仕官そして研修①
この作品の続編です。
私の名前は 長宗我部 春近
長宗我部元親 公の子孫ではないのだけでど…
先日、土佐での仕官先が決まり、週末から出仕することになった。
競馬場の発走係のお仕事、ちょっと違うけど、時代が違えば馬周りといったところだろうか。
仕事始めから6日経験するまでは研修期間となっていて、土日開催であるため研修には3週間を要する。
土佐統一への足掛かりとなる仕官初日は、面接でお世話になった金子さんと待ち合わせ、組合事務所で装備品を受け取る。人がたくさんいるので名前を覚えるのが大変そうだ。
その後、研修でご指導いただく福留さんを紹介された。
もしや、ご先祖様は福留 親政ですか?と尋ねたが、
なんのはなしですか
どうやら福留 親政とは関係がないようでした。というか、福留さんは戦国武将に全く興味がないようでサラッと流されてしまった。
福留 親政(1511ー1577)
元親の父 国親の代から長宗我部 家に使える家臣で、元親より21回感状を受けている。
1563年元親が本山攻めに向かい、手薄になった岡豊城が安芸国虎に攻められた際も撃退し、その働きぶりは「福留の荒切り」と呼ばれた。
信親の守役を務めるなど重用されていたが、1577年の伊予攻めで討ち死。
話を仕事に戻す。研修期間は色々なことを覚えなければならない。
その一つ、ゲートテスト。各レースの出発地点にトレーラーをイメージしたようなゲート車が移動する。フルゲート12枠のゲート部分がトラックのトレーラー部分と思っていただければわかりやすいだろうか。
競馬中継を観たことがある方は想像できると思いますが、ゲートが開いてスタートとなる。そのゲートが開く動作をレース前に必ず確認することになっている。その確認を終えた後、それぞれの持ち場に散っていく流れだ。
初日は福留さんの担当が「ボロ取り」だったのでそれを指南された。
「ボロ」って何だと思いますか?
お分かりかもしれませんが、糞のことなんです。
レース開始5~6分前位になるとゲートの後ろのスペースで、出走馬はスタート1分前まで「輪乗り」と呼ばれる左回りでゲート入りを待つ間歩き回ることを行います。
その際に必ずではないのですが、糞をするわけです。
要は、その「ボロ」を回収し所定の場所に捨てに行くという、文章だけ見ると簡単な作業なんですが…

馬のお尻の穴は尻尾の付け根の下部に位置しています。
「ボロ」をする際には、尻尾が上がります。
それを輪乗りする馬たちを見ながら目視で確認します。
そして「ボロ」が落ちるとそれを回収に行くわけですが、馬の背後に回ると蹴られる可能性があります。競走馬は人を蹴らないようには教えられていないので特に注意が必要です。蹄鉄もついているので、下手したらあの世に行ってしまいます。
先日厩務員さんが暴れた馬に足を蹴られて10針縫う怪我をしたそうです。
戦で討ち死にならまだしも、馬に蹴り殺されるわけにはいけません。輪乗りの状況を確認しながら、場合によっては輪乗りの中に入っていって回収するのです。
その作業を発走1分前のアナウンスが流れるまで行い、所定の場所に捨てた後、道具を所定の場所に片づけます。その作業も音を立てびっくりさせないように注意しなければなりません。
私の名前は 長宗我部 春近
長宗我部元親 公の子孫ではないのだけでど…
土佐統一までの道のりは果てしない気がしてきた今日この頃。
本日はこれまで
仕官そして研修②へつづく

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