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通院日記036_地域病院_通院29日目   今日もお見舞いの日。1人で病院へ向かう。 明日、部屋を移動できると・・・

20250418(金) 地域病院 通院29日目

 今日もお見舞いの日。1人で病院へ向かう。
 明日、部屋を移動できるということで、WiMAXの契約はなしになる。
 ほっとする。
 契約条件の確認など、相当な時間がかかってしまいそうだった。
 楽天のような、シンプルな契約に願いたい。

 昨日、妻は不安な気持ちが出てきてしまって、それを反省したのかもしれない。今日は、明るく振舞っているように感じる。


 妻の不安を書き出してみる。

・抗がん剤の副作用

 嘔吐や肌荒れなどによる痛み・苦しみを気にしている。情報は、苦しいというものが多くても、どの程度苦しい、というのがよく分からない。
 腸閉塞で苦しむ程には、苦しまないのではないか。
 そう励ましている。


・今後、食事をとることができるかどうか

 目下の最大の関心事。
 同じスキルス胃がんでも、ブログなどでは普通に食事をしている方が多い。中には働いている人もいる。
 とにかく、自分も食べられるようになりたい。
 それができるのかどうか。


・(食事と関連して)腸に転移した部分の、閉塞が治るのか

 これは食事と直接関係している。
 治療の過程で、通じるようになるかもしれない。
 その可能性は、ゼロではないだろうと話している。
 これが直らないと、定期的に鼻から腸内の液を出していかなければならない。けれど、イレウスチューブが抜けたとして、その後また悪くなった時に、胃の癌の原発部分に再びチューブが通るのか、それは分からない。


・散歩やカフェ、ドライブや旅行などができるかどうか

 これは2人ともできると思っている。
 もう、候補も挙げて、気晴らしに話し込んでいる。


・髪の毛やまつ毛眉毛の脱毛の対応

 ウィッグを作る店は、決めているようだ。
 姉と行く予定になっている。
 眉毛やまつげは、都度描くのか入れ墨か。
 とにかく、決まっていないことは気になる性格だ。


・(口には絶対に出さないけれど)あとどのくらい、生きることができるのか


 「私に寿命を分けられるとしたら、何年くれる?」
 そう聞かれて、何の気なしに以前答えた事がある。
 「ん、2年くらいかな。」
 「ケチだね。」
 2年は確かにケチだと思った。
 深く考えず、やりたいことがあった時、2年くらいあればできそうだな、と思ったからそう答えた。

 実際できるとして、10年くらいなら・・・と思う。
 けれどこれは微妙な問題で、僕の寿命が残り10年だった場合、分け与えた途端に僕は他界することになる。
 おかしな話だ。
 そもそも質問がおかしいのだけれど・・・。

 常々、ボケたくないと2人で話していた。
 その中で、健康に気を遣う発言をした時には、『一体何歳まで生きるつもりなの?』と揶揄し合って笑っていた。
 もちろん、健康であるに越したことはない。
 けれど、ほとんどの場合それは生への執着だ。

 10年。
 冗談なのだからそういえばいいのに、言葉にすることにさえ微妙な抵抗感がある。
 生への執着心は根深い。
 失笑が出てくるほど。
 そんな僕の苦悩に配慮してくれたらしい。
 妻が質問を変えてきてくれた。
 「夫婦でさ、一緒に死ぬことを選択できたらいいのにね。その時は寿命を分けられるんだよ。」
 それはいい考えに思えた。
 それに応える一瞬の内に、その話の前提を規定することによって、僕は自分の長寿を確保した。
 「そうだね。僕が100歳までの寿命だとして、残り寿命を分け合ってざっくり80歳で2人で死ぬっていうのは全然ありだよ。100歳まで生きる必要があるんだから、今から健康に気をつけておかないと。」
 後半は冗談だ。
 でも妻は、その答えに満足してくれたらしい。
 「そんな神様がいてくれたらいいね。」

 「ホントだね、僕は無神論だけど。」
 どうしていらない一言を付け加えてしまうのか。
 日頃の思考の慣性が、そのまま言葉になってしまう。
 「でも僕が神様を信じていないことと、神様がいないってことは全然別なんだけどね。いるかもしれないよね。それは否定しない。」
 実際そんな立場だ。
 神様を信じている人とそうでない人が、宗教戦争で殺し合うなんて、意味が分からない。
 殺し合いをする、他の理由があるに決まっている。

 「食事ができないのは、腸の部分が詰まってるからでしょ?だって他の人はさ、みんなちゃんと食べてるし。」
 「そうじゃないかと思うよ。そこをさっくり、切り取ってくれればいいのにね。」
 その選択も、あるのかもしれない。
 けれどその場合、その分治療が先延ばしになってしまう。
 「ブラックジャックがいたら、神業の執刀で取ってもらうのにね。治療費が支払えたらなんだけど。」
 「そんな医者がいたらね。いるかもしれないよね。」
 潜りで非合法な手術を受け負う、腕の立つ外科医。
 ひょっとしたら、いるのかもしれない。


 今日の夕食
 アンチョビと春キャベツのペペロンチーノ、味噌汁の残り、ぬか漬け
 気に入ってしまったメニュー。
 簡単に作れる、キャベツが安くなった時に丸ごと買える。
 アンチョビは、缶詰半分ずつで丁度よく、安上がり。
 おいしい。
 いうことない。
 家にある、トウガラシの刺激が強すぎて、花粉症が割り増しになるのが難点。


 夜のLine通話。
 相変わらず通話状態が悪かった。
 腸からの液体が黄色に近くなっていて、分泌液だろうかと話をする。

 「とにかく早く治療に入らないとね。」
 ようやく、来週から始まりそうだ。

 その前にミーティングがあるだろう。
 聞いておきたいことを、まとめておくことにする。
 丸山ワクチンについて、以前は院内で処方していた事があるらしい。
 こちらも準備を進めておきたい。
 がんに対抗するという意味よりも、抗がん剤で免疫系が弱った時のサポート、という考えの方が強い。


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