北陸の郷土資料を読んでみた⑧能登印刷出版部/能登空港着工記念「能登の伝説人」/上田聡子
能登には知られざる伝説と、それを今の時代につなぐ伝説人がいる。「能登は民族文化の宝庫」という言葉に、本書を読んでいて出会い、実はそうなのかもしれないと、生まれ育ったふるさとのこまごまとした記憶を引っ張り出す。
今回紹介する「能登の伝説人」は、能登空港着工記念誌として、平成十二年に能登印刷出版部から発刊された一冊である。写真は渋谷利雄、著者は瀬戸久雄、編者は能登学研究会だそうだ。
能登空港の開港日は平成十五年七月七日なので、空港オープンの三年前に出版されたということになる。本書は迫力あるカラー写真が多く織り込まれ、キリコ祭りや能登の海山の文化を紹介した「能登の響き」、能登に生きて伝統をつなぐ人々を紹介した「能登の伝説人」、能登空港着工についてのエピソードからなる「能登の夜明け」の三章で構成されている。
ページをめくっていて、とくに面白く読んだのが「能登の伝説人」の二つ目のエピソードとして出てくる「平家落人伝説」だ。
能登は平家ゆかりの地、という話を聞いたことがあるだろうか。もちろんあの源平合戦の平家である。壇ノ浦の戦いで敗れた平時忠の流刑の地が、珠洲市大谷村(現在の珠洲市大谷町)なのである。
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