令和6年 司法試験予備試験 論文再現答案 民事訴訟法 評価A
さて、ブログ初めてから二日目に突入し、いいねをしてくれたりフォローしてくれたりしてくれる人がいて居心地の良さを感じる今日この頃。
今日は司法試験に向けて重問と短答を勉強しながら将棋を3局指したりしました。
自分が病む、というか現実逃避に走る時期があるんだけどその時期に規則性があるな~と考えていたら「行政法の20問目」までをやっている時が一番病んでいることに気づいた。あの辺なんか面白くないんだよな。
民事訴訟法は今年は比較的簡単だったと思います。特に辰巳の模試を受けていた人はがっつり出題範囲が当たったので救われたと思います。
いつか、他の合格者みたいに勉強方法についてもここで解説して受験生をコンフューズさせるのもいいかなと思います。みなさん、合格者の勉強法を見る時間があったら勉強しましょう。
てなわけで、以下、評価Aをいただいた再現です。
第1設問1
1L2の相殺の抗弁は「時機に遅れた」として却下されるか(民事訴訟法157条1項)を検討する。
2(1)まず、「故意または重大な過失」については争点整理手続きの状況、抗弁の種類・性質、当事者の法的知識の有無等の事情から判断すべきであるが、弁論準備手続き終了後の提出については遅れて提出したことについての説明を相手方に求められた際にその説明がない、又は不十分であるときは特段の事情がなければ重過失が推定される。
(2)次に「時機に遅れ」たについては、訴訟の進行状況や攻撃防御方法の提出の状況等を踏まえてより早期に提出を期待できる客観的状況があったか否か、によって判断すべきであるが、争点整理手続きの後は、特段の事情がない限り時機に遅れたものと推定される。
(3)「訴訟の完結を遅延させる」については、当該攻撃防御方法を採用した場合、却下した場合よりも審理が長くなる場合をいうと解する。
3以上をもって、本件を検討する。
(1)まず、本件では、相殺の抗弁が提出されている。そして、相殺の抗弁は自働債権も消えるため、実質的に敗訴を意味するし、既判力が生じる(114条2項)ことからもこれを争点整理手続き後に提出したとしても重過失までは認められないかと思える。
しかし、Yには弁護士L2がおり、法的知識としても不十分ということはできない。また、予備的抗弁として提出することで、裁判所はまずYが否認した内容について審理した後に、そのYの主張に理由がないと判断したら審理するということが可能になり、争点整理手続きの時点で提出することで必ずしもYが不利になるとはいえない。
そして、本件では弁論準備手続きが終結しており、その後L2は説明を求められている。それに対し、L2は説明をしているが、一つ目の理由は上記の通り理由がないし、二つ目の理由についても確かに判例では相殺の行使は基準時後の事情として既判力によって遮断されないとするが、本件は同一手続き内の問題であり、事案を異にするため理由が異なる。
以上より、本件では、L2の説明は不十分であり、上記の通り、理由がないから「重大な過失」が推定される。
(2)「時機に遅れた」について、本件では争点手続きが行われており、予備的抗弁として提出することは可能であった。実際、YのXに対する自働債権たる貸金債権の弁済期が到来したのが、本件訴訟の提起前であったから、提出することは十分に可能であった。よって、特段の事情もなく、本件では「時機に遅れ」たといえる。
(3)最後に、本件の相殺の抗弁の提出により、書証審理だけであれば新たな期日を必要としない場合が多いが、本件では、YのXに対する自働債権は本訴債券とはまったく別個の債権であり、Xとしても当該債権の不成立について争う可能性があり、そのためにXYに対して新たな証人尋問の機会を設ける必要性が生じる可能性が大いにある。
よって、却下する場合よりも採用する場合の方が、心理が長くなるので、「遅延させる」といえる。
4以上のことから、裁判所としては本件抗弁を却下すべきである。
第2 設問2
1Xとしては、AについてXY間の訴訟の効力が及んでおり、Aは後訴において代理権の授与の存在を主張できず排斥される、と主張することが考えられる。
2そこで、その主張の根拠について考えると、まず、Aについて補助参加の利益(42条)が認められることから、53条4項により「参加することができたときに参加したものとみな」され、46条で効力が及ぶ。
ここで、46条の効力を既判力と解する見解がある。この見解に立つと、既判力は判決主文にのみ生ずる(114条1項)のが原則であるから、Aの代理権の存在についての主張は遮断されないことになる。しかし、46条は様々な除外事由を挙げており、また、参加人に効力が及ぶ趣旨は参加人が参加したにも関わらず被参加人が負けたことから衡平の観点から参加人に効力を及ぼすべきという点にあることから、既判力とは別の参加的効力と考えるべきである。
3(1)では、具体的効力の範囲についていかに解するべきか。まず、客観的範囲ついて補助参加の制度趣旨は他人間の訴訟で影響が及ぶ第三者に手続き保障の機会を与えるとともに、参加的効力を広く及ぼすことで紛争の抜本的解決を図る点にある。そして、第三者に影響が及ぶのは判決の主文よりむしろ、判決の理由中の判断であることが多い。よって、理由中の判断についても効力が及ぶ。もっとも、すべての理由中の判断に効力が及ぼすべきではなく、判決主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定や法律判断について効力が及ぶと解する。
(2)また、主観的範囲については、上記参加的効力が及ぶ趣旨は敗訴による責任の分担にあるから、敗訴当事者間に及ぶと解する。
4以上をもって本件を検討すると、まず、AはXから訴訟告知を受けており、Xが敗訴しているから、参加的効力はAにも及ぶ。
そして、前訴の訴訟物は売買契約に基づく代金支払請求であり、その請求原因事実としてAX売買以前にYがAに対して当該売買契約について代理権を授与していた事実が争われている。そして、その代理権授与の有無は判決主文を導き出すために必要な事実認定または法律判断ということができる。よって、代理権の授与の事実の存在について参加的効力がAに及ぶ。
5そして、Aは後訴において代理権の存在を主張しており、それは上記参加的効力と矛盾するといえる。よって、Aの主張は遮断される。
以上。
民訴は今年の難易度は普通でしたね。Aを取れたので少し自信になりました。司法試験に向けて頑張りたいです。
