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【ヘッド・オブ・ステイト/ 映画レビュー01】英米首脳が挑むアクションに、2026初頭私のランキングが動いた。

「自分の中の1位」というのは、そう簡単に揺るがないものです。数十年経っても不動のトップに輝き続ける。最初に観たときの心の動きが大きいほどその座は長く、思い出補正も加わると、どんな新作が下剋上を試みても軽くあしらってしまいます。

私にとってのそれは、『天使にラブソングを』

これについては書きたいことがありすぎるので今回は見送りますが、なぜこの話をしたかと言うと、不動のトップは揺るがなくても、私にとっての「4~5位」は意外に変動が多いからです。

2026年1月2日、私の好きな映画ランキングに変動がありました。

新年早々、鳴り物入りでマイランキングに食い込んできた一作についてお話しします。

『ヘッド・オブ・ステイト』との出会い

みなさんは『ヘッド・オブ・ステイト』という作品をご存じでしょうか。
2025年7月2日にAmazon Prime Videoで世界一斉配信されたアクション・コメディ映画です。

配信からちょうど半年が経った2026年1月2日。年末から元旦まで連日外出していた私と妻は、1月3日も予定があったため「今日だけはゆっくりしよう」と話し、子どもがお昼寝をしたタイミングで映画を観ることにしました。

夫婦揃って映画が大好きで、特に洋画派。子どもが生まれる前は、海外スターが来日する「東京コミコン」などのイベントにも足を運ぶほどでした。

さっそくサブスクを漁っていたところ、妻の大好きなイドリス・エルバの出演作を発見。それがこの『ヘッド・オブ・ステイト』でした。二人とも初見でしたが、あらすじを読んでいた妻の薦めもあり、鑑賞をスタートしました。

ざっくりいうと

とても仲の悪い英米首相がタッグを組んで悪者と戦うアクション・コメディー

※以下、しっかりネタバレあります

圧倒的な存在感:イドリス・エルバ✖️ジョン・シナのタッグ

私が最初にイドリス・エルバを観たのは、マーベル作品『マイティ・ソー』の門番役でした。光をも反射させるような褐色の肌、秒で落とされそうな太い腕、そして鋭い眼光。とても端役に収まるような役者さんには見えませんでした。

タイトルの「ヘッド・オブ・ステイト」とは「国家元首」という意味。
本作はダブル主演で、一人はイギリス首相サム・クラーク(イドリス・エルバ)。真面目で堅物、しかし言葉の端々にユーモアが滲む好感の持てるキャラクターです。

もう一人の主演は、アメリカ大統領ウィル・デリンジャー(ジョン・シナ)です。
元WWE(アメリカのプロレス団体)の大スターである彼は、いかにも「アメリカ」な顔立ちで、大統領という役に説得力を持たせています。

この英国首相サムと米国大統領ウィルですが、とにかくめちゃくちゃ仲が悪い。

真面目な実務家のサムに対し、ハリウッドスター上がりのウィルはお調子者で向こう見ず。喧嘩させるには最高の構図です。

冒頭から引き込まれる「トマト祭りの銃撃戦」

物語は、プリヤンカー・チョプラ・ジョナス演じるノエル・ビセットが率いる、MI6とCIAの合同チームの戦闘シーンから始まります。

舞台はスペインの「トマト祭り」。

どれだけのケチャップが作れるんだという量のトマトを街中でぶつけ合う狂気のお祭りの中、情報リンク「ECHELON(エシュロン)」にアクセスできる重要端末の奪還作戦が遂行されます。

ここで唸らされたのが演出。トマトの赤い実が弾け飛ぶ中で、血しぶきも弾ける。
痛ましいシーンのはずなのに、BGMやカット割りの緩急がなんともおしゃれ。鮮血のインパクトをトマトの赤が中和させ、激しい戦闘でありながら視聴者にストレスを感じさせないセンスを感じます。

この時点で私は「この映画、面白いかも」と思わされました。

結果は敵側の勝利。チームは全滅し、ノエルも撃たれて倒れます。観客を引き込んだキャラを早々に退場させる、意地悪ですが彩りのある演出です。

対照的な二人のリーダー

ロンドン:サム・クラーク首相
元SAS(特殊空挺部隊)という軍歴を持つサムですが、政治家としては守勢。世論の支持率は低迷し、冒頭の作戦失敗で批判は高まるばかり。
イドリス・エルバの落ち着いたトーンが、「有能だが疲弊している政治家」という役に説得力を与えています。

ワシントン:ウィル・デリンジャー大統領
一方、ウィルは対照的。アクションスター上がりでメディア露出が得意、筋肉ムキムキで画面映えも抜群。しかし政治経験は浅く、サムからすれば「ジムで鍛えるのは得意でも政治は別」という評価です。

この二人がロンドンの共同記者会見で顔を合わせるのですが、これが最悪の滑り出し。
リーダーシップ論の違いから口論寸前の応酬になり、メディアには「米英関係の冷え込み」を印象づけてしまいます。しかし、これが後の展開への大きな布石となります。

「エア・フォース・ワン」撃墜と絶望の脱出

物語の本番はここからです。
二人はNATOサミットのため、大統領専用機「エア・フォース・ワン」に同乗することになります。
機内でも険悪な二人でしたが、突如グラドフ配下の傭兵による攻撃を受けます。スパイの潜入により機内は混乱し、ミサイル被弾で機体は墜落寸前に。

ここで主役を食うほど格好いいのが、アメリカ大統領の護衛官です。
燃え盛る機内、残されたパラシュートは二つ。二人から「一緒に飛ぼう」と手を差し伸べられますが、彼はそれを拒み、現在の位置と目指すべき場所を伝えます。

