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QC手法のお話その9-層別♪とMECE♪と、AIの結果を鵜呑みにするな!のお話♪

 もうすぐ桜の季節にウキウキワクワクで🤣🤣どこの桜を愛でに行くかこっそり?計画中の😁コンサルタントの山本です。

 ちなみに冒頭の写真は、10年前に松山在住時、心が病んだ時😱の早朝に良く気分転換で行っていた、あの青春18きっぷや寅さんの映画多々、鉄ちゃん界隈でも有名な下灘の駅です。松山の自宅からバイクで気持ちよく走って40分。当時は閑散としていて、ホームで缶コーヒーを飲みつつ伊予灘を眺め気持ちを癒していたのですが、昨年、松山訪問時に下灘駅に行ったときは観光地化されてしまい、少々残念ではありました…😔
 
 さて、今回でQC7つ道具のお話は最後になりますが、QCに重要な層別MECE(ミーシー)のお話をします。
 
1.層別とは
 
 「層別(そうべつ)」という言葉は、元は「集団をいくつかの層(グループ)に分けること」 です。データや集団を特定の基準で分類し、違いを明確にするための方法です。

 そして「層別」は、品質管理においては非常に重要な考え方で、これを考えなければQCが成り立ちません。
 品質管理においては、「層別とは得られたデータの共通点や特徴から適切に「分類」すること」です。「分類」⇒「類ごとに分ける」⇒これが品質管理の「層別」です。
 特に、QC7つ道具を活用する際には、層別の感度(精度)が分析の的確さに直結します。
 下図に層別のイメージ図を示します。

層別のフロー。漠然とした状態を「感度良く」分類(層別)して問題を具体化していくこと。
そして具体的な問題が抜けたりダブったりしないように網羅することが重要で、
これをMECEと言う。

  問題を解決したいが、漠然としてどこから手を着けければ良いのかわからない問題を、例えば上図では製造業の一般的分類の「4M」視点から層別をします。4Mは前回の特性要因図を思い浮かべてください。
 その4M視点から更に問題を分類をしていきます。
 
2.MECEとは
 
 MECEとは「ミーシー」と発音し、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略で、
 Mutually Exclusive(相互に排他的)
→ グループ同士が重ならない
ダブりがないこと。
 Collectively Exhaustive(全体として網羅的)
→ 全体を漏れなくカバーする
漏れがないこと。

 すなわち「漏れなく、ダブリなく」全体を網羅することを指します。
 漠然としている問題を層別して絞り込んでいく時に抜けやダブりがあると、その後にいくら頑張って分析しても、効率も悪く、更に具体的な問題にたどり着くことができません。
 そうならないように、抜けやダブりのないMECEを考慮して層別することが重要なのです。
 上図のイメージでは層別の時に抜けやダブりが無いように、例えば特性要因図作成時に、関係者と共にしっかり議論や意見を出してもらうのです。
  
3.感度が良い層別の考え方

 漠然とした問題を整理するためには「感度が良い」層別と言う考えが必要になります。下図の例で説明をします。

感度の良い層別の仕方の例
漠然とした数値や並び方等に、何かしらの規則性が無いかよく見ることが、
感度の良い層別のポイント。

 例えば、図の中に★印のデータ群が分布するとします。青★は良品、赤☆は不良品です。
 縦軸は24時間の生産時間、横軸は使用している原料のロットとします。
ある意味これは相関性が見えない散布図ですね。
 このようなデータが分布しているとき、どういう層別をしたら不良品が発生する問題が絞り込めるのでしょうか。

 ケース1(上図左)で原料ロットごとに縦に切り口、層別をしたとします。不良品の分布に傾向は見えません、
 ケース2(上図中央)で生産時間ごとに横に層別をしたとします。これでも不良品の分 布に傾向はみられません。
 つまりこの場合、製品別に層別をしても傾向が見えてこないのです。
これを「感度の悪い切り口」と言います。
 このような感度の悪い切り口の層別であれば、問題の特定に近づくことができません。

