岸谷蘭丸がLGBTQについて語る動画の感想
ジェンダーについて、告白したい【LGBTQ】
彼個人にいろいろ苦労はあったのだろうし、未成年者に対してのジェンダー教育に関しては慎重になるべきという主張は分からなくもなかったが(彼が見聞きした教育現場の話も彼の主観で、動画用の誇張が入ってると思うのでどこまで信じるべきか分からない)、「ん? それは違うんじゃね?」と思う点が多かった。彼も動画の概要欄で
有識者がみたら本当に笑ってしまうような、おままごとみたいな内容を話しているのかも知れないし、逆に彼らでも知り得ないような1人称視点の話を出来ている事に実は価値があるのかも知れない。 迷いましたが正解もわからないので、ひとまず出してみる事にしました。 とはいえ、自分が感じた事と見た事を正確に表現できているとは間違いなく思っているので、仮に不適切な動画であったとしてもYouTubeってのはそういうのが許される場であると信じています。 LOVE、JAPAN。
と言っているので、私も1人称視点の感想を言うことにする。
■2:44 "(アメリカはやばい)学校で他人を呼ぶときにHe, She, Theyってのを言い間違えたら退学になるとか"
→これのソースが分からない。アメリカで生徒が退学になる/なったというニュースは見つけられなかった。動画が投稿された以前で近いのはこのニュース
しかしこれは、学生ではなく教授の懲戒だし、結果として教授は勝訴している。しかも懲戒の理由は「言い間違えた」からではなく「使用を拒んだ」からである。
一番それっぽかったニュースはイギリスのオックスフォード大学関連のニュースなのだが、アメリカの話ではなくなってしまう。
これも扇情的な見出しをつけて報じているのはFOXニュースなどの右派のサイトばかりだった。それに「故意に・執拗に間違った代名詞を使うのはハラスメントである」とハラスメント防止ポリシーに書いてあるので、こちらも「言い間違えたら」ではない。
この件に関してはどのニュースに岸谷が言及しているか分からないと何も言えない。もし仮にこれらのニュースのことを言っていたのだとしたら、事実に正確ではなく誇大で、非常に不誠実だと思う。情報源出してほしい。
■4:00あたり 「アメリカLGBTQが影響力を持ったきっかけは人種が多すぎたから」
この主張はよく分からなかった。人種が多すぎたからカテゴライズの必要性が生まれたとのことだが、論理が飛躍してると思う。
■4:10 カテゴライズが大きくなった理由の考察を話している。以下抜粋
でそうやってカテゴライズするために始まった物がどうしてこんなに大きいのかって言うと
正直僕は、弱者のためにLGBTQってものが使われ始めたと思うんだよね
こういうこと言っちゃいけない感は本当にあるんだけど
僕は、少なくとも見た限り、LGBTQですって活動してる人達は自閉症か弱者かどっちかだなって思ってる。
アメリカの高校通っててさ
LGBTQ(の活動をする)子勿論いたんだけど
まあまず白人黒人は少ないね。
(普通の)ゲイ、レズビアンはいるんだ。
でもそれって昔から、何百年前からあったことで
20世紀21世紀になって出てきた様な
いわゆるLGBTQです!虹色フラッグ!
