「脳シミュレーション」『部分と全体』"emergent property" 「ヒトの脳」は「アルゴリズム」か?
2018年3月26日に理化学研究所が出した研究成果(プレスリリース)
「ヒトの脳全体シミュレーションを可能にするアルゴリズム
-脳シミュレーションの大幅な省メモリ化と高速化を実現-」
を読んでいて、ふと、思い出したことがありました。
「次世代スーパーコンピュータ(スパコン)* でヒトの脳全体の神経回路のシミュレーションを可能とするアルゴリズムの開発に成功」
(* 理研のスーパーコンピュータ「京」とドイツのユーリッヒ研究センターの「JUQUEEN(ユークイーン)」)
「現在の最高性能のスパコンをもってしても、ヒトの脳全体の規模で、神経細胞の電気信号のやりとりをシミュレーションすることは不可能」
と言うことです。
かなり昔2018年のことなので、今、どうなっているのか知りませんが、ここでは、それがテーマではありません。
更に遙か昔、まだ10代でしたでしょうか。本のタイトルも忘れましたが(システム関係の内容だったかと)、 "emergent property" という言葉を初めて知りました。たしか、訳語はついてなく、原語のままだったかと思います。今現在、ググってみると「創発特性」という訳語がついてました。意味を読んでみると、少し違うニュアンスだったかと思います。
誰かの言葉があったかと思いますが、部分の集まり全てが「全体」ではなく、「全体」であってこその特有の性質が発生するといった趣旨で使われていたと思います。しかも、まったく予想もつかないような、特異な性質が創発されるといったことだったかと思います。
ハイゼンベルクの『部分と全体』Der Teil und das Ganze:Gespräche im Umkreisder Atomphysik : Werner Karl Heisenberg にも、『部分と全体』というタイトルの本がありますが。
前述の"emergent property"は、生物・人間・脳・AI などの「自律性」(少し多義的かと)「自動性」(曖昧ですが)などと関連して使われていました。
あ! それで、本題の冒頭の論文「ヒトの脳全体シミュレーションを可能にするアルゴリズム」ですが、疑問なのは、「ヒトの脳」は「アルゴリズム」か?・・です。
ググってみると、「アルゴリズム(algorithm)とは、特定の問題を解決するための手順や計算方法、処理方法」とあります。
確かに、「脳」に「アルゴリズム」の機能は当然あるでしょうが、それはほんの一部分に過ぎないのではないでしょうか。それは、また、別の問題として。
「脳」の「自律性」「自動性」という"emergent property"は、「アルゴリズム」とは関係がない、少なくとも、直接関係がないかと思います。
「アルゴリズム」によるアプローチは、あくまでも分析的方法であり、「脳」の「自律性」「自動性」という"emergent property"は、分析的手法ではアプローチ不可能であって、正反対の、何らかのホリスティックな現象なのだと思うのです。それを「アルゴリズム」と呼べる性質のものなのかどうかは、分かりませんが。
ただ、"emergent property"の具体的な仕組み・内容は、まだ人類は手に入れていないでしょうが。
25.Mar.2025 あまりにもあいまいな-レジリエンシー
