【読書感想文】『饗宴』プラトーン
・新潮文庫版は固有名詞の表記が違い、原文に忠実とある。
・愛についての饗宴。エロース(愛の神)を賛美するというもの。先ずはソフィストたちが、続いてソークラテースが賛美する。
・満たされないから求める、という真理。だからエロースは美しくもよくもないという結論に。そこに、善美や美醜の中間の存在を仮定する。それはダイモーン(鬼神)であると。
・裏表紙に「なぜ、男は女を求め、女は男を求めるのか?」ってあるけど、この本のおじさんたち、愛する少年とか少年を愛するばっかり言ってる。
・『パイドン』もそうだけど、提示される前提条件は、おおむね同意できるものではある。ただ、結局は古代ギリシャであって、人類普遍の価値観とはいかないのではないか、という疑問は残る。
極端な例だけど、デスメタルのように醜の中に美を見出すような。それは違うって言われそうだ。個人的にはメタルは好きだけどデスメタルは苦手だ。
・肉体よりも精神の価値を上とするのも同じ。
・やはりこの本においても、ソークラテースは立派な人物として書かれている。
・西欧にこうした書が与えた影響がいろいろと想起されると同時に、高橋保行『ギリシャ正教』に書かれたことも思い出す。曰く、「ギリシャは西欧の直接の起源ではない。西ローマ帝国崩壊後に生じた錯誤である」というもの。これも検証する必要がある。
