エイハブの六分儀
【2026年の星空案内】
新たな年が明けてましておめでとうございます!
2026年の夜空も、1年を通じて心躍るドラマに満ちていますよ。
まずは、1月4日(土)のしぶんぎ座流星群は挑戦されましたか? 満月の翌日だったので条件は最悪でしたが、1つでも流れ星が見えた方は、今年、幸運が期待できるかも。一年の運だめしに見上げる方も多いようです。
今月7日(水)深夜1時すぎに、しし座の1等星レグルスが月にひょっこりと隠れるレグルス食があります。(3月2日(月)20時30分にも)月光が眩しいので肉眼よりも双眼鏡や望遠鏡での観測がおススメです。
また1月10日(土)は木星が太陽の反対側になる衝を迎えるため、-2.7という明るさに。
早春の3月3日(火)には、日本全国で見られる皆既月食があり、地球の影に月が深く沈む神秘的な光景をご覧いただけます。宵時で観測にベストな時間帯ですので、ぜひスケジュール帳に記入しておいてくださいね。まだ花冷えのする時期ですので、暖かい格好で。スマートフォンをスタンドに固定させて、タイムラプスで撮影すると素敵な映像がおさめられるかもしれません。
6月9日(火)21時30分、金星と木星の接近という華やかな惑星ショーも見逃さないように。星のツートップ、金星と木星の会合を忘れずにチェックしてみてください。
夏の夜のメインイベントと言えば、8月13日(木)のペルセウス座流星群。今年はちょうど新月の夜なので好条件です。
11月末、夜明け前の東の空に、火星、木星、最大光度の金星と水星の4つの惑星を一度に見られるチャンスが到来、待ち遠しい光景です。ワクワクわくわく。
12月14日(月)23時には、安定のふたご座流星群がピークを迎え年末を彩ります。
この他にも、昨年に引き続きブレイクアップと呼ばれる激しいオーロラや赤い低緯度オーロラも北海道などでも出現の可能性が。また、予期せぬ来訪者の彗星にも巡り会えるかもしれませんね。どんな遭遇が待っているでしょうか。今年も、宙を見上げて楽しんで頂けたら嬉しいです。
さて、星座はというと、明るい冬の星座に木星がお邪魔して去年に引き続きにぎやかな夜空です。
カラダを南にむけて、空を仰いでみると後ろが北ですね。もっとも北よりに、ぎょしゃ座のカペラ。その下におうし座のアルデバラン。オリオン座のリゲルとおおいぬ座のシリウス。さらに、こいぬ座のプロキオンとふたご座のポルックス。さぁ、冬のダイヤモンドは結べましたか?誰のモノでもなく見上げた人だけの大きな大きな星の宝石は、空の広がりを教えてくれるでしょう。そんな冬のダイヤモンドの中に、黄色い輝きの木星、時に真珠のような月が加わるといっそう華やぎます。
オリオン座のベテルギウスとおおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンで冬の大三角を描いたら、その中に幻の馬ユニコーンを捕らえたことになります。いっかくじゅう座です。想像上の動物ですが、中世のヨーロッパの人々は、東方に実在すると考えていたとか。サイを見てユニコーンと混同したのでは?という説もあるようです。今年の干支でもある馬の星座に、思いを馳せてみてはいかがでしょう。
ところで、今年いよいよNASAのアルテミス計画により人類がふたたび月をめざす予定です。
アルテミスとは月の女神。ギリシャ神話の狩人オリオンとは狩りという共通の趣味を持つ恋人同士でした。ところが、それを快く思わなかった双子の兄で太陽の神であるアポロンが引き裂くのです。
ある時、海面を歩いていたオリオンに太陽の光を当て、「さすがのお前でも、あの海の上の光に当てることはできまい」とけしかけます。勝気なアルテミスは、いとも簡単に光を射ぬいてしまうのですが、それが愛しい恋人でした。哀れオリオンが星になると、アルテミスはそのすぐそばを通ることができるように父であるゼウスに懇願します。月の道を白道といいますが、白道はオリオン座のすぐ上を通過していてアルテミスとオリオンは今も時折、夜空での逢瀬を楽しむのだと言われています。

(ちなみに、描かれている犬のうちの1匹がこいぬ座。
アルテミスの怒りにふれ、鹿にされて飼い犬に襲われ亡くなって帰らぬご主人アクタイオンを
いつまでも待ち焦がれる忠犬ハチ公のような犬の星座です)
アルテミスⅡ計画で月に向かうのは「宇宙船オリオン」。宇宙開発に神話上のロマンスを重ねる心憎いネーミングセンスにはいつも感心してしまいます。ちなみに、前回はアポロ計画ですから、焼きもち焼きの兄に先に花を持たせたようです。予定通りに打ち上げられるかは未知数ですが、見守っていきたいですね。
今回もお読みいただきありがとうございました。
シーズナリーのご案内となりますが、今年もどうぞよろしくお願いします!
2026年も皆さまが心穏やかに星活を楽しめますように…🌟

西 香織
コスモプラネタリウム渋谷「星を詠む和みの解説員」
幼い頃からプラネタリウムに通う。宇宙メルマガTHEVOYAGE 「エイハブの六分儀」で毎月の星空案内を担当。そそっかしく、公私ともに自分で掘った穴に自分でハマり(ついでに周囲の人も巻き込んで)大騒ぎしながらも、地球だからこそ楽しめる眺めを満喫する日々。
コスモプラネタリウム渋谷 https://shibu-cul.jp/planetarium
