科学の歴史は「親殺し」の歴史だった。ピースくんが語る、恐ろしい科学哲学の世界。
コント:『科学の歴史は「親殺し」の歴史だった。ピースくんが語る、恐ろしい科学哲学の世界。』
【登場人物】
ピースくん: まんまるふわふわポメラニアン。瞳の奥が笑っていない哲学モード。
ボンタくん: 現実主義の柴犬。手にはソロバンや計算機を持っている。
(舞台は真っ白な空間。ピースくんが中央で静かに座り、ボンタくんをじっと見つめている)
ピース
「ねえ、ボンタくん。君は今、そこに座っていると思っているよね? 自分の重さを、そのソロバンで測れると思っているよね?」
ボンタ
「……ああ、当たり前だろ。俺はここにいるし、飯を食えば体重は増える。それが『現実』だ」
ピース
「……ふふ。それは『ニュートン的なまどろみ』だよ。経験論の限界だね。いいかい、君が信じているその『重さ』や『場所』は、宇宙という巨大なパラダイムが書き換わった瞬間、霧のように消えてしまう、はかない仮説に過ぎないんだ」
ボンタ
「な、何を言い出すんだよ、ピース。急に怖いぞ……」
ピース
「ポパーは言った。反証されないものは科学ではない。つまりね、ボンタくん。君が『僕の名前はボンタです』と証明しようとしても、僕が『いいえ、君は高度にプログラミングされた大豆の塊です』という反証を突きつけた瞬間、君のアイデンティティは崩壊し、宇宙の塵へと回帰する……。科学の歴史はね、昨日までの君を殺し続ける、残酷な葬列なんだよ」
(ピースくんの周囲に、なぜか物理数式がオーラのように浮かび上がる。ピースくんの毛が静電気でパチパチと音を立て、空間全体が歪み始める)
ピース
「さあ、答えて。次のパラダイム・シフトが起きた時、君という『概念』はどこへ行く? 君を構成する原子の一つ一つが、実はただの『夢』だったと証明される準備はできているかい……? ボンタくん、君は……本当に、そこにいるの……?」
(ボンタくん、恐怖のあまりソロバンを落とし、ガタガタと震えながら顔を覆う。数秒の耐えがたい沈黙。ピースくんがふっと微笑む)
ピース
「……なーんてね! 難しいこと言いすぎて、お腹が空いちゃった。ねえ、ボクが『夢』になっちゃう前に、早く晩ごはんのパラダイム・シフト(おかわり)を始めようよ!」
ボンタ(沈黙)
「…………。おい、さっきの不気味なオーラを返せ。あと、ただの『おかわり』を難しい言葉で包むんじゃない。腹が減っただけだろ!」
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