 そこでケース3(上図右)として斜めに層別をしました。すると、斜めに切った真ん中に不良品が集中していますね。
 すなわち、ロットAでは夜勤帯に、ロットBは夕勤帯に、ロットCは日勤帯に不良品が発生していることがわかります。
各ロットと発生時間に何らかの関係がある。ここを更に追求し、原因を明確にする。
 これが「感度の良い」切り口です。

 層別をするならば、「感度の良い」切り口を様々な層別の視点例えばわずかな規則性を見つけ出すことが大切です。

 もう一つ層別の例として、今回の課題の成形加工している丸棒の重量変化とスクリュ回転数との関係を示します。

管理図のデータからスクリュ回転数と重量の相関性を見る。
左の図では同じスクリュ回転数でも製品重量がバラついて相関性がはっきりしない。
これは生産品取得前の条件調整のデータが入っており、他の条件調整の要因がノイズとして乗っているので、生産品取得以降のデータのみに「層別」したのが右の図となる。

 50の製品重量の数値データを、横軸をスクリュ回転数、縦軸を製品重量で散布図を作りました。
 すると、同じスクリュ回転数でも重量に大きなばらつきがあるのがわかります。
 仮説として、スクリュ回転数が速くなれば成形機から樹脂の吐出し量が増える正の相関グラフになるはずですが、ばらつきが多すぎて明確な相関になりません。
 これは生産品取得前の条件調整で、スクリュ回転数以外に速度等を変更しているのでばらつきが大きいのです。これは求めるスクリュ回転数と製品重量に対する外乱「ノイズ」です。
 従って、条件が安定し製品を取得し始めたデータから条件調整をした状況について作り直しました。結果、相関性が上昇し、スクリュ回転数と製品重量との関係が明確になりました。
 このように重量データについて、製品採取前と製品採取開始後の間で層別をすることで、ノイズが消えて関係が分かり易くなった例です。
 
 4.MECEの考え方

 そして、層別を的確に行なうためには、MECEの考え方が不可欠です。

MECEの考え方。全体の範囲に対して特定の切り取りをすると抜けやダブりが発生し、全体像が見えなくなり間違った方向へ進んでしまう。必ず全体を俯瞰することが必要。

 例えば上図のイメージのように、対象の全体に対して層別する切り口が全体を網羅出来ていなければ、MECEにはなっておらず、抜け漏れによる大きな問題の見逃しや、ダブリによる非効率性や誤った対策が生まれる恐れがあります。
 なので右の図のように、切り口が全体を網羅し、MECEになっていれば、抜け漏れ・ダブリが発生しにくくなります。効果的な解析を行なうためにも、層別の際には、必ずMECEで考えることが必要不可欠となります。

 特にMECEの考え方はビジネス、コンサル、企画、研究など、あらゆる場面で抜け、ダブりが無いように意識して使われます。
 それは、下記4点の効果が得られるからです。
①問題の全体像がクリアになること。
②複雑な情報を整理しやすくなること。
③抜け漏れのないことで正確な分析ができること。
④論理的で説得力のある説明ができること。

 本論のまとめとして、層別とMECEの両方を常に意識してQC7つ道具を活用してください。
  
 以上で9部に渡るQC7つ道具のお話は終了です。

 新QC7つ道具はまた別の機会に整理してお話ししましょう。

5.AIの回答は鵜呑みにするな!

 オマケのお話で…🤭🤭🤭
 仕事上、調査や計算が多いので手っ取り早くAIを活用しています。特にChatGPTと、仕事ではEdgeをメインにしていることからCopilotを主に使用して調査をしています。
 AIは質問に対して非常に的確に回答をしてくれるのですが、AIの回答を自己確認もせず真に受けると、大変なことになる一例🥵を示します。

 先日、企業様の依頼を受けまして、事業場内の安全衛生診断を実施しました。
 安全衛生診断とは、元来は企業内で労働災害を発生させた場合等の問題に対し、労働安全衛⽣法78条第1項の規定に基づいて労働局長に安全衛生改善計画の作成を指示された時に、安衛法で定められた労働安全衛生の専門家に診断を受けるものです。この専門家とは労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタントのことで、これも安衛法に定められています。
 また、労働災害は発生していなくても、企業様の安全衛生活動計画等で、定期的に、自主的に専門家の目線で実施を依頼されることもあります。

