うことがあります。
そんなときは、薬剤師の仕事と今の職場を分けて考えてみてください。
患者さんと話すことが嫌なのか。
薬を確認する仕事が苦しいのか。
それとも、今の上司や同僚と働くことがつらいのか。
休憩が取れないことに疲れているのか。
投薬の偏りに納得できないのか。
頑張っても評価されないことが悲しいのか。
別の薬局で働く自分を想像したとき、今より少し気持ちが軽くなるなら、薬剤師を辞めたいのではなく、今の職場から離れたいのかもしれません。
反対に、勤務先が変わっても薬剤師の仕事に気持ちが向かないなら、職種を含めて今後を考える必要があります。
今すぐ答えを出さなくても構いません。
ただ、「自分が弱いから」の一言で終わらせないでください。
やる気を戻す前に、自分を責めるのはやめて
今すぐ退職を決める必要はありません。
薬剤師転職サイトへ登録する必要もありません。
大きな決断をしなくても大丈夫です。
その代わり、何が自分の気力を奪っているのか、一つだけ言葉にしてみてください。
休憩が取れないこと。
苦手な人と毎日働くこと。
薬歴が終わらないこと。
何をしても評価されないこと。
今後の年収や働き方が見えないこと。
具体的な言葉にすると、「やる気がない」という一言の中に隠れていたものが見えてきます。
自分の行動で変えられることなのか。
上司や会社に相談しなければ変わらないことなのか。
今の職場では変わらないことなのか。
そこを分けるだけでも、次に考えるべきことは変わります。
なお、眠れない、食事が取れない、涙が出る、動悸がする、出勤そのものが難しい状態が続く場合は、モチベーションだけの問題として抱え込まないでください。
医療機関や産業医など、職場の外にいる専門家へ相談してください。
今の職場で気持ちが戻るのかを考えるために
このnoteでは、休んでも疲れが取れず、明日の出勤を考えるだけで気持ちが重くなる薬剤師の本音を中心に書きました。
薬剤師のモチベーションが下がる原因を、疲労、人間関係、評価、将来への不安などに分けて確認したい方は、ファマブロに7つの原因と8つの対処法をまとめています。
薬剤師のモチベーションが下がる原因と、やる気を戻す対処法を読む
休む段階なのか。
異動を相談する段階なのか。
職場を変えることまで考えた方がよいのか。
まだ判断がつかない方は、転職必要度診断で今の状態を確認してみてください。
今の職場を続けるか迷ったときに、転職必要度を確認する
明日の朝も、出勤したくないと思うかもしれません。
それでも起きて、着替えて、薬局へ向かうのかもしれません。
そんな自分に、「情けない」と言わないでください。
今日まで何度も、重い気持ちを抱えたまま出勤してきたのだと思います。
もう少し頑張るかどうかを決める前に、まずは自分がどれほど疲れているのかを見てあげてください。
書いている人:薬剤師ファマディー
管理薬剤師・採用・教育の経験をもとに、薬剤師の働き方、職場選び、年収、人間関係の悩みを発信しています。
この記事が今の気持ちに近かったら、つらい朝に読み返せるよう保存しておいてください。
