通院日記085_地域病院_通院78日目 抗生剤は、引き続き処方されている。 夜中にアラームでやってきた看護師が、鼻のカテーテルから吸引をして・・・
20250606(金) 地域病院 通院78日目
付き添いの39日目。
抗生剤は、引き続き処方されている。
夜中にアラームでやってきた看護師が、鼻のカテーテルから吸引をしてくれた。
10ml程度の腸液が出てくる。
その後はガスのみ。
「穴のところから、空気が入ってくるんですかねぇ。」
何度か引いてくれて、際限がなさそうなので、ほどほどに終わる。
頼んでやってもらったことではないので、とてもありがたい。
7時前に起床。
妻のモーニングルーティン。
点滴の回収時に、合わせて着替え。
朝から、高速道路を消防車が、何台も上っていく。
朝の暑さ対策に、制汗シートを買ってこようと思う。
4時過ぎからの直射日光が、あっという間に部屋を温室にかえてしまう。
「夏になったら、マジでヤバイ。」
「夏までここにいるの?」
「ん、7月までいる可能性は高いよね。次の治療は遅らせるかもしれないし。その後の回復に時間がかかったら、それくらいになりそう。」
回診がくる。
担当医師もやってきて、方針を聞く。
腸カテーテルは、前倒しで抜くということ。
「もし必要になったら、また入れてもらえますか?」
心配性な妻が聞く。
僕の当然やってくれる、は信用がないらしい。
「もちろん入れますよ。」
その一言で、安心したようだ。
化学療法は、次のクールも行う方針。
看護師とも、話し合って決めたということ。
回診が出ていって、思わず妻の頭を抱きしめてしまった。
けれど妻は、それほど喜んでいないようだ。
「でも、次回までって、言ってなかった?」
確かに言っていた。
けれど文脈は、次回まで抗がん剤の治療をして、在宅の体勢にもっていければ・・・、という内容だったはず。
そんな確認をする。
とはいえ、結果を見た状況次第、というのは変わらないけれど。
「体力を、戻していけるようにしないとね。」
けれど、栄養源はエオネルパしかない。
「食べられればね・・・。」
飴はよいということなので、サポートになりそうなものを、探そうと思う。
「ねぇ。あなたって、私と立場が変わることができたら、変わってくれる?」
「・・・それはすごく、嫌な質問だね。」
こんな質問に、気の利いた答えができないことが、自分の中で残念だと思う。
そんな話の最中に、造影検査の呼び出しがかかった。
文字通り埃をかぶっていた、イレウスワイヤーを持って、妻は検査に向かった。
それを使ってカテーテルを抜くので、事前に所在を看護師が確認してきていた。
状況によっては、カテーテルを抜くようだ。
布団のカバーに、腸液がついていたので、シーツと合わせて替えを依頼すした。
検査から戻ってきての、妻の報告。
胃から腸へは、しっかり流れができていたということだ。
カテーテルを抜く判断をしたらしい。
もう妻の鼻からは、チューブは出ていなかった。
「なんだか、まだ管が入っているような気がする。」
抜いてしまうと、あれこれ思い悩んでいたのは、なんだったのか。
まぁ状況としては、抜いているのと変わらない状態で、2週間ほど経過している。
抜いたからといって、すぐにどうということはない。
「造影剤を少し飲んだから、また下痢するかも。」
それはそれで対応すればよく、どちらかというと下痢は出てくれ、という気持ちだ。
利尿剤の処方もあった。
2度目のトイレの後に、義姉がやってきた。
「なんかさ、看護師さんがみんな報告してくれたよ。鼻のが取れたって。」
本人は、周りほど喜んでいる感じではない。
もちろんうれしいが、2人で取るか取らないかと、ずっと話していたのでそれほどの驚きがない。
こうなったのだから、これからは在宅から通いの治療をと、もう妻は考え始めていて、話し合いをしていたというのもある。
再び造影検査の呼び出しで、妻が車椅子で運ばれていく。
義姉と交代する。
今日の昼食は、昨日と全く同じ。
クリームチーズとブルーベリージャムのトースト、豆腐たまごスープ、ウインナー野菜炒め
カビのあったクリームチーズは、忘れたように普通の状態だ。
イオンで買い物。
夕食と明日の朝食。
蜂蜜飴とサプリメントの舐める錠剤を買っていく。
洗濯と物干し。
シャワー、コーヒーを淹れる。
戻ってくると、妻はまた塗り絵をしていた。
「30分の塗り絵で、ケルトのやつがあるのから、今度持ってきて。」
忘れそうなのでメモに残す。
いない間の報告を聞く。
緩和チームの医師が来て、カテーテルが抜けたことを、確認していったとのこと。
義姉が帰る。
回診が来た。
一番若い医師一人だった。
出て行くとすぐに、妻が散歩に行くという。
ナースステーションの周回をしていると、B棟のステーションに、担当医師がいたので挨拶する。
妻と僕を見ると、出てきて話をしてくれた。
次の治療からは、在宅からの通いを考えているということを、妻が伝える。
部屋に戻って、妻がささやいた。
「元気アピールを、しておいたの。」
そういうことかと思う。
こういうしたたかさは、僕にはない。
でも、かなり重要なことだ。
妻は印象を良くしたいと考えている。
鼻のカテーテルが取れたのは、やはり気分がいいらしい。
新しく選んで、料理番組を観る。
ファイブスター・シェフというやつだ。
夜番の挨拶がやってくると、味見がしたいという。
「次、18時くらいまで、誰も来ないよね。」
僕のエコノミーシートのテーブルに、夕食を広げる。
妻は焼き鳥1本とお握り2口を味見する。
イカのげそ揚げは、あまり口に合わなかったようだ。
その途中で、緩和ケアの看護師がやって来る。
抗がん剤治療は、基本的に、在宅からの治療が条件になっているようだ。
そうなってくると、次の治療前に1度退院があることになる。妻はそのタイミングで、丸山ワクチンをやりたいと考えている。そうすると10日の火曜に、ワクチンを取りに行く必要がある。僕がワクチンを購入してくるときに、義姉がここにいられるか。抗がん剤治療中のワクチンの注射について、看護ステーションとの契約を見直して、詰める必要がある。そんな課題を話し合う。とはいえ、抗がん剤の次のクールが、きっかり2週間後から始まるかもわからない。
月曜に歯科大へ連絡を入れて、購入の手続きに不備がないか、確認することにした。
再びファイブスター・シェフを観ていると、看護チームの看護師が顔を出してきてくれた。
ビロイの場合は、必ずしも通いでなければならない、ということもないらしい。
治療の予定はともかく、ワクチンは治療の合間にやりたいので、確認は月曜にすることは変わりなし。
トイレに行って、妻が大が少し出たという。
これはうれしい知らせだ。
ずっとそれを待っていたから。
ほんの小さなものだったようだ。
けれど、固形物が出てくるのは、かなり腸の状況が改善されていると思えるものだ。
そのあと下痢も出てきた。
造影剤が大腸の固形物を、下痢便で押し出したということかもしれない。
「普通の癌の人はさ、最後に敗血症になるでしょ?私はその逆だから、もっとよくなっていくといいな。珍しい症例ってことで、何かの記録に残るかもしれないよね。」
そうあって欲しいと僕も思う。
寝る前に、妻に命の注入をしておく。