 今回は後者のとおり、企業様の積極的な安全衛生活動計画に伴う診断依頼があり実施をしました。

 企業様の事業所を管理者共々巡視して、法令上の課題や整理整頓等、潜在するリスクを抽出して指導、助言をするのですが、この時、巡視で一つ気になったところは棚の耐震処置についてでした。事務所や作業場の棚に対して、アンカーや突っ張り棒等で耐震措置をするのは、法令上義務かどうなのかと言うのがあり、報告書をまとめる時に、耐震措置の根拠法令についてChatGPTに質問をしたのです。その結果が下図です。それでまぁ…何と言うか…

AIは法律を勝手に作って騙す??

 労働安全衛生規則(安衛則)第609条に地震による倒壊防止の条文がある???と言うChatGPTの回答でした。
 私、一応安全コンサルタントの端くれですが、安全衛生関係法令は把握しているので、こんな条文あったのかい?と疑います。
 安衛則のこの条文は、第三章の衛生基準の作業場における環境の規定の項目の中の一つです。第609条は、作業場に高温の加熱炉がある設備の修理に関して、温度が下がらなければ入ってはいけないこと、そしてその入場禁止等の旨を表示することが法令で求められています。

 だから…安衛則にこんな条文は存在しないわ…
 こいつ!勝手に法律作りやがったわ😱…と嘆く😫…

 自力で調べた結果、他の法律(特に消防法、建築基準法とその関連規則等)も確認しましたが関係指針はあれど、棚の耐震における明確な条文は見当たりませんでした。

 それなのにまぁ…しゃぁしゃぁと…勝手な法律を作ってしまうChatGPT
に怒りつつ、あらためて確認をしてまとめました。

 本件の結論を言えば、棚の耐震措置については具体的な法的義務はないこと。ただし、各種の棚に対する耐震対策指針(消費者庁、消防庁)があり、これらの指針に基づいて対策をすること。もし、棚等の転倒で労働災害が発生した場合には労働安全衛生法第3条(事業者等の責務)及び第20条(事業者の講ずべき措置等)の方で解釈される場合があること、でまとめました。
 要は棚等の耐震対策を積極的に推奨します、と言う助言です。

 AIに色々と聞いて回答を得ても、まず鵜呑みにしないことです。今は局所排気装置の設計の計算をAIにさせたりしていますが、検算や公式を他のところで確認をすると間違っていることもあり、AIの結果について私は必ず検算をしています。

 一応プロンプト(質問、依頼事項の入力文言)も変えたり精度よく入れてみれば、ある程度は回答の精度も上がる様ではあることを一言追記しておきますね。

 だけど、AIの結果は参考として、必ず自分の責任で再検証すること。特に外部に出す文書は間違えられませんので大切ですね。

 ところで、労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタントは労働安全衛生法にも記載されている、働く人の安全と健康を守る専門家なのですが、イマイチ、マイナーであることは否めません。

 今回の業務のように、企業様の製造事業場を診断する場合にも専門家であるコンサルタントは労働安全衛生法、その下位にある十数種の特別規則の理解は必須ですが、これ以外にも労働基準法、消防法、毒劇法、環境関連法(振動、騒音、廃掃法等)、建築基準法、電気事業法等々、業種によっては例えば道路運送車両法(運輸業関係)等、「ものつくり」に関する様々な法令を理解する必要があります。関与する法令から見れば事業場の全体診断に関しては結構オールラウンドな専門家です。

 企業様はもとより、そこで働く人すべての安全と健康を守るために労働安全、労働衛生コンサルタントはきちんと国家資格として存在していますので、ぜひご活用ください。

 と言う、宣伝込みのお話でした😓😓。

 それでは皆様、三連休の方もおられるかと思いますが、次週もご安全に♪

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