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【連載小説】「心の雛」あとがき

いらっしゃいませ。
数多くの記事の中からこちらをご覧くださり、ありがとうございます。
(2024.7.20 最下部の感謝、おまけいろいろ2を加筆)

連載小説「心の雛」全20話の公開が終わり、ようやく気持ちも落ち着いてきました。途中、心身共に不調であらゆる情報から逃げ出すこともしましたが、それでも最後まで見届けてくださった優しい方々に支えられ、こうしてまた「あとがき」をしたためております。

「あとがき」では物語のちょっとした補足を書くことにしました。
本編を読んでいない方も、ぜひ。
公開にあたっての感謝の言葉は文末に書いております。
ご興味がありましたらどうぞお付き合いくださいませ。
(あとがき全文 約2,800文字 読む目安時間7分)

登場人物とテーマについて

まず、本小説の奥野心おくのこころ先生は実在する人物をモデルにしております。昔も今も、私の身体を整えてくださった先生です。心先生と同じように薬は使わず、身体に触れて反応を確かめ、整える。治療を通して先生に言われた言葉を自分なりに解釈し小説内に散りばめました。

本小説のテーマは「心の在り方」。
現代社会は、遠い遠い昔と比べるとあらゆるスピードが早く、情報過多、悩むこと、見えない不安も多くなっているように思います。
奥野心とかのうとわ子は、同じ性質を持ち、同じ心を治す医者という立場ではありますが、両者の立ち位置をできるだけ対にしました(上手に表現できたかは自信がありませんが)。奥野は自分でできる範囲の患者様を、叶はできるだけ多くの患者様を、それぞれ診ています。
叶の名前は漢字の通り、叶えたい、願っている。とわ=永遠というくらいたくさんの人が心穏やかになれば良いと思っている。ただ、願いが強すぎて人としての一線を超えてしまった。それが、彼女が心を病んだ原因でもあり辛く残酷な描写となっております。

ひなは愛らしさを追求しました。
小説という媒体は面白いもので、アニメやライトノベルの挿絵のように明確なイメージを伝えることは難しい。髪の長さや特徴、台詞、仕草でもって表現しますが、雛のイメージは固定ではないのです。
でも、それで良いのだと思います。
人それぞれの愛らしさを込めた「雛」で良くて、十人十色の「雛」の声があって良くて、だから言葉による想像ってすごいんだなぁと最終話を終えてからやっと気が付きました。

皆さんのイメージする「心の」中の「雛」が、最終話で前を向いて生きていく。だからタイトルも「雛の心」ではなくて「心の雛」なのです。
どうか皆さんの大好きな少女を想像していただけたら幸いです。
大好きなものを思い浮かべる時、きっと笑顔になるのではと思うからです。

心の在り方を考える

にこにこと笑顔で生きたいじゃないですか。
私はそう生きていきたいです。息を引き取る時に「もっと笑っとけば良かったな」と思っても仕方がないので、今、できるなら笑顔でいたいです。

小説内でこういう言葉があります。

人の言葉に耳を傾けることができず、もうずっと辛い過去と不安な未来で「今」を蔑ろにして生きている。

第十八話で奥野心が叶に感じた言葉

私の行動の指針で、過去(特に嫌だったこと)を思い出すことが増えてきたら要注意。あ、休もうかなと思います。
人間ですから気持ちの浮き沈みがあるのは当然です。大事なことは、マイナスな気持ちに蓋をすることではなくて、気持ちをそっくり受け止めて、じゃあ今何をしようかなと思うことかなと考えております。心の在り方の書籍を読んでもけっこう同じことが書かれていますね。

十分休んで楽になると、今目の前のことに気付きます。
空がきれいだったり、花が美しく咲いていることだったり、周囲の人のありがたさに気付けたり…。

心先生のモデルとなった先生は私に、
「心とは波みたいなもの」とおっしゃっていました。
嬉しいこともあれば悲しいこともある。
ずっとハッピーなわけはない。それは躁鬱の「躁」状態に似ていて、ずっとその状態が続いたら身体は疲弊してしまう。
波をイメージして穏やかに過ごす。
今を大事にする。
そういうことを、教えていただきました。

