通院日記034_地域病院_通院27日目 今日はお見舞いの日。 朝、妻からメッセージが届く。 「腸の吸引で・・・
20250416(水) 地域病院 通院27日目
今日はお見舞いの日。
朝、妻からメッセージが届く。
「腸の吸引で、3.6リットルも出た!」
びっくりだ。
あの華奢なお腹の、どこにそんなに入っていたんだろう。
腸に決まっているが・・・。
そりゃあ、苦しかっただろう。
苦しむ姿を隣で見ていても、実際妻がどのくらい苦しいかなんて、僕にはわからない。
もっと早くに。
そういう後悔があった。
けれど、これで嘔吐とお腹の痛みはなくなりそうだ。
午前中、シェア畑に行ってみる。
畝まで作るつもりだったけれど、再契約した区画を確認できなかった。
なので、午後にまた顔を出して、場所を確認することにする。
病院に、不足しているものを持っていく。
「看護師さんから、顔色が良くなってるっていわれた。」
僕も、妻の顔色は、良くなっているように感じる。
話し方も元気そうだ。
タンクには、さらに出てきた液体が溜っている。
朝の報告以後のものだという。
増えた分の目盛りを読む。
トータルすると、4リットル近くになった。
「他の人より、多いらしいよ。」
体型を考えれば、他の人よりすごく多いといえるだろう。妻のお腹を触ってみる。確かに張は減っている。昨日ほどではない。けれど、まだ張りは残っているような気がする。
話をしている間も、鼻のチューブから茶色い液体が動いていく。30秒ポンプアップ、30秒休止のサイクル。自然圧力ではなく、吸引している。そのためのコンセントが2つ追加されて、妻はトイレに行くのに、3つのコンセントを外さなければならない。
面倒な事だ。
「太極拳をやったり、歩いたりして動くとね。まだ出てくる。」
それだけ、動けるようになったのかと思う。
嘔吐や張りの痛みは、たまったものを抜けば無くなる。
それが無くなれば、妻は食事はできないにしても、普通の生活はできるのだ。
この入院も、早く退院したいとぼやくけれど、できるだけ出してしまった方がいいと思えた。
そう伝える。
元気になったのはいいけれど、以前の嘆き気味なところが復活してきた。
でも、それは、痛みと苦しみで何もできないより、全然いい状態だ。
「治療中でも、体調は波があるはずだから、いい時には散歩したりカフェに行ったり、旅行もできるよ。」
そういって励ます。
妻が話の間中、うつむき加減にしきりに視線を落とす。
失望しているのかと思ったら、目の端に映る、鼻からの排出物を視線で追いかけていた。
そのたまに流れてくる液体を、指でピンピンとはじくと、タンクへスムーズに流れていく。
これが今の、妻の趣味になっているようだ。
真似して僕もやってみる。
止まっていた液体が、するする流れていく。
確かにこれは、癖になりそうだ。
郵便物を夜に待つ関係で、シャワーと夕食を早めにとる。
今日の夕食
鶏レバーと蒸し野菜、アジの開き、味噌汁の残り、ぬか漬け
鶏団子と蒸し野菜がなかなかだったので、冷凍保存していたレバーを、焼肉のたれで蒸し野菜と食べる。
これはあまりいい取り合わせではなかった。
夜のライン通話。
「私、食べられるようになるのかなぁ。」
僕と話す前には、姉とも話していたらしい。
「お姉ちゃんとかに聞いてもさ、ぼかして答えてくれないんだよね。ちゃんと食べられるようになるって。大丈夫って言ってくれないんだもん。」
大丈夫、とは僕も言えない。
けれど可能性の話ならできる。
「抗がん剤がうまく効けば、一時的に癌が後退するかもしれないよね。そうしたら腸の部分も、通るようになるんじゃないかな。そうなれば、きっと食べてもいいってことになるよ。」
「でも、そうなったとしても、どうやって判断するの?」
「CTとかじゃないかな。癌の後退が見られますってなったら、流動食から試すとかね・・・。」
「パソコン見ててもさ、みんないろいろ食べているんだよね。お弁当のおにぎりとかウインナーとか、そんなのでもすごく美味しいんだろうなって・・・。元気になったのはいいんだけどさ、そんな事ばかり考えるようになっちゃって。」
「その方が全然いい。吐き気でなにも考えられない、なんていうよりはさ。食べられるように、きっとなるって。」
再び妹の時のことを話して励ます。
抗がん剤が効かず、対処的な治療だけしかできなかったけれど、その間でも旅行に行っていたのは妻も知っている。
極端な話、食事に関しては、最悪は食べてしまえばいいのだ。
そして、また鼻から出してもらえばいい。
頭の隅の方で考えている。
腸の癌にかかっている部分だけ、切除してもらうことはできるのだろうか。
治療としてはできなくても、緩和処置の場合は?
担当の医師と、そんなことも話さなければならないかもしれない。
けれど、とにかく治療を始めなければどうにもならない。
検査の結果は来週になる。
本当に待ち遠しい。