みたいなタイプの人達は
自閉症、発達障害、もしくは社会的マイノリティ
アジア人とかヒスパニック系とか多いよね。
つまりそれってそういう事じゃん。
強者と戦った時に社会で負けてしまう人達が
その競争から脱出する為に新しい枠として
出来たのがLGBTQなんじゃねって僕は感じた。
社会的な強さって凄く性的魅力みたいな所にあると思うんだよ
男だったら女にモテるか、女だったら男にモテるか
ていうのはやっぱり切り離せない、生きていく上で
でもそこのレースでは我々アジア人とか
ヒスパニック系とか、なかなか勝つのは難しい
ムッキムキの髪が金髪で目が青い白人とかには
どうやっても社会的な勝負で勝てない。
それはもう歴史的なバックグラウンドとか
そういう理由ではある。
僕だってアメリカではちょー敗北者だったから
もうど底辺よど底辺
なんだけどそんな我々が白人達と戦わなきゃ
いけない競争から逃れる道がLGBTQなんだよ。
もう特別枠はそこで競争してくださいよ
っていう風になるから。
競争から脱出できるんだよね、しかも合法的に
だからこのLGBTQっていうのは
競争から逃げるための手段として
物凄く利用価値が高くなっちゃったんだよね。
お前それほんとかよって思うと思うんだけど
現に僕は今イタリアの大学に行ってるけど、
イタリア行ってから全然いない、LGBTQ系
普通にゲイ、レズ、って人たちはいるけど
過激なリベラルな主張をしてる人達は全然いない
僕はそれは人種が少ないからかなって思ってる。
・「弱者のためにLGBTQってものが使われ始めた」
→後に彼の弱者観が述べられるけど、そもそも性的少数者でマイノリティなんだから弱者で当然だし、弱者だからLGBTQの権利のために運動してると思うのだが。
・「LGBTQですって活動してる人達は自閉症か弱者かどっちかだなって思ってる」「自閉症、発達障害、もしくは社会的マイノリティ アジア人とかヒスパニック系とか多いよね つまりそれってそういう事じゃん」
→そういう事って何? そういう事だとしてなんなんだよ。精神障害者と人種的マイノリティがLGBTQの活動をすること、弱者が社会運動することの何がいけないのだろうか。それに対してそういう事じゃんって言って動画でドヤれるのが賢いと思ってる。個人的にはよく見る典型的な反リベラルの意見を言ってるだけで独創性を感じなかった。そもそも同じ活動してる人がいて、その中で強者より弱者が気に食わないと思う考え方が理解できない。なんでわざわざ白人のアクティビストよりも人種的マイノリティ、精神障害者を槍玉に挙げるのか。それを"そういう事じゃん"と伝えて、視聴者から「やっぱそうなんだww」と反応されるのを想定しているのがキモい。
発達障害を見せ物にして笑うの本当に好きじゃなくて例の彼も全く追ってないんだけど、きっとこういう潔癖症気味の感性は根底から差別的なんだと思う 笑われる権利すら与えない選民思想
— 岸谷蘭丸【MMBH留学】 (@ranmarukishitan) October 25, 2023
↑自分は差別的じゃないって主張するタイプじゃなくて、「差別的で何が悪い?リベラルの権威を否定するぞ!」ってタイプの人だった。
動画とツイートを見ていて感じるのは、彼が「LGBTQムーブメントが障害者を騙してるから嫌い」じゃなくて「LGBTQムーブメントは障害者"が"やってるから嫌い」っぽいんだよね。本当に下に見てる対象の蔑視にしか関心がなくてすごい。普通は思ってなくても前者に言及を試みるだろ。「障害者が騙されててかわいそう」みたいなことをさ。でも本人は障害者が調子乗ってるところ、注目されてる所を見たくなくて、嘲りの対象だとしか思ってないし、それが当然同意されると思ってる世界観で生きてる。本人が自覚しているように優生思想への疑いがない人間。それを言えちゃう俺かっこいいって思ってる。ただ弱者を嘲ってる界隈でチヤホヤされてるだけなのに。
・「我々アジア人とか
ヒスパニック系とか、なかなか勝つのは難しい
ムッキムキの髪が金髪で目が青い白人とかには
どうやっても社会的な勝負で勝てない」
→この彼の白人コンプ的なところは面白いと思った。なんとなくのイメージだけど、若い世代になればなるほど白人コンプは薄れてると思っていたから。海外生活の苦労の中で形成されたのであろう。
