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昨日の友は今日の敵?

あれは今から14,5年前の夏 仕事で蒲田に住んでいた頃だと記憶している

羽田空港第3ターミナルの工事はほぼ終わりに近づき
親方から藤沢の現場に行くように言われたのだけれど
朝が早くなるので最初あまり気が進まなかった

神奈川県藤沢市に建てられる製薬会社の研究施設新設工事現場は
丁度 藤沢駅と大船駅の中間位に位置している

私は蒲田から京浜東北線に乗り終点の大船経由で通勤していた


通勤に慣れたある朝

横浜を過ぎると乗車してくる人の数は減っていき空席ができる

その日も いつものように貴重な睡眠時間を確保するため 空いた席にすかさず腰を下ろした

向かい側にはおそらく蒲田より前から
長尺シートの端に座り眠っていた朝帰りのきれいな20代前半の女性


次の駅で扉が開くと20代後半位のヤツが乗り込んできた

向かい側の長尺シートはガラガラ

ヤツは周りを見渡し
まるで指定席にでも座るがごとく向かい側で眠る女性の隣に座った


電車内の痴漢話は聞いたことはあれど見たことはない

こいつ 怪しい

「persi くん 出番ですよ」そんな声が聞こえた気がした

駄菓子菓子
冤罪の可能性も捨てきれない

どうする persi

考え抜いた末 私はメンチを切った

それに気づいたヤツは眼を閉じ寝たふりを始める

瞬きをした記憶はない

ヤツはそれでもあきらめない

だらりと垂らした右手をワザとらしく女性に近づけようとする

デカい咳ばらいをし 威圧するとともに眼力を強めた

ヤツはワザとらしく目覚めると
手提げバックからペットボトルを取り出しのどの渇きをいやす

ヤツは金縛りにあったようにもう動くことはできなくなった


そして次の駅で逃げ去るように下車していった

私の目の黒いうちは 卑劣な行為は許さない

英雄映画のエンドロールが妄想の中で流れ 余韻に浸りかけたその時

近くで腕組みをしていた30代後半くらいの男が隣に来て話し出した

「あいつなんか やばかったよな」

そうですね そう思ったんで見てました

「俺もそう 気になってたのよ」

そうですか

よくは覚えてないが そんな会話を終点の大船駅までしていた

私はその男のことを戦友だと思った

じゃあと 戦友に別れを告げ 改札に向かった

その時 戦友は口を開いた

実は昨日浦和に出てきて電車に乗ったら40万入ったバッグを盗まれた
そんなことを話し始めた
そして千円でもいいからお金を貸してほしいと戦友は言った


申し訳ないと思いつつ 戦友でも金銭の貸し借りはなしだぜ


私は丁重にお断りし 仕事現場へと向かった





翌朝 大船駅のホームでうろつく昨日の戦友を目にした


なんのはなしですか


危うくカモになるところだった


最後までお読みいただき ありがとうございました😊

帯は いつき さんにお借りしました
いつもありがとうございます

台風怖いですが 熱中症も忘れずに

では 素敵な1日を✨


#なんのはなしですか
#賑やかし帯
#エッセイ

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