どうすれば自分が日々穏やかに過ごせるのか。
人それぞれでマニュアルなんてものはありません。
皆さんが自分だけの心の在り方を模索していくほかないと思っております。

心穏やかに生きるために

描写の残酷さはともかく、ストーリーはともかく、私は小説内で穏やかに過ごすポイントとなるキーワードを盛り込みました。心先生が落ち着かせるためにしていること、あえて手にした物、わざわざ言わせた台詞、叶に対して揺れ動かない描写などなど。
一方、叶が心の病に陥っている表現も随所に盛り込みました。その状態になりますと、叶でなくてもおそらく心が疲弊状態にあるかと思います。

答えは書きませんので、気になる方は言葉に着目して読んでも面白いかもしれません。

おまけいろいろ

最後におまけです。

奥野心はちょっとボケております。
雛の名前を決める際、候補は
「一、雛」
「二、成鳥」(子供じゃないという反対理由から)
「三、成虫」(鳥じゃないという反対理由から)
の三択だったようです(雛談)悲しいほどのネーミングセンス…!
それで消去法で「雛」に決めたようです。

◯プリンが好きすぎて自作のプリンの歌があるとか
◯師匠に言われた名言をまとめて「師匠語録ノート」を作ったとか
◯タイマーではなく砂時計なのは、電池を買うお金を浮かせるためとか

本編では語られないことですが、実はプリンの歌も作ってあります。
今度投稿してみようかと考えていたり…。

また、叶とわ子が最初に来院した際の描写もおまけで一言。
耳に蝶のピアスを付けております。これは「自由に羽ばたくことができる存在」=「羽の千切れた雛には二度と叶わないこと」の対比で追記しました。雛の服は質素で、本当は美しく可愛い服を着たいと思っています。蝶は美しさの象徴でもあり、雛の心を煽る装飾品として身に付けさせました。叶本人は知り得ないことですが。

突然出てきたプロフィール設定↓
(2024.6.12 一部修正させていただきました)

奥野心のプロフィール
名前/奥野 心
年齢/20代後半〜30代前半くらい  身長/170cm強  体重/63kg
大切なもの/雛、プリン、師匠語録のノート、ハーブ、植物、珈琲

雛「ちょっと待って! 先生! なんですかココ! 私の入るカテゴリーはココですかっ⁉」
先生「えっ? 何かおかしいですか……?」

奥野心のプロフィール(改訂版)
名前/奥野 心
年齢/20代後半〜30代前半くらい  身長/170cm強  体重/63kg
生涯のパートナー/雛
大切なもの/プリン、師匠語録のノート、ハーブ、植物、珈琲

雛「これでよし!」

雛のプロフィール
名前/雛
年齢/若い  身長/オレンジほど  体重/先生が肩こりにならない重さ
生涯のパートナー/心先生
大切なもの/花の蜜、ハーブティー、ハーブのお風呂、可愛い服

雛「女性の体重を公にするなんて言語道断よ!」

閑話休題

最後になりますが、稚拙な小説を読んでくださった方々と、可愛くて美しいイラストを描いてくださったふうちゃん様、たくさんコメントをいただいた先輩noter様、本当に感謝申し上げます。お名前を出すと気を遣われるかと思い、ここでは控えさせていただきます。

そして、もうひとつ新しい別の作品へと繋がりました。

本作の設定をもとに深く考察し、女医師の心情や人間が妖精狩りに至った経緯が丁寧に描かれております。医療資源という視点の「叶とわ子・外伝」もぜひ読んでいただけたら幸いです。私には書けない作品です…!


本作を通して、少しでも多くの方が少しでも生きやすくなる一助となれば、何よりの幸せと思っております。

笑顔溢れる社会になりますように。

I thank you from the bottom of my heart.


連載小説「心の雛」マガジンへのリンクはこちら

おまけいろいろ2

創作大賞作品ではありませんが、後日譚の短編小説も書いてみました!
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