彼は新しい価値観を打ち出す感じでセルフプロデュースしているのに、この辺の価値観は古い、というか実際にアメリカで白人が強者なリアルを目撃したから形成された価値観なのだろう。実際自分のことを保守的な考えを多く持ってると言っていた。旧態依然を壊すスタンスなのにそこは歯向かわないんだと思った。リベラルの権威=旧態依然というスタンスなのだろうけどそれって世界的に見たら新規性全然ないよなって思う。白人が強者なところを見てきたのに、自分も苦労したのに動画で主張するのは「競争から逃げる弱者が作ったムーブメント」「白人異性愛者が幅を利かせてしかるべき」なのが悲しい。
今週のジャンプ新連載、左門くんはサモナーの人に絵が似てるなーと思ったらほんとに同じ作者だった
— 岸谷蘭丸【MMBH留学】 (@ranmarukishitan) February 13, 2024
漫画大好きオタクだった中学時代の片鱗 pic.twitter.com/lTvSK7Da5P
↑ 漫画大好きオタクの片鱗
俺たちが高校時代バカにしてた汚くてダサいオタク君達の一部が30前後になって垢抜けクリエイティブ周りで成功する人達だったんだな
— 岸谷蘭丸【MMBH留学】 (@ranmarukishitan) January 30, 2024
↑ツイートかわいいかもしれない、テオくんみたいで
・「アメリカの高校通っててさ
LGBTQ(の活動をする)子勿論いたんだけど
まあまず白人黒人は少ないね。
(普通の)ゲイ、レズビアンはいるんだ」
→この(普通の)に彼の思想出てるなーって思った。本当に活動者が嫌いなんだなって。
・まとめ
彼個人の意見としてはありだと思ったが、論理の飛躍、こじつけ、独自の前提への固執が想像以上に香ばしくて、彼を有識者としてテレビで使うべきではないと思った。
データ上人種的マイノリティのほうがLGBTQの自認が少し高いのは事実で、彼のいた環境もそうだったのかもしれないが、それで強引にあの結論になるのは怖い。その強引さが社会的弱者の方に向かうのが怖い。なんで偏見を強化することで賢さアピール、リアリストアピールをしたがるのだろうか。マイノリティに対する二重三重の攻撃だし同時に白人の性的少数者の存在を無視している。しかも自分はすでにアメリカにいなくてゴリゴリのストレートなのに安全圏から弱者への偏見を拡散していて本当に卑怯である。
性的魅力の競争から逃げたLGBTQを問題視するなら、異性愛者のインセルの銃乱射テロとかどう思ってるんだろう。競争から逃げた人を問題視するんじゃなくて競争自体を批判するべき、ってスタンスがZ世代インフルエンサーのデフォになってると思ってたのに。彼に言わせるとそれがリベラルの欺瞞なんだろうけど。
それわざとやってるんですよ、思想は基本保守的だけど古い価値観とか不要な縛りを変えていきたいリベラルな側面もある。この不一致は全然悪いことだと思ってない。
— 岸谷蘭丸【MMBH留学】 (@ranmarukishitan) July 6, 2024
子供達は僕に憧れて髪伸ばしたり染めたりピアス開けたりしたらいいと思う。ファッションでの自己表現。… https://t.co/PDvrkeHo7g
ロールモデルになるべき人間がLGBTQは弱者か発達障害だと思ってるって言って良いんですか? あなたが理想とする社会ってそういうことが自由に言える社会ってことですか? 私はあなたが嫌いだしあなたがロールモデルになる社会はクソ喰らえだと思ってます。というかあなたはすでに人気商売的には成功する属性に迎合してるんだから戦ってすらいないと思う。あなたの理想とする社会はすでに訪れているんですよ。
追記
すでに何度か編集して書き足してきたが、そもそも一番おかしい点について書いてなかった。間違えすぎてて指摘する必要もないだろと無視してしまっていた。
それは次の発言について↓
"社会的な強さって凄く性的魅力みたいな所にあると思うんだよ
男だったら女にモテるか、女だったら男にモテるか"
"なんだけどそんな我々が白人達と戦わなきゃ
いけない競争から逃れる道がLGBTQなんだよ。
もう特別枠はそこで競争してくださいよ
っていう風になるから"
これはそもそも性的指向の話のはずのLGBTQを、競争に負けたから性的指向がマイノリティになっているという論点のすり替えで、かなり客観性に欠け事実と異なる、一瞬でトランスフォビアの妄言と跳ね除けられても文句の言えない発言である。岸谷が男とキスした時気持ち悪かったから他のLGBTQもきっとそうに違いないと思っていると解釈される、かなり幼稚で認知が歪んでいると批判されても仕方ない動画の構成になっていると思うのだが。まさか本気でLGBTQの活動者の大半が本当は異性が好きだと思っているのだろうか。