「あなたにお仕えできたことを誇りに思います」

力強い敬礼とともに二人を機外へ突き落とし、自らは犠牲となる姿には涙が止まりません。

命からがらベラルーシの僻地に着地した二人。
軍経験のあるサムは鮮やかに着陸しますが、ウィルは木に引っかかり、こんなピンチでも二人は言い争いを続けます。しかし、眼下で炎上する機体を見つめる二人の目には、自分たちを助けるために奮闘した人たちの面影が浮かんでいました。

世界中には「米英首脳、死亡か」の速報。

公的な支援は途絶え、敵の追手は迫る。二人だけの逃避行が始まります。

サバイバルと「最高のコンビ」への変化

ベラルーシの原野を進む二人。

互いを皮肉り合いながらも、命を預け合わざるを得ない状況。

サムは足運びや遮蔽物の取り方など、実戦経験を活かしてリード。一方ウィルは「映画で学んだ」型の派手な発想が空回りすることもあるものの、瞬発力は高い。

ウィルに対して「ジム筋肉では役に立たない」と皮肉るあたり、サムがただの堅物ではないことが垣間見えます。

最初は噛み合わなかった二人が、少しずつ協働し始める。
このあたりの描写が、バディムービーの醍醐味です。私も「ああ、この二人、だんだん息が合ってきたな」と感じ始めます。

目的地はワルシャワのセーフハウス。自らを犠牲にして二人を脱出させた護衛の彼がウィルに伝えた場所です。

途中、素行の悪そうな若者がたむろしている敷地に車を見つけたサムは、ウイルに導線をバチバチっとこすり合わせて、キー無しでエンジンをかけるように指示。

ウィルは「そんなことをする必要はない。話し合えば協力してくれる。私は映画スターなのだから」というも、サムは「お前なんか知られていない」と一蹴しつつ、「君が若い頃車を盗もうとしたことは知っている。だからできるはずだ」と言います。

「アメリカ大統領の私の過去をどうやって調べたのだ」と憤るウイルを軽くいなしながら、ウイルはしぶしぶサムの作戦を実行。

と言っても、不器用なウイルは手間取り、その間に不良たちに見つかって肉弾戦がスタート。

アクション・コメディーというだけあり、シリアスな作品を邪魔しないギリギリのラインでコミカルに描かれていて、二人の筋肉も惜しみなく躍動します。

優勢に回っていた二人でしたが、最終的には取り囲まれ絶対絶命。そんな時に上空に散弾銃をぶっぱなし現れたのはイカした農家のおばちゃん。

それにビビッて逃げる不良を横目に、「どこまで行きたいんだい?」と二人に話しかけてくるおばちゃんに返すと、「じゃあ、あたしの車に乗っていきな」と言って、おばちゃんとの検問越えが始まります。

羊が大量に乗った荷台にボロボロのスーツで乗り込み、検問を越える二人。荷台に寝そべる二人ですが、アメリカ大統領の顔に羊のおっぱいがずっと当たるあたり、相変わらずコメディ要素をウィルが一身に背負って笑いを提供してくれます。

やがてワシントンのセーフハウスに辿り着き、そこでCIAのエージェント・コマーと合流。一見オタクっぽい彼が銃火器を駆使して無双する姿も、驚きと笑いを与えてくれました。

復活のノエルと、深まる絆

ここで、死んだはずのノエル・ビセットが再登場します。
彼女が加わり、サムとの過去の恋愛関係も明かされます。サムが冒頭で作戦失敗を聞いた際の、やるせない表情の意味が分かる瞬間です。

イタリアでのNATOサミットを目指す列車移動の中、二人の強みは完全に融合していきます。

サムは精密な実務、ウィルは「映画的発想」による奇策。
「この二人、最高のコンビだ」と感じさせられます。

クライマックス:イタリアでの大逆転

ついにイタリアへ。
機密リークで大混乱に陥るNATOサミット会場へ、二人は非公式ルートで潜入を試みます。

物理法則を無視したような圧巻のカーチェイス。サムが運転・射撃を担い、ウィルが陽動と奇策を繰り出す。

会場に乱入した二人は、証拠を提示して陰謀を暴きます。

最後は敵の黒幕グラドフとの決着。

サムがまさかの告白をすることで、政治スリラーというより、バディ活劇としての快感が爆発するエンディングでした。

最後の最後まで絶妙な緩急の付け方で笑わせてもらいました。

ちなみに、私は基本的に字幕派ですが、今作は東地宏樹さん(サム役)と森川智之さん(ウィル役)という大好きな声優陣だったため、吹き替えで鑑賞。最高に楽しめました。

観終えて:マイランキング4~5位に確定

鑑賞後、私たち夫婦はしばらく余韻に浸っていました。
途中で子どもが起きてくるというハプニングもありましたが、そんなことが障害にならないほど、この作品のテンポと面白さは圧倒的でした。

イドリス・エルバとジョン・シナの掛け合い、上品なセクシーさが光るプリヤンカー・チョプラ・ジョナス。

アクションのキレ、ユーモアの挿入、どれをとってもバディムービーとして完成度が高い。

私たちの評価ランクで言えば、A級までは届かない「B級」の佇まいですが、個人的な面白さは間違いなく「特A級」です。

新年早々、こんな素晴らしい映画に出会えたことに感謝し、初めてのレビューを書いてしまいました。

もしあなたがバディムービー好きで、テンポの良いアクションと笑いを求めているなら、『ヘッド・オブ・ステイト』は間違いなく最高の時間を提供してくれるはずです。

今後も、私の好きな映画を気ままにレビューしていこうと思います。
共感いただけたり、観てみたいと思っていただけたら、スキやフォロー、コメントなどいただけると嬉しいです。

最後までありがとうございました。

あひる

※タイトル画像はAIで作成しています

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