啓蟄
今回のなんのはなしです課通信は「啓蟄」の五十二通目
|啓蟄《けいちつ》は 二十四節気の第3にあたる季節名で
「冬ごもりしていた虫が土の中から出てくる頃」を意味します。
漢字の成り立ちは次のとおりです。啓 … 開く
蟄 … 土中にこもる虫
つまり「閉じていたものが開き、動き出す季節」。
現在の暦では 3月5日ごろにあたり、春分までの期間を指します。
もしかしたら 自然だけでなく 心の中の小さな扉が開く瞬間 かもしれない。
「啓蟄」
まだ冷たい朝の土に
指を触れたら やわらいでいた
眠っていたはずの声が
かすかに胸の奥で揺れる
凍ったままの記憶の縁
小さなひびが走っていく
気づかないふりをしていた
想いが土を押し上げる
光はまだ弱いけど
確かにここへ届いてる
啓蟄の風が そっと
閉じた心をほどいていく
名もない鼓動が 今日も
静かに目を覚ましてる
土の下で息をしてた
小さな夢たちが
春の匂いに誘われて
今 動き出す
コートの奥にしまい込んだ
言葉たちがほころびる
誰にも見せなかった種が
やわらかな光を探す
柳の影が揺れるたび
時間がほどけていくようで
止まっていた針の音が
また静かに刻み出す
まだ形はなくても
確かにここに芽吹いてる
啓蟄の朝に ふっと
閉じた扉が開いていく
名前も知らない感情が
そっと歩き始める
土の中で夢見ていた
いくつもの未来が
ぬくもりに背中を押されて
今 顔を出す
誰にも気づかれなくていい
この小さな震えだけでいい
春はいつも
静かなところから始まる
啓蟄の光が 今日も
眠っていたものを呼び覚ます
胸の奥の暗がりで
芽吹く気配がする
冬の名残を抱きしめて
それでも前を向く
心の土を割りながら
春が 始まる

最後までお付き合いいただき ありがとうございました。
では 素敵な1日を✨
